ものづくり補助金平成28年度製造業和歌山県

自動充填包装機の導入による「ほしものびより」の 低コスト化及び生産性向上

ヤマサ工業 株式会社

成果生産能力 1倍→5倍

この事例のポイント

  • 靴用乾燥剤の受注が増えたが、手作業の生産工程では受注に十分対応できず、生産能力の限界に迫っていた。
  • 自動充填包装機を導入し、主力商品「ほしものびより」の生産性向上と生産工程の自動化を図った。
  • 生産能力 1倍→5倍。自動計量と自動裁断・熱融着により生産能力が大幅に向上し、安定した生産効率を確保できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名ヤマサ工業 株式会社
所在地和歌山県 海南市
業種繊維工業
技術分野製造環境,機械制御
従業員数12人
資本金1,000万円
設立1982年

事業の背景

靴用乾燥剤を主力に、靴関係の小物を製造販売している。乾燥剤は湿気を素早く乾燥させ、抗菌防臭加工により不快な臭いやカビの発生を防ぐ。従来は小ロット対応により価格で勝負できていたが、最近は得意先の受注数が増加していた。主力商品「ほしものびより」は、規格サイズに応じてシリカゲルを不織布で袋詰めしたもので、小分けの袋詰め作業ができず、規格サイズ済みのシリカゲルを中国から輸入していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力靴用乾燥剤の受注が増えたが、手作業の生産工程では受注に十分対応できず、生産能力の限界に迫っていた。
  • コスト・採算中国からの輸入品に頼っており、仕入原価の高騰や為替変動で安定した利益の確保が難しかった。
  • コスト・採算輸入には一度に10万個の発注が必要で、約1カ月半かかるため、急な増産に対応できず、過剰在庫で資金が固着し保管コストもかかっていた。
  • 人手・技能シリカゲルの袋詰めは粉塵が発生し、作業時のマスク着用や素手による手荒れなど、作業環境の問題があった。

やったこと

自動充填包装機を導入し、主力商品「ほしものびより」の生産性向上と生産工程の自動化を図った。機械はシリカゲルを自動計量し、不織布を自動裁断して袋詰めした後に熱融着し、乾燥剤を完成させる。不織布のサイズはタイマーで調整でき、シリカゲルの容量は計量マスの変更で規格外にも対応できる。旧作業の約5倍の生産能力を持ち、機械の作動部分には保護カバーを装着し、緊急停止装置も備えた。

事業の効果

  • 生産能力 1倍→5倍

自動計量と自動裁断・熱融着により生産能力が大幅に向上し、安定した生産効率を確保できるようになった。中国からの輸入が不要になり、仕入原価の高騰や為替変動のリスクが解消された。必要な分だけを短期間に製造できるため過剰在庫が解消され、資金繰りも改善した。保護カバーや緊急停止装置により作業環境と安全性が確保され、作業員が安心して働けるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性中国輸入品の仕入原価高騰や為替変動に頼らず自社製造する点、他社との差別化を図る方針が具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決手作業の生産能力限界、輸入の1カ月半のリードタイム、過剰在庫による資金固着という課題が具体的に示され、機械導入で解決する流れがある。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標旧作業の約5倍の生産能力という数字が示されており、生産性向上の目標の達成度合いが具体的に読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員12名の会社であることと、従業員と内職に頼る手作業の体制がうかがえるが、補助事業を遂行する体制の具体的記述は少ない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    靴用乾燥剤の製造販売が主力で、従来の小ロット対応から受注増への対応へという流れは読み取れるが、経営戦略上の明確な位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    中国輸入品の仕入原価高騰や為替変動に頼らず自社製造する点、他社との差別化を図る方針が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の生産能力限界、輸入の1カ月半のリードタイム、過剰在庫による資金固着という課題が具体的に示され、機械導入で解決する流れがある。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標4

    旧作業の約5倍の生産能力という数字が示されており、生産性向上の目標の達成度合いが具体的に読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    従業員12名の会社であることと、従業員と内職に頼る手作業の体制がうかがえるが、補助事業を遂行する体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ほしものびよparticularly 靴の中専用で、ビジネス靴からスニーカーまで対応し、天日干しで繰り返し使える点など製品の価値と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後20g・30g・50gの分量マスの組み合わせで規格に対応する構想がうかがえるが、スケジュールや課題解決方法の記述は乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    靴用乾燥剤の市場に加え、メーカー向けの小型乾燥剤など新市場の開拓が期待されると書かれているが、高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用ー

    公開情報では判断できません。

  • 費用対効果3

    生産能力が約5倍になったことは読み取れるが、補助金投入額に対する付加価値額の増加など費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動計量・自動裁断・熱融着による機械化はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は記載がない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    海南市の「ものづくりの町」で昭和57年に設立とあり地域に根ざすが、地域の特性を活かした雇用創出などの記述は乏しい。

今後の展望

規格の組み合わせにより多様な規格サイズに対応し、メーカー向けの靴や衣料用の小型乾燥剤など新たな市場開拓が期待できる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。