ものづくり補助金平成28年度製造業愛知県

高級小物ブランド商品に付加価値を提供する、デザイン性の高い小型貼函提案事業

株式会社水谷

成果製造速度 100個/時間→1,000個/時間

この事例のポイント

  • 既存の機械では小型の貼箱を製造できず、サイズの小さい貼箱は手作業で対応するしかなかった。
  • 平成28年度補正「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」を活用し、小型貼箱の製造機械を導入した。
  • 製造速度 100個/時間→1,000個/時間。小型貼箱が製造できるようになり、従来の約2分の1サイズの貼箱を製造できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社水谷
所在地愛知県 一宮市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野デザイン
従業員数48人
資本金1,000万円
設立1993年

事業の背景

同社は食品用紙器の製造・販売を手がけ、主力は和・洋菓子向けギフトボックスである。貼箱は祖業の製品で、若手デザイナーが注目して強化に着手し、現在は売上高の20%を占める主要製品となっている。主要顧客はスイスやベルギーの大手チョコレートメーカーで、国内の都市部の路面店や百貨店で販売する商品向けにも採用が拡大してきた。国内ではチョコレート向け製品の最盛期は2月だが、自分向けに購入するケースも増えており、チョコレート数個が入る小箱の要望が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術既存の機械では小型の貼箱を製造できず、サイズの小さい貼箱は手作業で対応するしかなかった。
  • 生産能力小型の貼箱は手作業のため量産できず、コスト高になって採算が合わず、依頼があっても断らざるを得なかった。
  • 品質・精度繁忙期は手作業による貼紙のズレや糊による汚れが原因で、不良率が約2%程度あった。

やったこと

平成28年度補正「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」を活用し、小型貼箱の製造機械を導入した。開発された小型用機械をベースに、自社向けに改良した。導入機は最小寸法で長さ50ミリ×幅30ミリ×高さ12ミリメートルの貼箱の製造が可能で、従来の約2分の1サイズの小型貼箱を製造できる。機械化により1時間に1000個を製造できるようになり、手作業では1時間に約100個程度だった。テストでは1万個製造しても不良品ゼロを記録した。

加工機小型貼箱製造機械

新しい製品・サービス:最小寸法長さ50ミリ×幅30ミリ×高さ12ミリメートルの小型貼箱

事業の効果

  • 製造速度 100個/時間→1,000個/時間
  • 不良率 2%→0%
  • 最小貼箱サイズ 100ミリ(長さ)→50ミリ(長さ)

小型貼箱が製造できるようになり、従来の約2分の1サイズの貼箱を製造できるようになった。機械化により作業時間が大幅に減り、セッティング時間も大きく短縮された。繁忙期の作業ミスや糊による汚れによる不良率が下がり、コストアップ要因も排除でき、価格競争力が上がった。薄型の貼箱や長細いデザインの箱も製造でき、箸や扇子向けなど菓子とは別の市場を開拓する武器にもなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性93%
  • これまでの取組との一貫性5

    約15年前に貼箱の強化に着手し、現在は売上高の20%を占める主要製品に育ったと明記されており、一貫した取組が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    運送費上昇で小型貼箱を強みにする重要性を指摘し、小型貼箱の手作業対応からの脱却で価格競争力が上がったと述べている。

  • 課題の認識と解決5

    小型貼箱は手作業で1時間100個程度、不良率約2%が課題とされ、機械化で1時間1000個製造可能になったと数字で示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    1時間1000個や不良率改善の見込みは示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、実現可能性の根拠も限定的である。

  • 事業を進める体制3

    設備担当者の名前と従業員48人の規模は示されるが、補助事業を遂行する体制や事務処理面の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け5

    スイスやベルギーの高級チョコレートメーカーが主要顧客で、品質と納期が評価され採用されてきたと、顧客と選ばれる理由が明確である。

  • 事業化までの道筋2

    中国生産の検討や導入機の性能は書かれるが、事業化の遂行スケジュールや中長期の課題解決方法についての記述はわずかである。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    最小寸法50ミリ×30ミリ×12ミリの薄型貼箱を製造でき、長細いデザインにも対応する点で、同分野で高水準の差別化が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    国内生産にこだわり自国経済に貢献するとの考えが示されるが、川上・川下への波及や雇用創出への具体的な記述は少ない。

  • 費用対効果3

    作業時間の短縮、不良率約2%の改善、1時間100個から1000個への生産性向上が示されるが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    機械化による製造の効率化は述べられるが、先端的なデジタル技術や新しいビジネスモデルの活用についての記述はうかがえる程度である。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    菓子以外の箸や扇子向けの新市場開拓に触れるが、日本経済の構造転換に資するという政策面の記述はわずかである。

  • 地域経済への波及2

    所在地は一宮市と示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済の成長についての記述はほとんどない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

中国での生産も検討したが、納期、コスト、品質面いずれも納得できず、国内生産にこだわり、自国経済に貢献していく考えである。

事業者の声

責任ある仕事で貢献したい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。