ものづくり補助金平成28年度製造業山梨県

次世代漆器材料(天然材料のみ)を用いた成形体製品製造工程の改善

j’s株式会社

この事例のポイント

  • 生産や試作の際の納期や品質が不安定で、市場ニーズへの対応ができていない。
  • 当面需要の多い個別対応を可能にするため、「レーザー加工機」と「切削加工機」を導入し、二次加工工程を外注から自社生産に切り替えた。
  • 二次加工の内製化により、レーザー加工機では二次加工時間が1日(67%)、モデリングマシンでは0.5日(83%)削減できることが確認された。

事業者のプロフィール

事業者名j’s株式会社
所在地山梨県 北杜市
業種その他の製造業
技術分野立体造形
従業員数2人
資本金200万円
設立2015年

事業の背景

素地にフェノール樹脂やABS樹脂などの合成樹脂、表面にウレタン樹脂塗料を使う「合成漆器」が、国内の漆器の主流となっている。会社は漆と木粉だけを原料とする成形材料サスティーモ®の特許技術を持ち、現在は金型で作った量産品のお猪口をインターネットで販売している。製品の評判を受けて様々な業種から問い合わせが増え、メーカーからは漆の付加価値を活かした多品種小ロット生産を求められ、商品化前の試作品についても納期短縮が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力生産や試作の際の納期や品質が不安定で、市場ニーズへの対応ができていない。
  • 納期・工程外注先の受託数量である最少ロットに縛られ、多品種・小ロット生産や試作品の納期短縮に応じにくい。

やったこと

当面需要の多い個別対応を可能にするため、「レーザー加工機」と「切削加工機」を導入し、二次加工工程を外注から自社生産に切り替えた。レーザー加工機は板材やブロック材の切断、彫刻、穴あけ加工を行う。切削加工機は高品質な切削加工データを作成できるタイプを選び、切削加工の自動化で作業時間を短縮した。導入の結果、二次加工時間はレーザー加工機で1日(67%)、モデリングマシンで0.5日(83%)削減できることを確認した。内製化により外注の最少ロットに縛られなくなり、適正数量の生産で不要在庫の問題も解消した。さらにオプション品の活用で立体造形の製品加工も可能になり、製品レンジの拡充や多品種への要望に対応できるようになった。

加工機レーザー加工機
加工機切削加工機

新しい製品・サービス:サスティーモ®を用いた多品種・小ロットの漆製品(立体造形品を含む)

事業の効果

二次加工の内製化により、レーザー加工機では二次加工時間が1日(67%)、モデリングマシンでは0.5日(83%)削減できることが確認された。外注の最少ロットに縛られなくなったことで、適正数量の生産が可能になり不要在庫の問題も解消された。立体造形の製品加工も可能になり、製品レンジの拡充や多品種への要望に応えられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    事例では漆器製造・企画への取組と成形材料の特許技術は書かれているが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは明確に述べられていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    外部ニーズとして多品種小ロットや試作の納期短縮の要望が書かれ、自社の特許技術が強みとして示されているが、競争優位の説明は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    納期や品質の不安定さ、多品種小ロット生産・試作納期短縮という課題が明示され、二次加工の内製化で解決する方針が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    レーザー加工機で二次加工時間を1日(67%)、モデリングマシンで0.5日(83%)削減できたことが確認されたと具体的数値で書かれている。付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数2人と記載があるのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多品種小ロットや試作へのニーズ、お猪口のネット販売など製品と顧客像は書かれているが、ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    レーザー加工機と切削加工機の導入、内製化による納期短縮といった遂行内容は書かれているが、スケジュールや中長期の検証は述べられていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    漆と木粉のみによる成形材料は、フェノール樹脂等の合成漆器が多い国内で天然原料の高付加価値品として位置付けられ、特許技術と漆のプレミアム価値が示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    日本の誇る漆文化を実生活に近づけ世界に発信するという文化的意義は書かれているが、経済波及や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    外注時との比較で二次加工時間の削減率が示され、在庫問題も解消したとあるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    レーザー加工機や切削加工機の自動化による内製化は書かれているが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は具体的に述べられていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    天然材料による漆製品の市場ニーズや工業材料化は書かれているが、成長分野への進出や日本経済の構造転換への言及はうかがえない。

  • 地域経済への波及2

    山梨県北杜市での事業所所在は分かるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

専攻は経営学です。組み合わせることが好き、得意ですね。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。