ものづくり補助金平成29年度建設業沖縄県

県内初【残渣式LSSR流動化処理土工法】導入による革新的技術・工法の確立

南洋土建株式会社

この事例のポイント

  • 補助事業前、当社が施工中のモノレール建設工事では埋戻し工事箇所が非常に狭隘で施工困難であり、安全面への懸念などから代替工法が求められていた。
  • 補助事業では、残渣式流動化処理土の製造に係る機械装置として油圧ショベルとドライブミキシングを導入した。
  • 補助事業後、埋戻し工事の工期を50%以上削減した。

事業者のプロフィール

事業者名南洋土建株式会社
所在地沖縄県 那覇市
業種総合工事業
従業員数40人
資本金3,000万円
設立1952年

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力補助事業前、当社が施工中のモノレール建設工事では埋戻し工事箇所が非常に狭隘で施工困難であり、安全面への懸念などから代替工法が求められていた。
  • 品質・精度埋戻し工事は良質土を使い、確実な転圧作業で締め固めることが要求される重要工程である。
  • 納期・工程閉所など複雑な箇所の施工は難易度と危険性が高く、工期が長期化するという課題があった。
  • 新製品・新技術課題を解決するため残渣式流動化処理土の研究に着手し、製造・施工技術などのノウハウを習得する必要があった。

やったこと

補助事業では、残渣式流動化処理土の製造に係る機械装置として油圧ショベルとドライブミキシングを導入した。施工検証のため、ヤード内に検証設備を敷設し、実際に残渣式流動化処理土を流し込んで硬化状況とセルフレベリング状況を確認した。検証の結果、実地製造および硬化強度などの各基準を十分に満たすことができた。また、製造技術の特許使用許諾を受け、技術習得により製造体制を構築した。さらに経費削減効果など費用面の効果も検証した。

その他油圧ショベル
加工機ドライブミキシング
その他施工検証設備(ヤード内に敷設)

新しい製品・サービス:残渣式流動化処理土「なんよう琉土」(その後、基本配合を変えて高強度で大量出荷可能な「なんよう琉土 M」「なんよう琉土 H」を開発)

事業の効果

補助事業後、埋戻し工事の工期を50%以上削減した。雨天でも多少であれば施工が可能で、高い評価を得ている。品質の要求基準を満たし高評価を得たうえ、施工コストも大幅に削減した。「なんよう琉土」は沖縄県のリサイクル認定資材(ゆいくる材)に認定され、官公庁や業者への認知度も徐々に高まっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の埋戻し工事の課題を解決するため残渣式流動化処理土の研究に着手したと書かれ、過去の取組との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県内初の導入や県内の建築物基礎部の埋戻しニーズに触れ、市場と自社の強みの関係は示されるが、競争優位の根拠は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    埋戻し工事の狭隘・施工困難・工期長期化という課題を挙げ、工期50%以上削減や施工コスト大幅削減で解決の方向性が具体的に示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    埋戻し工事の工期を50%以上削減したという実績数値が示され、高付加価値化の目標値の実現性を裏付けている。ただし付加価値額の数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    製造体制の構築や技術習得、特許使用許諾に触れるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    なんよう琉土が沖縄県のリサイクル認定資材になったこと、埋戻し工事の市場ニーズ、多雨でも施工可能な点など、選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    試験施工での硬化・セルフレベリング検証や今後の官公庁発注工事への展開は書かれているが、スケジュールや課題解決の段取りは具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    残渣式流動化処理土は県内初の導入で、高強度版の開発や認定取得など、同分野で高水準の付加価値化を図る取組として読み取れる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    リサイクル認定資材としての利用や建設廃材の有効利用に触れ、社会的意義はうかがえるが、経済波及や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果4

    工期を50%以上削減し施工コストを大幅に削減したとあり、投入額に対する効果が具体的な数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    残渣式流動化処理土によるリサイクルやカーボンニュートラルへの取組は書かれるが、デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    建設の埋戻し工事の効率化に限られ、市場成長分野への進出や日本経済の構造転換に資するとは明記されていない。

  • 地域経済への波及3

    沖縄県内での建築物基礎部の埋戻しニーズや県内のリサイクル認定に触れ、地域の特性を活かした事業であることがうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

県内では建築物基礎部などの埋め戻し工事への市場ニーズがあり、埋め戻し単独工事や他社の下請としても展開できる。今後も官公庁発注工事を中心に、多様なニーズに応えて売上の拡大につなげていきたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。