ものづくり補助金平成28年度製造業山形県

生産性の向上による高品質な半導体装置部品増産事業の実現

株式会社サンエー

この事例のポイント

  • 半導体装置部品の増産依頼に対し、加工設備などの生産体制が整っておらず、やむを得ず断るケースが発生していた。
  • 最新型の横形マシニングセンタをフルオプションで導入した。
  • 一度に多数個のワークをセットできるようになり、パレットの自動チェンジによりワークの脱着時間を入れずにほぼ24時間稼働が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社サンエー
所在地山形県 山形市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数75人
資本金1,000万円
設立1963年

事業の背景

当社は従来、エアーバルブ関連や自動車エンジン部品関連で受注の約7割を占めていた。新たな取引先から半導体装置部品の受注を受け、試作品作成から品質検査を経て増産に至るケースも増えている。今後は半導体装置部品のシェアを高めて受注先を分散し、経営基盤を確立したいと考えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力半導体装置部品の増産依頼に対し、加工設備などの生産体制が整っておらず、やむを得ず断るケースが発生していた。
  • 販路・情報発信従来はエアーバルブ関連や自動車エンジン部品関連で受注の約7割を占めており、受注先が偏っていた。

やったこと

最新型の横形マシニングセンタをフルオプションで導入した。新設備は高精度な4軸加工により複雑な形状に対応し、ワーク重量の自動設定機能により加工精度を維持したまま加工時間を短縮できるようにした。環境熱変位制御装置を搭載し、機械本体・ワーク・周囲の室温変化をセンサで捉えて熱変位による加工精度の誤差を自動補正する仕組みとした。これにより休日明けの運転開始時でも最初の1個目から良品をつくれるようになった。方体イケールの4面に加工物をセットし、テーブルの回転により多数個の加工を可能にした。刃物工具が水平方向に動くため、切屑が加工物に付着しにくい。

加工機横形マシニングセンタ(環境熱変位制御装置付)

事業の効果

一度に多数個のワークをセットできるようになり、パレットの自動チェンジによりワークの脱着時間を入れずにほぼ24時間稼働が実現した。これにより半導体装置部品の増産体制が構築され、従来断っていた増産依頼にも対応できるようになった。加工精度の誤差も自動補正されるため、休日明けでも最初の1個目から良品が得られるようになった。受注量と取引先が増え、ホームページでの導入PRをきっかけに各地から問い合わせが相次ぎ、取引先開拓や新分野への展開が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    従来の受注の約7割を占めた業種からの脱却と半導体装置部品のシェア拡大が書かれ、過去の取組との連続性は読めるが経営戦略への位置付けは詳述されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    新たな取引先からの半導体装置部品の受注や増産依頼を断っていた事実が書かれ、強みの説明は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    増産依頼を断らざるを得なかった課題を挙げ、横形マシニングセンタ導入で増産体制を構築したと課題と対策が対応している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は書かれておらず、受注増の方向性のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制2

    体制として人材や事務処理能力に触れた記述はなく、若い社員の意欲に言及するのみである。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    半導体装置部品の受注先や需要の拡大は読めるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    パレット自動チェンジで約24時間稼働を実現し、導入後の成果と今後の受注拡大の方向性が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    半導体装置部品は成長が期待される分野とされるが、高付加価値化や高価格化の数値的根拠は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    半導体市場の中長期的成長への言及はあるが、経済波及効果や雇用創出の記述は見当たらない。

  • 費用対効果4

    実質24時間稼働の実現や初個目から良品が得られる点など、生産性向上の効果が具体的に書かれている。

  • イノベーションへの貢献2

    環境熱変位制御などの先端機能はうかがえるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    半導体装置分野への進出が書かれ、成長分野への転換の方向性は読めるが日本経済全体への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    山形市の企業であることは読めるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

半導体市場は数年ごとに好不況を繰り返す需給の変化が激しいが、中長期的には成長が期待されている。本事業の成果を活かして半導体装置分野の受注を増やし、若い社員にとって魅力のある将来性のある会社に育てていきたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。