ものづくり補助金平成27年度製造業大阪府

多品種少量にも適した段ボール製造設備を整え、顧客満足を獲得

久門紙器工業株式会社

成果コルゲーターの平均速度 150m/分→200m/分

この事例のポイント

  • 原紙ロールがなくなると機械を止めて新しいロールをセットする必要があり、生産効率が悪くなっていた。
  • 平成27年度ものづくり補助事業で、段ボールのライナ、中芯、表ライナそれぞれの原紙の紙継ぎを自動で行う最新型オートスプライサーを導入した。
  • コルゲーターの平均速度 150m/分→200m/分。紙継ぎによる機械停止が減り、フル稼働の状態を維持できるようになり、不良品発生による余分な作業も減少した。

事業者のプロフィール

事業者名久門紙器工業株式会社
所在地大阪府 枚方市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野機械制御
従業員数48人
資本金2,700万円
設立1959年

事業の背景

1959年に創業した同社は、コルゲーターで原紙から段ボールシートを作り、ケースまで一貫生産している。食品・薬品・工業品メーカーや通信販売会社向けに段ボールケースを供給し、ケースメーカー向けにシートも供給している。大ロットを製造する大手メーカーと異なり、同社のような中堅コルゲートメーカーは全国に約300社あり、多品種小ロットの段ボール製品を短納期で提供することを強みとしている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力原紙ロールがなくなると機械を止めて新しいロールをセットする必要があり、生産効率が悪くなっていた。
  • 品質・精度紙継ぎ時に速度を落とさなければ不良が発生する恐れがあった。
  • 生産能力原紙の種類が多くロール交換が頻繁で、紙継ぎ作業が1日当たり100回以上に及んでいた。
  • 品質・精度不良発生のリスクが高く、検品は目視で行っていた。

やったこと

平成27年度ものづくり補助事業で、段ボールのライナ、中芯、表ライナそれぞれの原紙の紙継ぎを自動で行う最新型オートスプライサーを導入した。コルゲーターは全長約100mで、ロール状の原紙を3本から5本セットして3枚から5枚の原紙を貼り合わせ、3層から5層構造の段ボールシートを成形する。原紙ロールの取り換え用の原紙をあらかじめセットしておき、機械を止めずに元の原紙と継ぎ合わせる。導入した設備はシーケンサーで速度と動作を制御し、紙継ぎ時も速度を落とさずに高速かつ一定速度での運転を可能にした。

加工機オートスプライサー

事業の効果

  • コルゲーターの平均速度 150m/分→200m/分
  • 1日当たり生産枚数 36,000枚→48,000枚
  • 不良品率 3%→0.9%

紙継ぎによる機械停止が減り、フル稼働の状態を維持できるようになり、不良品発生による余分な作業も減少した。紙継ぎ時も高速度を維持しながら品質を保てるようになり、品質と生産性がともに向上した。目視検品が不要になってコスト削減に寄与し、品質要求の高い医薬品向けの新規受注獲得につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    段ボール製造の一貫生産と多品種小ロット対応が強みとして書かれ、補助事業の位置づけは読み取れるが、経営戦略上の明確な位置づけまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    全国約300社の中堅コルゲートメーカーの中で多品種小ロットを短納期で提供する強みと、他地域メーカーとの連携が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    紙継ぎ作業が1日100回以上で不良の課題が示され、不良率3%から0.9%への低減と高品質品の新規受注を進める方向が書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    コルゲーター速度が毎分150mから200m、1日生産枚数が36,000枚から48,000枚へ向上すると数値で目標と成果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員48名と子会社化の経緯はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医薬品向けなど品質要求の高い段ボール製品への新規受注という顧客ターゲットと、品質・短納期という選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    新型オートスプライサーの導入、医薬品向け拡販、自社企画商品開発という今後の進め方は書かれているが、スケジュールや検証の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    段ボール業界は中堅メーカーが約300社ある一般的な分野で、高付加価値化の水準まではうかがえるが、高価格化は明示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の物流や梱包の連携体制はうかがえるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記述は読み取れない。

  • 費用対効果4

    不良率3%から0.9%、検品要員が不要になりコスト削減に寄与、生産枚数1.3倍などの効果が数値で書かれている。

  • イノベーションへの貢献2

    シーケンサーによる速度制御は書かれているが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は限定的にしかうかがえない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    大阪府枚方市に拠点を置き近畿圏への納入が多いという地域性は読み取れるが、地域経済成長への牽引までは書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

医薬品向けの段ボール製品の新規受注獲得を進め、医薬品用の段ボールケースを拡販する。春日物流を含めたグループで梱包の一貫サービスを提供し、段ボールシートを用いた自社企画商品の開発にも取り組む。「パッケージおよび梱包の総合代理店」を目指し、総合的な提案により独自の強みを付加価値として認めてもらえるようにしていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。