ものづくり補助金平成28年度製造業東京都

自動車・航空機業界の発展に寄与するマシニングセンタ専用治具の生産性向上

株式会社オーケイエス

成果丸物部品のリードタイムを30%短縮することが可能となった

この事例のポイント

  • 自動車・航空機部品の軽量化や高精度化、多品種少量生産への対応ニーズが加速し、短納期の要求も高まっている。
  • DMG森精機株式会社の『CNC複合旋盤NLX2500Y/700』を導入し、工程集約と加工精度を検証した。
  • 丸物部品のリードタイムを30%短縮することが可能となった。工程集約により機械間の移動がなくなり、品質・精度が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社オーケイエス
所在地東京都 足立区
業種生産用機械器具製造業
技術分野情報処理,精密加工
従業員数37人
資本金1,000万円
設立1950年

事業の背景

当社は昭和10年創業、昭和30年設立で、マシニングセンタ用治具の設計・製作を35年にわたって手がけ、3,000種類にも及ぶ治具を製造してきた。自動車部品や航空機部品のメーカーを中心に、設計品質の高さと難易度の高い製品づくりを得意としてきた。治具は一点ものが大半を占め、複雑なものでは1つの治具で図面点数が200枚以上になることもあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力自動車・航空機部品の軽量化や高精度化、多品種少量生産への対応ニーズが加速し、短納期の要求も高まっている。
  • 人手・技能個人の経験に頼ったノウハウが多く、熟練工から若手への技術継承を進める必要があった。
  • 品質・精度治具の必要な情報がアナログで管理されているため、正確性に欠ける部分があった。
  • 納期・工程工程の負荷状況が管理できていない状況を改善する必要があった。

やったこと

DMG森精機株式会社の『CNC複合旋盤NLX2500Y/700』を導入し、工程集約と加工精度を検証した。株式会社テクノアの生産管理システム『TECHS-S Ver.6』を導入し、当社の加工ノウハウを組み合わせて、暗黙知・属人化していたノウハウを集約した。これにより図面の標準化を進めるためのデータベースを構築し、生産工程全体の見直しを進めた。

加工機CNC複合旋盤NLX2500Y/700
ソフトTECHS-S Ver.6

事業の効果

  • 丸物部品のリードタイムを30%短縮することが可能となった

工程集約により機械間の移動がなくなり、品質・精度が向上した。段取り時間が不要になり、多工程の丸物部品では加工時間が削減され、リードタイムも30%短縮できる見込みとなった。生産管理システムの導入で設計データが共有され、加工工程設計・手配が簡略化されて進捗が見えるようになり、部品の流れがスムーズになってリードタイムも短縮された。若手社員が過去データを使えるようになり、全社的な設計力の向上につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    35年にわたる治具設計・製作の実績と3,000種類の手掛けが書かれ、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    設計品質や難易度の高い製品づくりを得意としてきたと書かれ強みは示されるが、市場や競合との比較による優位性の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    工程の負荷管理や属人化したノウハウ、アナログ管理の正確性不足という課題を挙げ、生産管理システム導入で対応しており、リードタイム30%短縮も示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    リードタイムを30%短縮することが可能と具体的な目標値が示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    35年の実績や若手社員が過去データを使える点はうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    自動車・航空機部品メーカー向けに3Dイメージでの提案や現場運用までの提案ができると書かれ、顧客ターゲットは示されるがニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    工程集約や生産管理システム導入、データベース整理による標準化など取組の流れは書かれるが、中長期の検証やスケジュールの記述は少ない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    マシニングセンタ治具の分野で3,000種類の実績や自社ブランドのクイック交換システムが書かれ、高水準の高付加価値化の一端がうかがえる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    自動車・航空機業界の発展に寄与すると明記され、若手への技術継承や設計力向上も書かれるが、波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    リードタイム30%短縮や段取り時間の削減が示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    生産管理システムやデータベース化、3Dモデル提案など先端的な取組はうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的でない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車・航空機の軽量化や多品種少量化への対応がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述は明確でない。

  • 地域経済への波及2

    東京都足立区の企業であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

データベースの整理と部品の標準化により、オーダーメイドでも要素を汎用化できる目処が立っている。フィリピン法人で3Dモデリングを集約し、自社ブランドのクイック交換システムの提案力も高めている。

事業者の声

精度向上は当たり前と言われてしまう業界の中で、社内共通プラットフォーム化への取組みによる高品質と短納期をこれからも突き詰めていく。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。