ものづくり補助金平成28年度製造業滋賀県

高級ベビーフード製造工程の作業効率化・品質の高度化

株式会社はたけのみかた

成果製造効率 1倍→3倍

この事例のポイント

  • リピーターが増えて恒常的な品薄状態に陥っており、増産に対応できない。
  • 材料の調合・計量を自動化するため、小型マス充填機とパズル充填機を導入した。
  • 製造効率 1倍→3倍。米と出汁の計量充填が自動化され、3人の従事者のうち2人が野菜の計量・充填に集中できるようになり、「手作り」感を保ったま…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社はたけのみかた
所在地滋賀県 湖南市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数5人
資本金950万円
設立2014年

事業の背景

市販のベビーフードの売上は近年急激な右肩上がりである一方、既存品には原材料や産地の不透明さ、味付けの不自然さ、加工による食感・風味の喪失といった弱点がある。株式会社はたけのみかたは滋賀県内の有機農家から無化学合成農薬・無化学肥料の農産物を直接仕入れ、自社製造所で「manma 四季の離乳食」を製造し、自社公式オンラインストアや全国の小売店・飲食店で販売している。製品は全国的な人気を得ているが、手作業による製造が需要に追いつかない状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力リピーターが増えて恒常的な品薄状態に陥っており、増産に対応できない。
  • 人手・技能家庭の手作り離乳食の見本となる高品質品を手作業で製造しており、材料の調合・計量に多大な手間と時間がかかる。
  • コスト・採算手作業の計量では誤差が生じやすく、食材の正確な計量と均一な柔らかさの実現が難しい。

やったこと

材料の調合・計量を自動化するため、小型マス充填機とパズル充填機を導入した。小型マス充填機は米の計量充填に用い、パズル充填機は液体・粘体・粉体の計量・充填装置で出汁や野菜の裏ごしなどの充填に用いる。どちらも2〜3秒程度で1個の充填が可能で、計量誤差は±0.5gと僅少である。さらに加圧・加熱殺菌を行うレトルト釜を導入し、増産に対応できる製造プロセスを構築した。

加工機小型マス充填機
加工機パズル充填機
加工機レトルト釜

事業の効果

  • 製造効率 1倍→3倍

米と出汁の計量充填が自動化され、3人の従事者のうち2人が野菜の計量・充填に集中できるようになり、「手作り」感を保ったまま製造効率が3倍となった。正確な食材の計量が可能になったことで、月齢に合った適切な柔らかさを均一に実現できるようになり、家庭の手作り離乳食の見本となる高品質な製品を提供できるようになった。製造効率の向上により将来の増産に対応でき、商圏拡大を図る目処が立った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の離乳食製造を手作業から機械化へ拡張し、無添加ベビーフード事業の延長線上にあるが、過去の取組との一貫性は文章から詳しく読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    旬の野菜・無添加・特定原材料7品目不使用など差別化点が具体的で、全国的な人気と恒常的な品薄という外部環境と強みが読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の計量・充填という課題を認識し、製造効率3倍、月産7000食から12000食への増産で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    製造効率3倍、月産10万食の生産体制、従業員3人のうち2人が野菜作業に集中できる点など数字で目標が示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員5人、3人の従事者で作業する体制は書かれているが、事務処理能力や補助事業の遂行体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは子育て世代、価値は無添加・旬・アレルギー配慮と具体的で、市販品の弱点への対応も示されている。

  • 事業化までの道筋4

    三雲駅前の土地購入と来春の移転、月産10万食の生産体制という時期と方法が示され、食材保管スペース不足の課題も挙げられている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    既存ベビーフードにない旬・無農薬・薄味の高品質化を打ち出し、高価格帯の差別化を図る内容が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域農業の振興や規格外農産物の買い取りによる農家連携への貢献がうかがえるが、国が補助する理由としての波及効果は具体性が薄い。

  • 費用対効果3

    製造効率3倍と計量誤差±0.5gという効果は読めるが、補助金額に対する付加価値増加の費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    農家同士の交流・ネットワーク構築や農園訪問はうかがえるが、先端的デジタル技術の活用は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    滋賀県産の有機野菜を県内農家から仕入れ、湖南市で製造する地域資源活用が具体的に書かれ、農業振興にも触れている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製造所が手狭で食材の保管スペースが足りず月産12000食で頭打ちになっているため、三雲駅前に土地を購入して来春に移転し、月産10万食の生産体制を整える予定である。食材仕入れの増加にも目処が立っており、全国の旅館やホテルへの販売チャンネル拡大や、ミキハウス子育て総研の認定を受けた宿との共同商品展開を進めている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。