ものづくり補助金平成25年度製造業兵庫県

真空フライ技術を活用した食品の試作開発と工場への設備投資事業

株式会社アトラステクノサービス

成果装置全体の高さ 4m→2.5m

この事例のポイント

  • 真空フライヤーは大手食品メーカーや大手即席麺メーカーに採用されるなど技術は高いが、6次産業化などでニーズがあるにもかかわらず中小企業への導入が進んでいない。
  • 中小企業も導入できるよう、真空・溶液浸潤装置を開発し、真空を利用して食材に溶液を一気に浸潤させることで前工程の時間を大幅に短縮した。
  • 装置全体の高さ 4m→2.5m。家庭用コンセントで使える小型真空フライヤーが完成し、大規模工場でなくても中小規模事業者が導入できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アトラステクノサービス
所在地兵庫県 神戸市西区
業種金属製品製造業
従業員数9人
資本金2,200万円
設立1997年

事業の背景

当社は真空フライヤーのほか油ろ過装置の製造販売を行い、真空とろ過の両方の技術について特許を有している。大手食品メーカーに導入されるなど技術は高いが、6次産業化などのニーズがあるにもかかわらず中小企業への導入は進んでいなかった。真空フライ技術自体も浸透しておらず、中小企業の製品開発が進まない状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信真空フライヤーは大手食品メーカーや大手即席麺メーカーに採用されるなど技術は高いが、6次産業化などでニーズがあるにもかかわらず中小企業への導入が進んでいない。
  • 新製品・新技術既存の真空フライヤーは装置全体の高さが約4mあり、一般的な食加工工場では高さ2.5mを超えると設置が難しく導入の障壁となっていた。
  • 生産能力真空フライ前工程の食材への溶液浸潤は一昼夜かかることがあり、真空フライ後の食材容器の残留油分洗浄は手作業で行っていた。
  • 人手・技能真空フライ技術自体の認知度が低く、中小企業が自社で開発できないため、製品開発の試作支援体制が不足していた。

やったこと

中小企業も導入できるよう、真空・溶液浸潤装置を開発し、真空を利用して食材に溶液を一気に浸潤させることで前工程の時間を大幅に短縮した。真空フライ後の食材容器に付着した残留油分を自動で洗浄するバスケット洗浄装置を開発して後工程を自動化した。装置の高さを2.5m以内に抑えた小型真空フライヤーを開発し、大規模工場でなくても導入できるようにした。兵庫県立大学との共同研究で製品の論理的裏付けを行い、社内に真空フライ食品の製造設備とキッチンスペースを設けて、沖縄のパイナップル農家や青森のリンゴ農家、兵庫県の柿・ケール・丹波黒枝豆などの試作開発を支援した。

加工機小型真空フライヤー
加工機真空・溶液浸潤装置
加工機バスケット洗浄装置

新しい製品・サービス:家庭用コンセントに繋ぐことができる小型真空フライヤー

事業の効果

  • 装置全体の高さ 4m→2.5m

家庭用コンセントで使える小型真空フライヤーが完成し、大規模工場でなくても中小規模事業者が導入できるようになった。兵庫県立大学との共同研究により、風味や食感、ビタミンC含有量といった製品の論理的裏付けも行えるようになった。その結果、工業試験場や6次化を進める農家など、これまで導入が進まなかった業界や企業への販売ができている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    真空フライ技術と油ろ過装置の特許を基に、中小企業向け小型機の開発と試作支援を進めている流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手即席麺メーカー採用レベルの技術力と特許があり、大型機が中小企業に普及していない市場ニーズを踏まえた強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    中小企業への導入が進まない課題を認識し、高さ2.5m以内の小型化や試作支援体制で対応する実効性ある取組が書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    販売強化や国内工場の設立が方向性として示されるのみで、数値目標や付加価値・賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    従業員9人の体制に加え、社内の製造設備とキッチンスペースを設け、試作開発支援を行える体制を築いたと具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    沖縄のパイナップル農家や青森のリンゴ農家など顧客ターゲットが明確で、製品の風味やビタミンC含有量の論理的裏付けも示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作支援の実施や販売強化の方向性は述べられているが、スケジュールや課題解決の具体的な方法までは書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金2,200万円は書かれているが、財務状況や金融機関からの資金調達の見込みについては触れられていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    真空フライ技術の認知度は低く、高機能な装置を小型化して中小企業向けに提供する点で、同分野の高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    6次産業化や規格外農作物の活用による廃棄物削減、農家や工業試験場への波及が述べられているが、国が補助する理由の定量的な記述は薄い。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加額などの費用対効果を示す数字は書かれていないため、読み取りは限定的である。

  • イノベーションへの貢献3

    兵庫県立大学との共同研究で製品の論理的裏付けを行い、地域農家の6次化を支える点でイノベーションへの貢献がうかがえる。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    6次産業化や中小企業の製品開発支援が述べられているが、日本経済の構造転換に資する文脈は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    沖縄、青森、兵庫県内の柿・ケール・丹波黒枝豆など地域の農産物を活かし、地域の農家の商品化を支援している。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

真空フライヤーの販売を強化するため真空フライ製品の開発支援を強化し、販売につなげる。国内に1つでも多くの真空フライ食品工場を設立することが今後の方向性と考えている。

事業者の声

単に機械を売るだけでなく、製品の試作段階からサポートする体制を築いております。真空フライに魅力があるが、投資が大きいから行えないという多数の中小企業の声を酌むべくOEM事業者を多数発掘し、技術を広めていきたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。