ものづくり補助金平成28年度製造業富山県

味噌の冷却能力と充填能力の向上による当社独自の保管基準条件の構築

有限会社石黒種麹店

成果袋・カップ詰めにかかる時間は従来の3分の2程度となった。

この事例のポイント

  • 従来の冷蔵設備は20年以上前のもので扉の開閉による温度上昇が避けられず、味噌の内部に気泡や層ができて見た目と風味が悪くなっていた。
  • 味噌の保管用に天井吊下げ型ユニットクーラーを備えた冷蔵設備を導入し、味噌の保管に適した気温4度を常時保つようにした。
  • 袋・カップ詰めにかかる時間は従来の3分の2程度となった。冷蔵設備の導入により扉の開閉による温度変化がほとんどなくなり、味噌が結露せず、炭酸ガスの発生も抑えられて品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社石黒種麹店
所在地富山県 南砺市
業種食料品製造業
技術分野機械制御,製造環境
従業員数16人
資本金300万円
設立1895年

事業の背景

当社は文政年間から続く麹屋で、明治28年に種麹屋として創業した。富山県産コシヒカリの一等米を手作りした麹は酵素量が多いと評判で、醤油蔵や酒蔵、漬物店からの引き合いが多い。原料と無添加にこだわった味噌、甘酒、塩麹も自社で製造・販売している。ここ数年の発酵食ブームも追い風となり、インターネット販売体制を整えたことで全国から受注できるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来の冷蔵設備は20年以上前のもので扉の開閉による温度上昇が避けられず、味噌の内部に気泡や層ができて見た目と風味が悪くなっていた。
  • 人手・技能充填機の投入口が頭上にあるため、桶で仕込んだ味噌を頭上に持ち上げられる重さに小分けする必要があり、作業効率と従業員の安全面に問題があった。
  • 生産能力従来の充填機は計量が不正確で、人の手による修正作業が必要だった。
  • 生産能力従来の保管体制では数量を確保できず、受注を泣く泣く断るケースもあった。

やったこと

味噌の保管用に天井吊下げ型ユニットクーラーを備えた冷蔵設備を導入し、味噌の保管に適した気温4度を常時保つようにした。冷蔵庫の床面はコンクリートから鉄板に替えた。袋・カップ詰めには低ホッパー型充填機を導入し、投入口を腰の高さに設けたため、桶の味噌を小分けせずに投入できるようにした。新装置では計量の誤差がほとんどなくなった。

その他天井吊下げ型ユニットクーラー
加工機低ホッパー型充填機

事業の効果

  • 袋・カップ詰めにかかる時間は従来の3分の2程度となった。

冷蔵設備の導入により扉の開閉による温度変化がほとんどなくなり、味噌が結露せず、炭酸ガスの発生も抑えられて品質が向上した。床の鉄板化で不純物混入のリスクが減り衛生面も改善され、節電により経費も削減できた。低ホッパー型充填機の導入で従業員が桶の味噌を小分けする必要がなくなり、安全確保と効率化が実現した。計量の誤差もほとんどなくなり、空いた時間を仕込みなどの別の作業に回せるようになった。これにより生産性が向上し、より多くの受注に対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    種麹屋として明治28年創業、北陸唯一の種麹屋と記載があり、味噌の保管体制改善は既存事業の延長として読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    無添加・天然醸造の味噌がミシュラン星付き店で採用され国内外で評価されるなど強みは読めるが、市場動向との照合は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    冷蔵庫の温度上昇や充填機の計量不正確さ、受注を断るケースがあったという課題認識は示され、改善後の出荷量増加目標も読み取れる。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    袋・カップ詰め味噌の年間出荷量を現在の約23トンから30トンに増やす具体的な目標が示されている。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    無添加や天然醸造、種麹の酵素量の多さなど製品の価値は書かれ、インターネット販売で全国から受注できる点も読めるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    冷蔵設備の入替えや床の改修、充填機の導入は書かれるが、遂行スケジュールや中長期の課題検証は記載がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    無添加・昔ながらの製法で同分野の中で差別化した味噌とされ、発酵食ブームも追い風と書かれているが、高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    発酵食文化を支える北陸唯一の種麹屋という記述はあるが、経済波及効果や雇用創出についての具体的な記載はない。

  • 費用対効果4

    節電効果と経費削減、生産性向上で従来より多くの受注に対応可能となったと記載され、充填時間は従来の3分の2程度になったと具体的な数値も示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    冷蔵設備や充填機の更新は書かれるが、先端デジタル技術やビジネスモデルの革新性は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    富山県産コシヒカリを使い北陸で事業を展開する点は読めるが、地域経済の牽引や雇用創出についての記載は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

甘酒や塩麹の保管体制も改善を進めており、これらについても出荷増を見込んでいる。北陸唯一の種麹屋として伝統を守りつつ衛生管理を徹底し、安全安心の製品を消費者に届けていく。

  • 目標:袋・カップ詰め味噌の年間出荷量 23トン→30トン

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。