ものづくり補助金平成27年度製造業愛媛県

フラックス入りワイヤ(FCW)生産の配合工程の自動化による生産性向上と作業環境の改善

四国溶材株式会社

成果フラックス配合業務の時間 73時間/月→19時間/月

この事例のポイント

  • 需要が拡大しているフラックス入溶接ワイヤの安定供給と増産に対応する必要があった。
  • フラックス配合工程の一部を自動化するため、自動配合計量装置(副原料計量設備)を導入した。
  • フラックス配合業務の時間 73時間/月→19時間/月。フラックス配合業務が1カ月73時間から19時間に減り、需要増への増産や安定供給が可能になり、他業務への人材振替もできる…

事業者のプロフィール

事業者名四国溶材株式会社
所在地愛媛県 今治市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,情報処理,測定計測
従業員数160人
資本金9,000万円
設立1947年

事業の背景

当社は溶接材料を作り続けてきた金属製品メーカーで、溶接・溶断関連の機械や高圧ガス、荷役機械なども幅広く扱っている。溶接材料生産の78%をフラックス入溶接ワイヤ(FCW)が占めており、その需要拡大が見込まれていた。フラックス入りワイヤの国内市場規模は溶接材料全体の36%を占めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力需要が拡大しているフラックス入溶接ワイヤの安定供給と増産に対応する必要があった。
  • 人手・技能フラックスの配合を手作業で行っており、作業者への負荷が大きかった。
  • 品質・精度手作業のため、人に起因する異材の混入や誤投入が起きるおそれがあった。
  • その他微粉末の飛散により、作業者が有害物質に曝されて健康障害を起こすリスクがあった。

やったこと

フラックス配合工程の一部を自動化するため、自動配合計量装置(副原料計量設備)を導入した。複数のフラックスを同時に計量できるようにし、作業者が1種類ずつ計量していた作業を短縮した。材料の運搬はエアによる圧送とし、運搬作業や篩への投入作業を自動化した。計量にはロードセルを用いた粉体計量の制御を採用し、パソコンと装置全体を連動させて指示や計量結果を確認できるようにした。

加工機自動配合計量装置(副原料計量設備)

事業の効果

  • フラックス配合業務の時間 73時間/月→19時間/月
  • フラックス配合業務が約73%減

フラックス配合業務が1カ月73時間から19時間に減り、需要増への増産や安定供給が可能になり、他業務への人材振替もできるようになった。30kg以上の材料運搬がなくなり、年齢や性別を問わず作業できるようになった。微粉末の飛散が止まり、有害物質への曝露リスクと健康障害が防止された。異材混入や計量ミスによる不適合業務も減った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    フラックス配合工程の自動化が事業の経緯として書かれ、既存の溶接材料生産の延長にあることはうかがえるが、経営戦略上の位置付けまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    FCWが溶接材料全体の78%を占めることや市場シェア36%が示されるが、競争優位性についての記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の配合で月73時間を要し、異材混入や誤投入の課題が具体的に示され、増産に向けた対応策として自動化が書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    月73時間の配合業務が約73%減の19時間になるなど数値目標と成果が示され、5年で10%の拡販目標も明記されている。

  • 事業を進める体制2

    業務の共有化や人材の振替に触れるのみで、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    FCWが簡易自動溶接やロボット溶接に使われる点や造船需要の拡大見込みなど、ニーズの裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    自動配合計量装置の導入と将来的な粉体計量自動化への展開は書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    フラックス入りワイヤが溶接材料の36%を占めるとあり一般的な普及度はうかがえるが、高付加価値化や高価格化の記述は読み取れない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    造船業の人材不足への寄与や作業員が減少する中での安定供給が書かれ、国が支援する社会的意義はうかがえる。

  • 費用対効果4

    月73時間の業務削減や年齢性別を問わない対応など、投入に対する効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    計量の自動化とパソコン連動によるデジタル制御は書かれるが、サプライチェーンへの貢献や新しいビジネスモデルの記述は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    今治市の企業であることや雇用に触れる記述はあるが、地域の特性を活かした付加価値創出としては具体性が乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

フラックス入りワイヤの需要増により当社溶接材料の販売量の増加が見込まれ、造船需要の拡大と溶接の自動化の進展を背景に5年間で10%の拡販を目標としている。経験や年齢性別を問わず安定した品質の溶接施工ができるため、造船業界の人材不足の一助になるとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。