ものづくり補助金平成28年度製造業三重県

生産プロセスの改善による生産性の大幅な改善と高精度加工技術の確立

中勢製氷冷蔵株式会社

成果労働生産性 3,000円/時間→8,910円/時間

この事例のポイント

  • ブロック氷の製造メーカーが全国的に減少し、繁忙期の需要に供給が追いついていなかった。
  • ブロック氷の自動加工システムとして、ウォーターカッターとバンドソーを組み合わせた原氷自動加工機を導入した。
  • 労働生産性 3,000円/時間→8,910円/時間。原氷自動加工機の導入により、労働生産性は3,000円/時間から8,910円/時間へ向上し、導入前の297%となった。

事業者のプロフィール

事業者名中勢製氷冷蔵株式会社
所在地三重県 津市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野機械制御
従業員数25人
資本金1,000万円

事業の背景

同社は製氷・各種加工氷の製造販売を行う企業である。全国的にブロック氷の製造メーカーが減少し、繁忙期の需要に対して供給が間に合っていなかった。既存の製氷設備機器では氷の加工の大半を手動作業で行っており、作業の危険性と作業者の負荷が大きかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ブロック氷の製造メーカーが全国的に減少し、繁忙期の需要に供給が追いついていなかった。
  • 人手・技能既存の製氷設備では大半を手作業で氷を加工しており、作業の危険性と作業者の負荷が大きかった。
  • 生産能力ブロック氷の製造工程に問題があり、製造から撤退する事業者も出ていた。

やったこと

ブロック氷の自動加工システムとして、ウォーターカッターとバンドソーを組み合わせた原氷自動加工機を導入した。金属加工から高圧水加工に変更し、機械製造メーカー担当者から操作とメンテナンスの指導を受けた。操作はタッチパネルで行い、特別なスキルや力を必要としないため、力の弱い女性や経験の浅い新入社員でも容易に操作できるようになった。導入前の音量は80dBだったが、導入後は65dBとなり静穏性が向上したことを確認した。

加工機原氷自動加工機(ウォーターカッターとバンドソーを組み合わせた機械)

新しい製品・サービス:ブロック氷自動加工システムによる原氷自動加工機

事業の効果

  • 労働生産性 3,000円/時間→8,910円/時間
  • 歩留まり率 80%→95%
  • 作業人数 3人→2人
  • 騒音(音量) 80dB→65dB
  • 時間当たりの生産量 1,047パック/時間→2,075パック/時間

原氷自動加工機の導入により、労働生産性は3,000円/時間から8,910円/時間へ向上し、導入前の297%となった。目標の11,000円/時間には届かなかったが、機械操作の不慣れも一因と考えられ、今後の継続的な改善が課題とされている。歩留まり率は80%から95%に上昇し、作業人数は3人から2人に減った。騒音も80dBから65dBに下がった。さらに、これまで供給が間に合わずお断りしていた販売先を新たに取り込めるようになり、生産数量の増加と柔軟な商品開発が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    製氷事業の供給不足と手作業の負荷が課題とされ、ブロック氷の製造に取り組む流れは読み取れるが、過去取組との一貫性の記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    全国的に製氷メーカーが減り供給が不足する市場環境と、日本中で実例がない自動化を実現する競合優位性が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    手動作業の危険性や負荷を課題として挙げ、歩留まり80%→95%、生産性297%向上など数字つきで解決効果を示している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    労働生産性3,000円→8,910円/時間(297%)、歩留まり率82%→95%など数値目標と実績が示されている。ただし目標11,000円は未達と記載。

  • 事業を進める体制3

    メーカー担当者からの技術指導を受け、新入社員や女性も操作可能になったと書かれるが、人材や事務処理体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客ニーズに応え供給が間に合わず断っていた販売先を取り込める点や、オリジナルサイズの単価アップ見込みが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は品質管理体制の確立と最終工程までの自動化を図る方針が示されるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内で実例のないブロック氷の生産ラインの自動化であり、同分野で高水準の高付加価値化を図る取組と読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    ブロック氷製造業者の撤退が進む中で供給を維持する意義は示されるが、波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果4

    投入の人員が3人から2人に減少し、生産性が約3倍に向上するなど、費用対効果を示す数字が記載されている。

  • イノベーションへの貢献2

    自動加工システムによる自動化は書かれるが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    三重県津市の地域での製氷供給を担う姿勢は示されるが、地域経済の成長への具体的な効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

品質管理体制を確立し、技術・ノウハウを蓄積した上で、最終工程までを機械による自動生産にすることで、製氷メーカーとしての市場浸透率を拡大させる。また、労働生産性の向上により、同社の製氷及び加工技術を活かした新規案件に人材を積極的に活用していく。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。