ものづくり補助金平成25年度製造業山形県

建築鉄骨加工における生産プロセス高度化と短納期・コスト圧縮による新規受注の実現

有限会社成澤鉄工所

この事例のポイント

  • 切断・穴あけの前工程を外注に大きく依存しており、それがネックになっていた。
  • 外注に依存していた切断と穴あけの前工程を内製化するため、CADデータと連携できるNCドリルマシンとバンドソーを導入し、両設備による生産ラインを構築した。
  • 外注先の繁忙期や閑散期に左右されず、切断と穴あけの加工工程を自社で確立できた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社成澤鉄工所
所在地山形県 鶴岡市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御
従業員数24人
資本金400万円
設立1989年

事業の背景

鉄骨製作では、切断と穴あけを行う前工程から作業が始まる。当社は前工程の多くを外注に頼っており、外注費に加えて大型トラックでの搬送費もかかっていた。そのため、最初の一次加工段階の効率化とコスト削減を目的に内製化を図ることにした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力切断・穴あけの前工程を外注に大きく依存しており、それがネックになっていた。
  • 集客・繁閑前工程の外注先の繁忙期や閑散期によって受け入れ状況が左右され、加工工程が安定しなかった。
  • 納期・工程既存設備では前工程に時間がかかり、次の組立・溶接作業に進むまでに時間を要していた。
  • コスト・採算外注費に加えて大型トラックによる搬送費も加算されていた。

やったこと

外注に依存していた切断と穴あけの前工程を内製化するため、CADデータと連携できるNCドリルマシンとバンドソーを導入し、両設備による生産ラインを構築した。CADデータからNCデータへの変換ソフトも導入し、図面から機械への転記作業を減らした。これにより転記ミスなどのヒューマンエラーを極小化した。切断と穴あけ処理のスピードも大幅に向上した。

加工機NCドリルマシン
加工機バンドソー
ソフトCADとNCデータ変換ソフト

事業の効果

外注先の繁忙期や閑散期に左右されず、切断と穴あけの加工工程を自社で確立できた。導入した設備により加工スピードが格段に上がり、前工程のリードタイムが半減した。その結果、次の工程へ効率よく移行でき、短納期化とコスト削減が実現した。CADとNCデータ変換ソフトの導入で転記ミスなどのヒューマンエラーが極小化し、品質も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    外注依存の前工程を内製化する方針が明確で、過去の外注構造からの一貫した改善として位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    庄内地域の仕事を確実にし新規受注先を増やす方針はあるが、市場動向と自社の強みを比較した記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    外注費と大型トラック搬送費が課題として認識され、内製化で前工程リードタイムを半減させた具体的な効果が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    前工程リードタイム半減、外注費と搬送費の削減が事業の成果として記されており、目標と実績が読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    従業員24名や設備導入後の生産ライン構築は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    短納期とコスト圧縮による新規受注の狙いは示されているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋3

    製品ヤード不足や新工場建設、溶接ロボット増設など今後の課題と段階的な対応方針は示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    鉄骨加工の中で前工程を内製化した点はうかがえるが、高付加価値化や高価格化を示す記述はない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地元庄内からの仕事の確保に触れているが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    外注費と搬送費の削減、リードタイム半減という効果は読み取れるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CADデータとNCマシンの連携、ヒューマンエラー極小化が示されており、デジタル活用による改善が読み取れる。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    庄内地域からの受注に触れており地域との結びつきはうかがえるが、地域成長を牽引する記述は弱い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製品を置く製品ヤードが不足しており、現在は必要面積の約半分程度しか確保できていないため、新しい工場の建設を視野に計画的に受注を拡大していく。東京オリンピック後の需要減少を懸念しつつ、オリンピック前に窓口を広げて新規受注先を増やしている。地元庄内からの仕事を確実にこなし、今後も溶接ロボットを増やすなどして次の加工段階の自動化を進める考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。