ものづくり補助金平成27年度製造業沖縄県

長期間保管可能なデジタルアーカイブのメディアコピーサービス

有限会社クイックデリバリー

この事例のポイント

  • 大量生産向けの商品が中心で、少数生産・長期保管を付加価値として打ち出せていなかった。
  • 盤面印刷機2種(UV印刷・サーマル印刷)、高品質デュプリケーター(CD・DVD・BDをコピーする装置)、光ディスク検査機2種(ROM専用機、追記型専用機)を導入した。
  • 県内業界初のデジタルアーカイブソリューションのメディアコピーサービスを開始し、品質と価格差を踏まえたサービス提供が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社クイックデリバリー
所在地沖縄県 西原町
業種印刷・同関連業
従業員数2人
資本金300万円
設立1997年

事業の背景

当社は20年以上にわたりCDやDVDの光ディスクコピーを行っており、県内の官公庁や企業、一般消費者にサービスを提供してきた。一般の人でも複製できる時代になったが、大量枚数やコピーガード等の特殊な複製は専門業者が担っている。電子化文書の長期保存についての問い合わせが増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大量生産向けの商品が中心で、少数生産・長期保管を付加価値として打ち出せていなかった。
  • 新製品・新技術光ディスクは光・熱・湿気などの影響で劣化しデータが読み取れなくなる懸念があり、長期保存できる光ディスクのサービスが求められていた。

やったこと

盤面印刷機2種(UV印刷・サーマル印刷)、高品質デュプリケーター(CD・DVD・BDをコピーする装置)、光ディスク検査機2種(ROM専用機、追記型専用機)を導入した。UV印刷は紫外線の照射で瞬間硬化する専用インキを使い、サーマル印刷は熱で光ディスクに印刷する。メディアの盤面仕様に合わせて設備を使い分けられるようになった。光ディスク検査機で仕入れたディスクや長期保存のディスクの記録特性を調べ、ブランドごとのメディア特性を情報として蓄積した。品質保証ではJIS Z6017に準拠し、メディアや印字、記録複製などの耐久・劣化・エラー判定のデータを収集・検証して長期保管に耐える品質の体制を整えた。

加工機盤面印刷機(UV印刷)
加工機盤面印刷機(サーマル印刷)
加工機高品質デュプリケーター
検査測定光ディスク検査機(ROM専用機・追記型専用機)

新しい製品・サービス:長期保管可能なデジタルアーカイブのメディアコピーサービス(県内業界初)

事業の効果

県内業界初のデジタルアーカイブソリューションのメディアコピーサービスを開始し、品質と価格差を踏まえたサービス提供が可能になった。UV印刷により長期的に品質が落ちないディスクの生産が可能となり、大手メーカーの業務を請け負えるようになった。高品質デュプリケーターで作業効率が一段と高まり、エラー値も改善されて生産能力が大幅に伸びた。記録特性や耐久性など製品品質では県内で追随を許さないと自負している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    20年以上の光ディスクコピー実績と県内官公庁・企業への提供があり、長期保管メディア事業への展開は過去の取組と連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県内で追随を許さない記録特性・耐久性を自負し、コピーガード対応や短納期・低コストの県内完結体制など自社の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    電子化文書の長期保存の課題に対し、JIS Z6017準拠の長期保管可能な光ディスクサービスを始めると課題と解決策が明示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は書かれておらず、生産能力が大幅に伸びたという定性的な記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    従業員2人の体制で県内完結の作業体制を整えたと書かれるが、人材や事務処理能力の具体的な確保策は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    長期保管に耐える品質を付加価値とし、公文書館や教育・放送機関をターゲットに劣化リスクの啓蒙を行うと明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    メディアコピーからパッケージ包装まで一貫対応し、品質データ収集・検証を行う方針が示されるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    長期保管可能なデジタルアーカイブ向け光ディスクは、県内初の業界初サービスとして一般的な普及度が低い分野への進出と書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    公文書館・教育・放送機関の保存課題への対応や県内の官公庁への提供が書かれ、地域の公的ニーズへの貢献がうかがえる。

  • 費用対効果2

    投入額に対する付加価値額の増加や費用対効果を示す数値は書かれておらず、効果は定性的な記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    UV印刷やサーマル印刷、高品質デュプリケーターなど新設備による品質管理とサプライチェーン上の印刷・広告業界との協業が書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    デジタルアーカイブ分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    沖縄県内の官公庁や企業へのサービス提供と県内業界初の取組が書かれ、地域の特性を活かした事業であることがうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

少数生産・長期保管を付加価値として品質面から差別化し、公文書館、教育、放送機関などに光ディスクのデータ劣化リスクを啓蒙してマーケットの拡大を図る。印刷業界や広告業界との協業でメディアミックスとしての光ディスク活用にも取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。