ものづくり補助金平成28年度建設業長野県

ドローンを活用した生産プロセスの革新とIoT化による生産性向上と差別化の実現

有限会社吉田建材

この事例のポイント

  • 土木工事の測量に人工がかかり、生産性が低下していた。
  • ドローンによる航空写真測量と3Dレーザースキャナによるレーザー測量を統合し、諏訪地域で初めてi-Constructionを完全導入した。
  • 新たな生産プロセスが確立され、測量などに要していた人工を50.8人工削減し、削減率は56.4%となった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社吉田建材
所在地長野県 富士見町
業種総合工事業
従業員数6人
資本金500万円
設立1968年

事業の背景

1968年に先代社長が砂利・砕石などの建材を運搬・販売する事業で創業した。1992年に大手ゼネコン出身の吉田社長が入社し、土木・建築事業を始め、その後住宅建築事業にも進出した。現在は建材販売、土木工事、宅地造成、住宅の建築・リフォーム、外構工事などを地域で幅広く手がけている。国土交通省が2016年から進める i-Construction にもいち早く対応した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力土木工事の測量に人工がかかり、生産性が低下していた。
  • 人手・技能丁張り作業が複数人でなければできなかった。
  • 人手・技能土木工事業を目指す若者が少なく、会社の将来に危機感があり、働き方改革が大きな課題だった。

やったこと

ドローンによる航空写真測量と3Dレーザースキャナによるレーザー測量を統合し、諏訪地域で初めてi-Constructionを完全導入した。ドローン、3Dレーザースキャナ、写真計測ソフト、3D点群処理システム、杭打ちナビを活用して、測量・設計・施工にわたる土木工事のIoT化を図った。現況を測量した点群データに道路の計画断面などを重ね合わせ、任意の断面確認や標高の把握も可能にした。ICTバックホウも導入し、ICTを活用した新たな生産プロセスを構築した。

その他ドローン
検査測定3Dレーザースキャナ
ソフト写真計測ソフト
ソフト3D点群処理システム
その他杭打ちナビ
加工機ICTバックホウ

事業の効果

新たな生産プロセスが確立され、測量などに要していた人工を50.8人工削減し、削減率は56.4%となった。3Dレーザースキャナ測量により測り忘れがなくなり、従来数十人工以上必要だった公共土木工事の生産プロセスで人工の大幅削減とコストダウンが可能になった。測量や丁張りを現場代理人1人でも専門知識が少なくても行えるようになり、働き方改革にもつながった。他社にはない技術を地域内で確立し、差別化を図ることができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    土木工事の測量に人工がかかり生産性が低下するという課題と、ドローン・3Dレーザースキャナ導入による生産プロセス革新の方向性は読み取れるが、経営戦略上の位置づけは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    諏訪圏内で初のドローン航空写真測量と3Dレーザースキャナ測量の統合により他社にない技術を確立し地域内で差別化したとあるが、市場動向や自社の経営資源の強み弱みの記述は薄い。

  • 課題の認識と解決5

    測量に人工がかかり生産性が低下、丁張りが複数人必要という課題を認識し、50.8人工(56.4%の削減効果)を得たと数字で成果が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    50.8人工・56.4%の削減効果が実績として示されており、付加価値や賃上げの目標値は書かれていないが、生産性向上の数値は具体的に読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    現場代人1人で測量や丁張りができるとあるが、事業遂行体制や事務処理能力の具体的な記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    3Dデータで測り忘れがなく任意断面確認や標高も得られるというメリットが述べられ、顧客ターゲットや選ばれる理由は書かれていない。

  • 事業化までの道筋3

    ドローン・3Dレーザースキャナ・写真計測ソフトなどを導入した工程が示されているが、中長期の検証やスケジュールの記述は薄い。

  • 財務と資金の調達2

    数百万円の投資に踏ん切りがつかなかったが補助金で取り組めたとあるが、財務状況や金融機関からの資金調達については書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    諏訪地域で初めて完全導入する点は新規性を示すが、ICT施工の普及度や高付加価値化の水準について具体的な数値は書かれていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用2

    i-Constructionの導入によりIoT化を実現し地域の土木分野に先がける点はうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述は書かれていない。

  • 費用対効果4

    数百万円の投資で測量の人工を50.8人工削減し生産性向上とコストダウンを実現したと、投資額と効果が具体的に読み取れる。

  • イノベーションへの貢献4

    ドローン・3Dレーザースキャナ・3D点群処理を組み合わせ土木工事のIoT化を図ったと、先端的デジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    若者が少ない土木業界で働き方改革を目指すとあり、業界の構造的課題への言及はうかがえるが、日本経済の構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    地域初の導入で地域内差別化を図ったとあり地域の事業者への影響はわずかにうかがえるが、雇用創出や地域経済成長への具体的記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

地元に根ざして長く事業を続けるためには、ごまかすことなく良い仕事を残していくこと。それが一番の営業活動だと思っています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。