ものづくり補助金平成25年度情報通信業熊本県

高機能所見レポート作成支援システム搭載画像診断ワークステーションの研究開発

株式会社ワイズ・リーディング

この事例のポイント

  • CTやMRIなどの検査数が増える一方で放射線科医師数は全国的に不足しており、医師一人あたりの負担増が懸念されている。
  • 過去の膨大なレポートデータをAIで解析し、次に入力すべき候補文を瞬時にリスト表示する文章予測入力機能を備えた所見レポート作成支援システムを搭載した画像診断ワークステーションを研究…
  • 候補文を選択するだけでレポートが完成するため、文章作成作業が短縮され、医師の診断時間に余裕が生まれると見込まれる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ワイズ・リーディング
所在地熊本県 熊本市北区
業種情報サービス業
従業員数14人
資本金2,050万円
設立2007年

事業の背景

画像診断は知識と経験が豊富な放射線科医師が行う専門的な医療行為である。CT、MRIなどの検査数は増加しているが、放射線科医師数は不足しており、一人あたりの負担増が懸念されている。そのため、医師一人あたりの画像診断効率を高め、少ない人的資源を有効に使う必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能CTやMRIなどの検査数が増える一方で放射線科医師数は全国的に不足しており、医師一人あたりの負担増が懸念されている。
  • 生産能力多くの放射線科医師がレポート作成時の入力作業に時間を取られており、一人が対応できる画像診断件数を増やしにくい。

やったこと

過去の膨大なレポートデータをAIで解析し、次に入力すべき候補文を瞬時にリスト表示する文章予測入力機能を備えた所見レポート作成支援システムを搭載した画像診断ワークステーションを研究開発した。利用者は候補文を次々に選択するだけでレポートを完成させられる。学習機能により、利用するほど候補文の精度とシステムの有用性が向上する。関連する参考資料や類似したレポートを表示する機能も備えた。アルゴリズムとデータベースを高速化し、膨大なデータの中からでも候補文をストレスなく瞬時に表示できるようにした。

新しい製品・サービス:Y'S CHAIN(ワイズチェイン)

事業の効果

候補文を選択するだけでレポートが完成するため、文章作成作業が短縮され、医師の診断時間に余裕が生まれると見込まれる。文章構成や表現が標準化されることで、レポートの信頼性と品質の向上につながる。経験の浅い医師でも経験のある医師の文章に近いレポートを作成できるため、医師不足への貢献も期待される。学会や展示会での発表により医療機関から共同研究のオファーがあり、複数の医療機関が導入を検討している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成27年に人工知能研究所を開設し、AI技術を事業の柱にする方針が書かれているが、既存事業との連続性の説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    医師不足や医師一人あたりの負担増という外部環境と、AI入力支援の強みが示されているが、競合比較や市場規模の数字はない。

  • 課題の認識と解決4

    医師一人あたりの入力時間がボトルネックと特定され、AIによる候補文提示で解決する方針が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、導入検討や共同研究オファーがあるとの記述にとどまる。

  • 事業を進める体制2

    開発体制や人材について、従業員14人や人工知能研究所の開設以外の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機関が対象で、入力時間の短縮と表記ゆれ吸収による標準化という選ばれる理由が明確に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    製品化、リリース予定、展示会出展、チェック機能追加の予定が書かれているが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    医療向け文書作成支援でAIの文章予測を組み込む点は新しいが、市場の普及度や高価格化の数字は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    医師不足への貢献や医師の診断時間の確保が書かれ、社会的必要性はうかがえるが、雇用や波及効果の数字はない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す数字は記載がなく、一人あたりの診断件数が増えるという効果の方向性のみがうかがえる。

  • イノベーションへの貢献4

    AIによる文章予測と特許出願中の技術で、医療機関のレポート作成というサプライチェーンに関わるイノベーションが具体的に示されている。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    AI技術を事業の柱にする方針や医療以外への応用が書かれるが、日本経済の構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

今回の成果を製品化したY'S CHAINを近々正式リリースする予定である。技術は特許出願中である。作成した文書の内容に矛盾がないかをチェックする機能の追加を予定している。平成27年4月に人工知能研究所を開設し、AI技術を事業の柱のひとつにしていく方針である。医療以外の文書作成が多い業界へのアプローチも予定している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。