ものづくり補助金平成28年度情報通信業東京都

画像解析技術を利用した盗難自動検知システムの開発

株式会社デジタリーフ

この事例のポイント

  • 既存の監視カメラは設置場所や監視対象エリアに制約があり、特定の部位・領域だけの監視が行いにくい。
  • 建築現場の資材盗難、屋外駐車場の自動車盗難、商業施設のショーウインドー陳列品の盗難を防ぐことを想定した。
  • 提供価格は従来品の5分の1程度の20万円で、別途通信キャリアコストを負担するだけで画像解析機能を搭載した監視カメラシステムを導入できるサービスを実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社デジタリーフ
所在地東京都 東京都江戸川区
業種情報サービス業
従業員数8人
資本金2,000万円
設立2001年

事業の背景

当社は元々各種の業務管理システムやアプリケーション等の受託開発を主に事業展開していた。ここ数年、顧客企業から具体的な防犯システムの開発について相談を受けるようになった。セキュリティ市場や監視カメラ市場は非常に成長が見込まれる市場分野の一つと考えられている。近年の防犯意識の高まりや、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会をひかえた地域経済の発展もこの市場を後押ししている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術既存の監視カメラは設置場所や監視対象エリアに制約があり、特定の部位・領域だけの監視が行いにくい。
  • 新製品・新技術屋外では配線を含めた設置場所の確保が難しく、場所を選ばず手軽に取り付けられる監視システムが求められていた。
  • コスト・採算個別開発では価格が高くなり、システムは評価されても導入に至らないケースが発生していた。

やったこと

建築現場の資材盗難、屋外駐車場の自動車盗難、商業施設のショーウインドー陳列品の盗難を防ぐことを想定した。撮影画像の中の「色合いと変化の度合い」をリアルタイムで解析するシステムを構築した。カメラ本体をIoT対応とし、配線の必要をなくして場所を選ばず取り付けられるようにした。量産を前提とした製品の標準化設計を行い、個別開発に比べて提供価格を抑えた。手のひらサイズの製品として、監視カメラの限界を超える仕組みを製品化した。

新しい製品・サービス:画像解析技術を利用した盗難自動検知システム

事業の効果

提供価格は従来品の5分の1程度の20万円で、別途通信キャリアコストを負担するだけで画像解析機能を搭載した監視カメラシステムを導入できるサービスを実現した。具体的な引き合いが入っており、事業化の段階まで進んでいる。想定していなかった分野や用途からの相談も多く、工場や倉庫の火災検知、河川増水の検知による防災目的、部材・在庫品の所在管理など製品の応用範囲が広がった。行政機関からの引き合いもあり、一次提案まで進んでいる案件も出ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は個別開発の防犯システム相談を受けてきたとあり、それを量産型の標準製品に転換する流れは読めるが、既存事業との位置づけの説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    監視カメラ市場の成長、屋外駐車場の車両盗難多発、従来品の設置制約を挙げ、提供価格を従来品の5分の1程度の20万円とする強みが読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    個別開発では価格が高く導入に至らなかった課題を認識し、量産前提の標準化設計で価格を抑える具体的な解決策が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    提供価格は20万円で従来品の5分の1程度と示されるが、付加価値額や賃上げに関する目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社長の大手通信会社やITベンチャーでの経歴は書かれるが、開発体制や人材配置の具体的な記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客ターゲットは建築現場、屋外駐車場、商業施設と具体的で、20万円の低価格と配線不要の設置容易性が選ばれる理由として示されている。

  • 事業化までの道筋3

    次バージョンの準備、既存カメラへの後付けサービス検討、処理の高度化など今後の課題と道筋は書かれるが、スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    監視カメラ市場を成長分野と位置づけ、色合いと変化の度合いを解析する従来品にない方式で、高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用3

    防犯意識の高まりや地域経済の発展、屋外での車両盗難多発など社会的背景は書かれるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果4

    従来品の5分の1程度の20万円で導入でき、具体的な引き合いや一次提案に進んだ案件が出ているという成果が示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    画像解析とIoT化による配線不要の監視、ログデータ活用が示され、工場や河川の防災など産業分野への応用も広がっている。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    防犯市場や産業分野の見える化への展開が書かれ、構造転換への言及は読み取れるが具体性は薄い。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

想定外の市場からの相談で見えた新たなニーズや課題に対応する次バージョンの準備を進めており、開発完了後に本格的なサービス展開を進める予定である。既設カメラに画像処理システムを後付けできるサービスも検討している。今後の課題は処理の高度化、分析データ同士を連動させた段階的な検知処理の実現、OCRと画像解析処理の連動による物品の所在確認技術の確立である。

業種と困りごとが近い成果事例

千葉県情報通信業平成25年度

障害者関連事業で商品と顧客サービスを革新する就労支援事業

障害者就労支援器具「ワークサンプル幕張版」で使う30段棚を、既存の台湾製木製棚から国産のプラスチック製棚に変更した。

効果:台湾産木製棚から国産プラスチック製棚にしたことで軽量化、高品質化、低コスト化が実現した。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。