ものづくり補助金平成27年度製造業高知県

解凍設備導入による商品品質向上と商品ロス低減、安定供給・小口多頻度納品の構築

株式会社森国商店

成果解凍時間 30時間→15時間

この事例のポイント

  • 解凍室は満杯状態が続き、供給量にも限界がきていた。
  • ちりめんじゃこ製造工程に解凍用印加装置(FreK310、株式会社SUN電装製)一式を導入した。
  • 解凍時間 30時間→15時間。急速解凍によりブロック芯部まで素早く解凍できるようになり、ドリップを約20%から約5%に抑えて商品品質が向上し、商品ロ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社森国商店
所在地高知県 南国市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数5人
設立1877年

事業の背景

明治10年創業の老舗のちりめんじゃこ製造販売業者で、主に県内の海産物卸業者を通じて県内量販店に販売している。10年前から豊洲の卸業者とも取引を開始し、地産外商にも力を入れている。県内では量販店の要望により「釜あげちりめん」に加え「釜だしちりめん」を商品化し、売上は増加してきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力解凍室は満杯状態が続き、供給量にも限界がきていた。
  • 納期・工程取引先が求める小口多頻度の納入に対応できず、追加注文にも応じられない状況で販売機会ロスが発生していた。
  • 品質・精度緩慢解凍のため重量ベースで約20%のドリップが発生し、商品が劣化するとともに生菌数増加の恐れがあった。
  • コスト・採算ドリップによる廃棄ロスが生じ、商品ロスが大きかった。
  • 人手・技能解凍の進み具合を従業員が頻繁にチェックする必要があり、人手がかかっていた。

やったこと

ちりめんじゃこ製造工程に解凍用印加装置(FreK310、株式会社SUN電装製)一式を導入した。導入した急速解凍装置はアルミニウムの箱を用いた棚状の装置で、低電圧をかけることで解凍のスピードを上げ、250kg(1ブロック5kg×50ブロック)のちりめんじゃこを15時間以内で解凍できる。ブロックの芯部まで素早く一気に解凍することで、ドリップを5%程度に抑制する。新設備にはタイマー機能がついており、解凍の進み具合を人が頻繁に確認する作業を減らせる。

その他解凍用印加装置 FreK310(一式)
その他解凍専用棚機

事業の効果

  • 解凍時間 30時間→15時間
  • ドリップ発生率 20%→5%

急速解凍によりブロック芯部まで素早く解凍できるようになり、ドリップを約20%から約5%に抑えて商品品質が向上し、商品ロスが大幅に低減した。棚状の装置により省スペース化され解凍庫の収容量も拡大したため、追加注文にも対応できるようになった。日曜日の休日出勤による解凍作業が不要となり労働環境も改善された。タイマー機能により人的作業も削減された。小口多頻度納品が可能となり量販店の要望に応えられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業1877年の老舗で、ちりめんじゃこ製造を続けていることはうかがえるが、解凍設備導入が経営戦略上どう位置付けられるかは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    量販店の少量多頻度納入要望や豊洲の卸業者との取引、水揚げ直後に加工する鮮度の強みが具体的に書かれ、外部環境と自社の強みに基づく説明がある。

  • 課題の認識と解決5

    解凍30時間から15時間への短縮、ドリップ20%から5%への抑制、解凍室満杯による供給制限など、課題と数字が具体的に示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    ドリップ抑制や商品ロス低減は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、目標の実現可能性は判断しにくい。

  • 事業を進める体制2

    従業員5名であることは書かれているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    量販店や卸業者からの少量多頻度納入の要望、鮮度の高さによる高評価など、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    冷凍ドロメの製造販売や関東方面への展開を研究すると記載があるが、遂行スケジュールや課題解決方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ちりめんじゃこの釜あげ・釜だしの商品化は書かれているが、解凍装置の分野の普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地産外商や地域雇用拡大に触れているが、川上・川下への波及効果や国が補助する理由は具体的に示されていない。

  • 費用対効果4

    設備投資のみで、ドリップ削減や商品ロス低減、時間短縮などの効果が数字で示され、費用対効果を読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    タイマー機能による人的作業の削減は書かれているが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は限定的にしか読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    高知県の水産加工や地産外商、地域雇用拡大に触れており、地域の特性を活かす姿勢は読み取れるが、経済成長への効果の具体性は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

沿岸部の漁場で取れるシラスの品質を生かし、ニーズの高い冷凍ドロメの製造販売も視野に入れ、冷凍技術を持つ業者と共同で研究を進める。県内取引を維持しつつ、関東方面やふるさと納税を通じた地産外商戦略に注力する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。