ものづくり補助金平成27年度製造業長崎県

海外タイヤ工場向け装置部品製造の生産性向上による世代交代計画

株式会社司製作所

成果売上も30%程度向上している

この事例のポイント

  • 海外工場向けの装置部品受注が増えていたが、設備の老朽化により加工精度が低下していた。
  • 汎用機能とNC制御機能を併せ持つCNCフライス盤を導入した。
  • 売上も30%程度向上している。前加工しか受注できなかった精密加工を仕上げ加工まで受注できるようになり、仕事の幅が広がった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社司製作所
所在地長崎県 長崎市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数7人
資本金300万円
設立1970年

事業の背景

金属切削加工、特に複雑形状の精密加工を得意とし、円安を背景に海外生産工場向けの装置部品受注が増加していた。海外工場向け市場は修正追加工ができないため、国内向けより部品精度の要求が厳しい。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力海外工場向けの装置部品受注が増えていたが、設備の老朽化により加工精度が低下していた。
  • 品質・精度顧客の要求精度を維持するため追加工の頻度が高まり、納期に間に合わせるため手作業で対応することもあった。
  • 人手・技能精密加工の主力担当者が高齢化しており、ベテランから若手への技術継承が急務であった。

やったこと

汎用機能とNC制御機能を併せ持つCNCフライス盤を導入した。この設備はベテラン技術者の汎用機械加工技術と最新型NC制御による高精度加工技術の両方を修得できる。ATC(自動工具交換装置)付のため、これまで複数台で行っていた加工が1台でできるようになった。加工物を付け替えずにすむことで、付け替えによるわずかなズレを防ぎ、0.01mmの精度を要する加工の精度向上が期待できる。

加工機CNCフライス盤(汎用機能とNC制御機能を併せ持つ、ATC付)

事業の効果

  • 売上も30%程度向上している
  • 考査外れによる廃棄物も50%程度軽減

前加工しか受注できなかった精密加工を仕上げ加工まで受注できるようになり、仕事の幅が広がった。売上は30%程度向上し、加工精度の向上により廃棄物も50%程度軽減した。生産効率の向上で利益率も増加し、事務員1名と作業員1名の雇用にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    家族経営から若手へ技術継承する課題があり、世代交代計画として精密加工の強化を位置づけているが、過去の取組との一貫性は詳述されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外工場向け受注増加と国内以上の精度要求に触れ、加工精度に強みを持つ点は読めるが、競争優位の分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    精度低下や追加工頻度増、主力担当者の高齢化を課題として挙げ、CNCフライス盤導入で前加工から仕上げまで受注できるようになったと書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    売上約30%向上、廃棄物50%軽減、事務員1名と作業員1名の雇用という数値目標と成果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    長男がフライス盤、次男が旋盤を担当し設備を使いこなしている点は読めるが、事務処理能力などの体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    海外工場向け精密部品の需要と精度要求は読めるが、顧客ターゲットの整理や選ばれる理由の体系的な説明は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    平成30年度補助金で最先端マシニングセンタを導入予定とあるが、中長期の遂行方法やスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    複雑形状の精密加工と0.01mm級の高精度加工に強みがあると書かれているが、分野の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    円安を背景とした海外生産工場向け受注増加に触れるが、波及効果や雇用創出以外の国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    売上約30%向上、廃棄物50%軽減、利益率増加と、設備投資に対する成果の数値が示されており費用対効果が読める。

  • イノベーションへの貢献2

    CNC複合加工や汎用とNC制御の併用は読めるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    長崎市の機械加工業として雇用を生んだ点はうかがえるが、地域の特性を活かした付加価値の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。