ものづくり補助金平成27年度製造業長崎県

多機能自動ワインダー導入による品質向上と多種原糸使用時の高効率化

九州毛織株式会社

この事例のポイント

  • 海外製品と対抗するため、価格に見合った高品質の製品を製造する必要があった。
  • 導入したのは多機能自動ワインダー(原糸巻き取り機)で、搭載されたホットスプライサーにより不良糸の除去率が上がり、糸継ぎ時の継ぎ目が均一で高品質になった。
  • 不良糸の除去率が上がり、糸継ぎ目が均一で高品質になった。

事業者のプロフィール

事業者名九州毛織株式会社
所在地長崎県 島原市
業種繊維工業
技術分野製造環境,機械制御,測定計測
従業員数100人
資本金9,000万円
設立1958年

事業の背景

九州毛織株式会社は1958年設立の紡績会社で、衣料品等に使われる細い糸を製造・販売している。原料はウールや合成繊維(アクリル、ポリエステル等)で、スーツやセーター、靴下、学校制服や公的機関の制服などに使われ、安定した品質が評価されている。紡績会社は九州でも珍しい。近年はファストファッションが流行し、海外製品と対抗するために価格に見合った高品質の製品づくりが欠かせなくなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度海外製品と対抗するため、価格に見合った高品質の製品を製造する必要があった。
  • 人手・技能ウール純糸は天然繊維で原料品質のブレが大きく、投入ごとに細かなセッティングが必要なため、人員と時間を多く要していた。
  • 新製品・新技術複合素材糸は毎年新しい原糸開発を求められており、多品種小ロット化に対応できる体制づくりが必要だった。

やったこと

導入したのは多機能自動ワインダー(原糸巻き取り機)で、搭載されたホットスプライサーにより不良糸の除去率が上がり、糸継ぎ時の継ぎ目が均一で高品質になった。セッティングが簡単になったことで作業時間が短縮され、生産性が向上した。同機搭載のデータ管理ソフトウエアにより、データの蓄積と分析をより細かく行えるようになった。

  • 加工機多機能自動ワインダー原糸巻き取り機
  • ソフトデータ管理ソフトウエア同機搭載

事業の効果

不良糸の除去率が上がり、糸継ぎ目が均一で高品質になった。セッティングが簡単になって作業時間が短縮され、生産性が向上した。短納期への対応、原糸ロスの減少、省電力化にもつながった。データ分析が細かくできるようになり、品質向上とコスト削減を同時に実現して競争力が強化した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.5 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決ウール純糸の段取り時間や多品種小ロット対応の課題を挙げ、導入後に作業時間短縮と原糸ロス減少が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標品質向上やコスト削減の成果は述べられるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字は書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    事例は紡績業の事業と機械導入の関係を示すが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ファストファッションへの対抗や「Made in Japan」への注目に触れるが、自社の強み・弱みとの関係の詳述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    ウール純糸の段取り時間や多品種小ロット対応の課題を挙げ、導入後に作業時間短縮と原糸ロス減少が示されている。

事業の実現可能性2.4
  • 付加価値・賃上げの目標2

    品質向上やコスト削減の成果は述べられるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    実施体制や人材、事務処理能力に関する記述は事例中に見当たらず、わずかに人員や時間の負担に触れるのみである。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    学校制服や公的機関の制服などの採用実績と安定した品質の評価に触れるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として海外競争力強化や国内販売先の拡大が述べられるが、遂行方法やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    多品種小ロットや複合素材糸の特化仕様など高水準の品質づくりをうかがわせるが、市場の普及度との比較は示されていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    九州では珍しい紡績会社であることや制服の供給に触れるが、波及効果や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果2

    省電力化や原糸ロス減少に触れるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    データ管理ソフトウエアでデータの蓄積と分析を細かく行えるようになった点が示されるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    九州の地域で紡績を営むことに触れるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への貢献は具体的に書かれていない。

今後の展望

海外製品に対する競争力を強化するとともに、導入した最新のワインダーを活かして多様な製品開発に力を入れ、国内での販売先を増やしていきたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。