ものづくり補助金平成28年度製造業兵庫県

小規模ビールの増産体制構築と常温保管実現による販路拡大事業

有限会社アイエヌインターナショナル

成果年間生産能力が従前の約4倍となった。

この事例のポイント

  • 当社のビールは他社製品に比べ割高だった。
  • 仕込み、発酵、貯酒の各タンクを増設し、仕込み用・発酵用・貯酒用タンクを整備した。
  • 年間生産能力が従前の約4倍となった。生産能力が従前の約4倍となり、自動化により工程数が半減して生産性が大きく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社アイエヌインターナショナル
所在地兵庫県 神戸市北区
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数9人
資本金2,100万円
設立9年

事業の背景

平成9年に六甲ビール醸造所を開設し、六甲の銘水を使った地ビール製造一筋に事業を営んできた。他社製品に比べ割高であること、常温保管ができないこと、営業活動や新製品開発を積極的に行っていなかったことなどから、事業の成長が芳しくなかった。一方で、消費者の嗜好の多様化や地ビール市場の拡大など外部環境は大きく変化しつつあった。取締役は2011年からの5年間で事業の構造改革に着手し、対前年比伸び率平均31%を実現した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算当社のビールは他社製品に比べ割高だった。
  • 販路・情報発信常温保管ができず、要冷蔵のため流通が困難だった。
  • 販路・情報発信営業活動や新製品開発を積極的に行っていなかったため、事業の成長が芳しくなかった。
  • 生産能力瓶製品の充実と常温保管製品の増産に向けて、生産能力の確保と生産性の向上が必要だった。

やったこと

仕込み、発酵、貯酒の各タンクを増設し、仕込み用・発酵用・貯酒用タンクを整備した。小規模プラント用のタンクは国内では製造されていないため、欧米のビールメーカーが使用しているものと同仕様のものを輸入した。温度管理を徹底するため、タンクを冷却するチラーや冷蔵庫、加熱殺菌機、醸造設備を加熱する貫流式ボイラーを完備した。自動充てん機を導入し、瓶の洗浄、ビールの充填、王冠の打栓、ラベル貼りまでの工程をすべて自動化した。熱殺菌により風味の劣化を防ぎつつ長期保存を可能とするため、瞬間式加熱殺菌機を導入した。

その他仕込み用・発酵用・貯酒用タンク
その他チラー・冷蔵庫
その他加熱殺菌機
その他貫流式ボイラー
加工機自動充てん機
加工機ラベル貼付機
その他瞬間式加熱殺菌機

事業の効果

  • 年間生産能力が従前の約4倍となった。
  • 出荷量も当初の5倍となった。

生産能力が従前の約4倍となり、自動化により工程数が半減して生産性が大きく向上した。加熱殺菌せずに常温流通できる技術が確立し、品質も格段に向上して安定した。大手百貨店や高級食料品スーパーなどからの引き合いが増え、出荷量は当初の5倍となった。従業員の作業負担が軽減されて雇用も創出され、神戸・六甲の名を冠した製品により地域ブランドの認知度向上にも貢献している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成9年の醸造所開設以来、六甲の銘水を使った地ビール製造ひと筋で、2011年からの5年間で対前年比伸び率平均31%を実現したと書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他社製品に比べ割高で常温保管ができないという弱みと、消費者の嗜好の多様化・地ビール市場拡大という外部環境が書かれているが、強みとの関係の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    課題として割高、常温保管不可、営業・新製品開発の不足を挙げ、生産能力の4倍化と常温流通化で解決する計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間生産能力が従前の約4倍となり、工程数が半減し、出荷量も当初の5倍になったと数字で示されており、目標の実現性がうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    従業員9人で、少数精鋭の若く優秀な人材を強みに挙げているが、補助事業の事務処理体制についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高価格・要冷蔵という課題に対し、常温流通と価格適正化で販路を広げる計画で、大手百貨店や高級スーパーからの引き合いも書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    設備導入後の成果や販路拡大の経緯は書かれているが、中長期の検証方法やスケジュールの記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    瞬間式加熱殺菌による常温流通を技術として確立し、高価格で他にない味や香りを醸成する地ビールで、高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地域ブランドの認知度向上や地域活性化への貢献、雇用創出が書かれているが、経済波及効果の定量的な記述はない。

  • 費用対効果3

    生産能力4倍、工程数半減、出荷量5倍など投資効果の数字はあるが、補助金額に対する付加価値増加の記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動充填・ラベル貼付機や機械化による工程自動化はあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    神戸・六甲の名前を冠した地ビールで地域ブランドの認知度向上や地域活性化に資すると書かれ、地域の特性を活かした事業である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。