ものづくり補助金平成29年度製造業佐賀県

検査・包装工程の高度化による付加価値向上とパッキング事業の拡大

宮本産業株式会社

この事例のポイント

  • 缶以外の多様な材料でのパッキングや充填の受注が増える中、パッキング工程で容器へのシール貼りや異物混入調査のための金属探知機を保有しておらず、当該工程を外注するか、取引先から設備を借りるか、半製品で納品するしかなかった。
  • 課題を解決するため新型設備を導入した。
  • これまで外注に頼っていた異物検査とラベル貼りの工程を内製化したことで、リードタイム短縮とコスト削減の目途が立っている。

事業者のプロフィール

事業者名宮本産業株式会社
所在地佐賀県 基山町
業種金属製品製造業
技術分野製造環境,測定計測
従業員数37人
資本金6,000万円
設立1964年

事業の背景

主要取引先としてきた海苔業界では全国的に生産量が減少している。贈答品用の缶入り海苔の需要が激減し、簡易な包装が多く流通するようになった。そこで缶以外の多様な材料でのパッキングや充填を行う新事業を展開し、他業界からも受注して新たな経営の柱として育ててきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力缶以外の多様な材料でのパッキングや充填の受注が増える中、パッキング工程で容器へのシール貼りや異物混入調査のための金属探知機を保有しておらず、当該工程を外注するか、取引先から設備を借りるか、半製品で納品するしかなかった。

やったこと

課題を解決するため新型設備を導入した。「KSバンドシーラー脱気・印字装置付シール機」は、袋などの接着すべき箇所をシートベルトではさんで移動させながら、中の商品を傷めずに袋の空気を抜き接着する機械である。「金属探知機付きウェイトチェッカー」は異物の検査と重量の測定を同時に行い、製品の品質保証精度を向上できる。「円筒貼り機」は手作業では難しい円筒・角筒容器の側面へのラベル貼り付けを高精度に実現し、様々なサイズや形状の容器に対応できて操作も比較的容易である。

加工機KSバンドシーラー脱気・印字装置付シール機
検査測定金属探知機付きウェイトチェッカー
加工機円筒貼り機

新しい製品・サービス:パッキング事業の拡大に向けた検査・包装工程の高度化。活性酒専用のキャップも特許出願中。

事業の効果

これまで外注に頼っていた異物検査とラベル貼りの工程を内製化したことで、リードタイム短縮とコスト削減の目途が立っている。半製品ではなく最終製品を納品できる体制が整い、お客様に付加価値の向上を提案できるようになった。取引先から貸与されていた設備より高性能な機器を導入でき、ライン全体の製造速度や品質が向上した。金属探知と重量検査を一つの装置で行えるようになり生産性が向上し、金属探知機やラベラー機を持たない企業とも取引が可能になって販路や売上の拡大が期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    大正8年創業のキャップ製造から缶、包装資材販売へ展開し、缶以外の包装を新事業の柱に育てた経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海苔の缶入り需要激減を受け他業界から受注し、菓子業界は消費が伸び続けると分析。一貫製造体制を強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    課題はパッキング工程で、シール機や金属探知機を保有せず外注や貸与に頼っていたと具体的に認識し、内製化で解決している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    リードタイム短縮やコスト削減の目途が立ったとあるが、付加価値額の数値目標や達成見込みは書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員37人(全社74人)、広島と佐賀の工場による一貫製造体制が示されるが、事業遂行の具体的な人員配置は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    菓子缶や袋による包装・充填の引き合いが既にあり、ペット容器需要も挙がっており、ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    既存取引先への働きかけや菓子業界の開拓を今後の方針として挙げているが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金6,000万円は記載があるが、財務状況や金融機関からの資金調達の見込みについては書かれていない。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    海苔の缶需要は減少しており、缶以外の多様な素材による包装充填を展開するとあるが、高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    金属探知と重量検査を一台で行う装置を導入したとあるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    菓子業界など成長が見込まれる分野への進出を目指す記載はあるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    佐賀県基山町の九州工場が拠点として挙がるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存取引先への働きかけと新規取引先の開拓を進め、設備を活用できる案件を獲得する。特に消費が伸び続けている菓子業界での取引拡大を見込み、菓子缶の需要やペット容器・袋による菓子の包装および充填の引き合いがある。将来的には菓子以外の多様な業界の開拓も進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。