ものづくり補助金平成28年度製造業京都府

長期熟成酒市場創造に向けた製造工程の改善と既存商品の高品質化

木下酒造有限会社

成果タンク貯蔵への切り替えにより、貯蔵スペースが約60%減少した。

この事例のポイント

  • 本格的な熟成酒の生産には、熟成酒ならではの貯蔵設備の確保が必要だった。
  • 醪の温度管理と火入れの工程を見直し、醪温度の自動管理に電磁弁サーモセットを、火入れにプレートヒータ簡易ユニットを導入した。
  • タンク貯蔵への切り替えにより、貯蔵スペースが約60%減少した。電磁弁サーモセットとプレートヒータ簡易ユニットの導入により、企図どおりに商品の高品質化と均一化を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名木下酒造有限会社
所在地京都府 京丹後市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野バイオ
従業員数11人
資本金300万円
設立1952年

事業の背景

天保13年より京丹後市で日本酒を製造する酒造メーカーで、「玉川」ブランドのもと多数の日本酒を展開している。日本酒の消費量は1973年をピークに減少が続いており、各社は自社商品の差別化が重要になっている。熟成酒は日本酒市場の数%のシェアにとどまるが、業界内で将来有望な未開拓市場とされている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術本格的な熟成酒の生産には、熟成酒ならではの貯蔵設備の確保が必要だった。
  • 品質・精度熟成酒のもととなる日本酒と、3年未満で出荷する従来商品も含めた全商品の高品質化が必要だった。
  • 新製品・新技術熟成酒の認知度向上が課題だった。

やったこと

醪の温度管理と火入れの工程を見直し、醪温度の自動管理に電磁弁サーモセットを、火入れにプレートヒータ簡易ユニットを導入した。これにより人がつきっきりで行っていた温度制御が自動化され、作業負荷の低減や人為的ミスの防止、安定運用が可能になった。貯蔵では瓶貯蔵から大型タンク貯蔵に切り替え、共立タフテナタンク(1,000ℓ)を5基(計5,000ℓ)導入した。タンク1基で1.8ℓ瓶約555本分を貯蔵でき、一括して日本酒を熟成させられるようになった。

加工機電磁弁サーモセット
加工機プレートヒータ簡易ユニット
その他共立タフテナタンク(1,000ℓ)

新しい製品・サービス:長期熟成酒

事業の効果

  • タンク貯蔵への切り替えにより、貯蔵スペースが約60%減少した。

電磁弁サーモセットとプレートヒータ簡易ユニットの導入により、企図どおりに商品の高品質化と均一化を実現した。熟成酒も含む全商品の品質向上にもつながった。これまでできなかった長期熟成酒の安定生産を開始し、熟成酒市場に向けた生産面の課題はクリアした。共立タフテナタンクの導入で大幅な省スペース化と安定した貯蔵が可能になり、現在は26基まで拡充して貯蔵能力を増強している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    2019年頃の外国人杜氏招聘や蔵付き酵母の酒造りを背景に、熟成酒市場参入を経営方針として位置付けている点が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    日本酒市場が縮小する中で差別化を図る必要性と、ワインやウイスキーと比べた付加価値の余地に触れているが、自社の経営資源との関係は具体的でない。

  • 課題の認識と解決4

    瓶貯蔵のバラつきや3年以上の熟成期間に伴う課題を整理し、高付加価値化につなげる計画が示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    タンク導入後のシェアや売上の目標数値は示されていないが、26基への拡充計画で増強方針は読み取れる。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    熟成酒の高品質化と、飲む温度帯や料理との食べ合わせによる特徴は書かれているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    瓶貯蔵からタンク貯蔵への切り替えと今後の課題を段階的に示しているが、スケジュールは記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    日本酒市場で熟成酒のシェアが数%にとどまる未開拓市場であり、高付加価値化を図る取組として示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    日本酒業界の注目市場の形成に触れているが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は示されていない。

  • 費用対効果4

    タンク導入で省スペース約60%減、1.8ℓ瓶約555本分の貯蔵を実現し、費用対効果の根拠が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    熟成酒市場の拡大に触れているが、日本経済の構造転換への貢献は示されていない。

  • 地域経済への波及3

    京丹後の雪深い地域の酒蔵として地域資源を活かす立地が書かれているが、地域経済への波及は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

熟成酒の価値を世の中に浸透させる段階に入っており、残る課題は「日本酒は若いうちが一番うまい」「良い日本酒は冷やして飲む」といった消費者の固定概念へのチャレンジである。

事業者の声

日本酒の相場は安すぎる。高い日本酒を作ってくれ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。