ものづくり補助金平成28年度製造業青森県

Tachibana IOTの構築とそれに連動した自動化設備の導入による競争優位性の確立

株式会社橘機工

この事例のポイント

  • 航空機産業はコストダウンへの要請が年々厳しくなっている。
  • IoTを駆使した新生産管理システム(カスタマイズしたPROCESS SUPPORT SOFTWARE WARE)を導入した。
  • 独自のIoTシステム「Tachibana IOT」を構築できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社橘機工
所在地青森県 五戸町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数30人
資本金1,000万円
設立1983年

事業の背景

当社は2011年に航空機事業への取り組みを始め、翌2012年に航空機製造に必要な機械・検査設備を導入して参入した。2013年には国内唯一の航空機参入成功事例と言われるJAPAN AERO NETWORKの一員として認められ、売り上げを順調に伸ばしてきた。主に他社が担当できない旋盤加工品や超薄物部品を手掛けており、この類の製品は欧米からの調達に問題が多いため、TIER1の川下メーカーからの安定した受注が見込まれる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算航空機産業はコストダウンへの要請が年々厳しくなっている。
  • 生産能力顧客ニーズに応えるため、省人化を含めた生産性の向上が必要だった。
  • 生産能力設備償却負担を軽減するため、稼働時間を増やす必要があった。

やったこと

IoTを駆使した新生産管理システム(カスタマイズしたPROCESS SUPPORT SOFTWARE WARE)を導入した。既存の機械加工機8台と、新規導入したツールプリセッター、CNC形状測定機、CNC三次元測定機を接続し、モニター・フィードバックが可能な独自のIoTシステム「Tachibana IOT」を構築した。これにより切れ目のない生産による稼働率の向上を図った。

ソフトPROCESS SUPPORT SOFTWARE WARE
検査測定ツールプリセッター
検査測定CNC輪郭形状測定機
検査測定CNC三次元測定機

事業の効果

独自のIoTシステム「Tachibana IOT」を構築できた。製品待ち時間の削減、緊急品への対応の容易化、工数実績集計時間の削減、メンテナンス情報の管理の簡略化、CAD/CAMプログラムの精度向上、リスケジュールの容易化、分析データからの最適コスト検索による見積内容の精度向上が実現可能となった。今後はこの生産システムを案件全体に展開し、売上高の増大につなげる計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    航空機参入(2012年)から順調に売上を伸ばし、IoT生産システムへ発展させた経緯が書かれているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    欧米からの調達問題があり、旋盤加工品や超薄物部品を手掛けることで川下メーカーからの安定受注が見込まれると、外部環境と強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    稼働率向上や省人化の課題を示し、生産コスト20%削減という数値目標とIoT生産システムの導入による対策が明確に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産コスト20%削減という具体的な目標値が示されているが、付加価値額や賃上げの目標ではなく、達成の裏付けは限定的である。

  • 事業を進める体制3

    従業員30名、資本金1,000万円、機械加工設備が示されるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    欧米の川下企業をターゲットとし、TIER1からの安定受注や差別化による選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望としてスマートファクトリー化へ向けた追加投資計画が示されるが、中長期の遂行スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超薄物部品や旋盤加工品など他社が担当できない製品を手掛けると書かれているが、高水準の高価格化の数値などは示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    航空機産業の成長性に触れているが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    生産コスト20%削減の目標が示され費用対効果を想起させるが、補助金投入額との比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    IoTを駆使した全体最適生産システムと機械を接続する独自のIoTシステム構築が具体的に書かれ、デジタル技術活用が明確である。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    航空機産業は成長産業と言われていると記載があるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    青森県五戸町の所在地は示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

成果により差別化が図られるため、今後は欧米の川下企業をターゲットとするほか、Tachibana IOTを基幹システムとしたスマートファクトリー化に向け、更なる追加投資を計画中である。

  • 目標:生産コスト20%削減を目指す

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。