ものづくり補助金平成27年度製造業長野県

曲げ・切削工程の生産性向上とブランク・曲げ工程のIoT化の実現

株式会社中野屋ステンレス

この事例のポイント

  • 板金加工では、人が曲げと測定を繰り返して精度を追い込んでおり、手間と時間がかかっていた。
  • 板金加工の曲げ工程にハイブリッドベンダーを導入し、曲げ加工を機械が自動で行うようにした。
  • 曲げ工程の精度が向上し、加工時間が短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中野屋ステンレス
所在地長野県 伊那市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,製造環境
従業員数31人
資本金1,250万円
設立1902年

事業の背景

創業は1902年(明治35年)でブリキ製品の板金加工から始まり、1955年に中野屋ステンレスを設立した。鉄、ステンレス、アルミなどを扱い、精密板金から溶接、塗装、組立まで社内一貫体制で製造している。事業の柱は切削加工機向けクーラントろ過装置で、自動車メーカーなどの国内外の生産工場に出荷している。大型加工に強みがあり、レーザー溶接機の導入で新しい構造の提案も可能になっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能板金加工では、人が曲げと測定を繰り返して精度を追い込んでおり、手間と時間がかかっていた。

やったこと

板金加工の曲げ工程にハイブリッドベンダーを導入し、曲げ加工を機械が自動で行うようにした。これにより精度を機械が追い込み、加工時間を大幅に短縮した。切削設備を導入して社内LANに接続し、切削と板金の工程をネットワーク化した。ブランク工程と曲げ工程をIoT化し、設備の監視、保守、分析ができる体制を整えた。板金と切削を複合したロボドリルと最新のCAD/CAMを導入し、プログラミング室で作成したデータを社内LANから工場内のロボドリルへ送ることで、機械を動かしながら次のプログラム作業を行えるようにした。

加工機ハイブリッドベンダー
加工機切削設備
加工機ロボドリル(板金と切削の複合機)
ソフトCAD/CAMソフト

事業の効果

曲げ工程の精度が向上し、加工時間が短縮された。ブランク工程と曲げ工程のIoT化が実現し、切削工程も社内LANに接続されて社内のネットワーク化が完成した。機械の状態を離れた場所から把握できるようになり、コストダウンと、熟練度の低い社員でも高度なプログラミングができる環境により人手不足への対応も進んだ。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1902年の創業から板金・ステンレス加工を続け、大型加工と社内一貫体制を強みとしている点は読み取れるが、本事業の位置付けの説明は少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    クーラントろ過装置など大型加工に強みがあり、社内一貫体制や新規製品比率の高さを競争力として示しており、強みの活用が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    曲げ工程の精度追い込みが人手に頼っていたことが課題として示されているが、課題解決が高付加価値化につながる説明は具体性が薄い。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1年後に売上高1,200万円、5年後に1,500万円という具体的な数値目標が示されている。ただし付加価値額ではなく売上高の目標である。

  • 事業を進める体制4

    従業員31名の体制で、社内ネットワーク構築とIoT化の担当者を置き、社内LANやCAD情報の共有を進めている点が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車メーカーや大手コンビニのサインスタンドなど顧客を示し、高精度の実現や熟練度の低い社員でも加工できる点が選ばれる理由として書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    ハイブリッドベンダー導入とIoT化の段階は示されているが、中長期の課題検証や詳細なスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ステンレス加工の大型製品や、ハイブリッドベンダーによる高い精度と短い加工時間が示されているが、市場の希少性を示す記述は少ない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    人手不足の中で熟練度の低い社員が戦力になる環境づくりに寄与したとあり、雇用面の効果がわずかにうかがえる。

  • 費用対効果3

    大幅なコストダウンと従来より高い精度の実現が書かれているが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    機械の監視・保守・分析を行うIoT化や社内LANによるネットワーク化を実現し、タブレットやスマホで全社員が機械の動きを確認できる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    成長分野での市場獲得を目指すとあるが、日本経済の構造転換への言及は乏しく、わずかにうかがえるにとどまる。

  • 地域経済への波及2

    伊那市に本社を置く事業者であることは示されているが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本事業が寄与する売上高は、1年後に1,200万円、5年後に1,500万円を見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。