ものづくり補助金平成28年度製造業石川県

小ロットに対応したMgダイカスト金型製作工程改善

太陽キャスト株式会社

成果放電加工類似品と比べ電極材料が不要となり6,900円のコストダウン

この事例のポイント

  • マグネシウム用ダイカスト金型は樹脂成型金型の3倍程度高価で、低コストの金型が必要だった。
  • 当社の金型費が高い要因の多くを占めていた、老朽化した昭和63年製のマシニングセンタを立形マシニングセンタに更新した。
  • 放電加工類似品と比べ電極材料が不要となり6,900円のコストダウン。加工時間が短縮され、主加工で30%、ミガキ工程で20%の生産性向上となった。

事業者のプロフィール

事業者名太陽キャスト株式会社
所在地石川県 小松市
業種非鉄金属製造業
技術分野精密加工,立体造形
従業員数67人
資本金1億円
設立2010年

事業の背景

当社はダイカストの一貫生産体制(金型製作、鋳造、仕上げ、機械加工)を持ち、従業員60名程度で全設備を社内に保有している。近年、競合他社が生産性の悪い少量品分野に進出してきたため、4年前からアルミ以外の異種材の取り扱いを推進し、マグネシウムに注目して拡販してきた。マグネシウムは軽くて丈夫な金属として、パソコン・カメラ・携帯電話の外装ケースでニーズが高く、顧客からも製品化を望む声が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術マグネシウム用ダイカスト金型は樹脂成型金型の3倍程度高価で、低コストの金型が必要だった。
  • コスト・採算マグネシウムの製品化を進めるには金型価格の高さが障害となり、顧客が二の足を踏んでいた。
  • 生産能力老朽化した昭和63年製のマシニングセンタにより加工の工数が多く、属人化した工程もあった。
  • 販路・情報発信国内でマグネシウム用ダイカスト金型を扱う企業が少なく、短納期での引き合いが来ていなかった。

やったこと

当社の金型費が高い要因の多くを占めていた、老朽化した昭和63年製のマシニングセンタを立形マシニングセンタに更新した。これにより工数削減、加工精度の向上、属人化した工程の改善による原価低減を図った。加工実績を従来の放電加工類似品の実績と比較した。放電レスの加工により電極材料が不要となり、6,900円のコストダウンを実現した。次工程のミガキ工程では、従来は加工が不安定で15時間かかっていたものが、高速加工によりムラなく12時間で加工できるようになった。

加工機立形マシニングセンタ

新しい製品・サービス:マグネシウム用ダイカスト金型の製作工程改善

事業の効果

  • 放電加工類似品と比べ電極材料が不要となり6,900円のコストダウン
  • 加工時間(高速加工) 29時間→22.5時間
  • ミガキ工程の加工時間 15時間→12時間

加工時間が短縮され、主加工で30%、ミガキ工程で20%の生産性向上となった。電極材料が不要になり1加工あたり6,900円のコストダウンが実現した。生産リードタイムが削減され、マグネシウム用ダイカスト金型の引き合いも来るようになった。ロボット・医療業界への拡販を進め、受注を獲得している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に4年前からアルミ以外の異種材を推進し、マグネシウムに着目して拡販してきた経緯が書かれており、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    競合他社が少量品へ進出している状況と、一貫生産体制が強みだと書かれているが、競争優位の定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    金型費が高いことを課題とし、加工時間29時間を22時間30分に短縮するなど、課題と対策の対応が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間の30%、20%の生産性向上と6,900円のコストダウンが示され、引き合い獲得の成果も書かれている。

  • 事業を進める体制2

    従業員67人で一貫生産体制を有するとあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客からマグネシウム製品化の要望が高まっていると書かれ、ロボット・医療業界への拡販も示されるが、ニーズの定量的裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    ミガキ工程の改善など工程別の成果は書かれているが、中長期のスケジュールや遂行方法の記述は少ない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    マグネシウム用ダイカスト金型は国内での普及率が低く取り扱い企業が少ないと書かれ、新分野への進出が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    ロボット・医療業界への拡販や地域の一貫生産がうかがえるが、波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    加工時間や電極材料費の削減が数値で示されており、投入額に対する効果の一端は読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    高速加工による工程改善は書かれているが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は明記されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    マグネシウムは軽量化・強度が求められる市場にニーズがあると書かれ、成長分野への進出がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    石川県小松市の企業で一貫生産を持つことは書かれているが、地域経済への牽引効果の記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

マグネシウムの軽量化・強度ニーズに応え、ロボット業界・医療業界への拡販を推進する。小ロット化が進む中でも異材への対応に取り組み、お客様に喜んでもらえる企業を目指す。

事業者の声

ダイカストの業界は、ADC12(アルミニウム合金)で成り立っています。そのほとんどが自動車産業向けのため、電気自動車等の普及に伴い厳しい局面を迎え、小ロット化が進むと思います。その中で、異材の小ロット対応についても取組み、お客様に喜んでもらえる企業を目指します。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。