ものづくり補助金平成28年度製造業和歌山県

新型グルアーを導入し商品価値を高める形状の紙器をデザインする取組

株式会社和歌山トムソン

成果加工スピード 3,000枚/時間→6,000枚/時間

この事例のポイント

  • 30年前に導入した古いグルアーでは、顧客の要求に応えることが難しくなっていた。
  • 新型グルアーとして、独自のオプションを施したサンエンヂニアリング製の「ストレートグルアー BL650II」を導入した。
  • 加工スピード 3,000枚/時間→6,000枚/時間。加工スピードが1時間当たり従来3000枚から6000枚へ大幅に向上し、生産性が高まった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社和歌山トムソン
所在地和歌山県 和歌山市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野デザイン
従業員数60人
資本金1,000万円
設立1963年

事業の背景

同社は昭和38年からトムソン加工で紙器を提供し、和歌山を中心に大阪や奈良など約300社と取引がある。梅干しやお菓子、お土産、お酒等のパッケージを担当している。強みは商品開発の段階からパッケージデザインの提案やサンプル作成に関わっている点で、印刷の版まで一連でつくれるため短納期のニーズにも応えられる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力30年前に導入した古いグルアーでは、顧客の要求に応えることが難しくなっていた。
  • 品質・精度貼り加工では加工スピードの遅さに加え、糊付けの甘さからズレや商品を入れたときの底抜けが発生していた。
  • 品質・精度出荷前の抜き取り検査を行っても年間3〜4件の客先不良が報告され、全品検査による大きなロスと顧客との信頼関係の毀損が生じていた。
  • 納期・工程社内で不良を発見すると印刷工程からやり直す必要があり、納期面で遅れるケースもあった。
  • コスト・採算納期に余裕がある場合の外注は、納期と輸送等のコスト面で大きな負担となっていた。

やったこと

新型グルアーとして、独自のオプションを施したサンエンヂニアリング製の「ストレートグルアー BL650II」を導入した。デザイン性の高い型紙にも対応し、強度のある貼り加工をスピーディーに行える。加工スピードは1時間当たり従来3000枚から6000枚に向上した。プラズマ装置で棚しろの濡れ性を高めたうえで接着面を確実に押さえるため、十分な強度に仕上がるようになった。以前は30×30cmまでの貼り加工しかできなかったが、15×15cmの小さな貼り加工も可能になった。不良品をカメラと画像検査装置で自動検出し、客先に不良品が届く可能性をほぼゼロにした。

  • 加工機ストレートグルアー BL650IIサンエンヂニアリング製、独自オプション付きプラズマ装置
  • 検査測定カメラと画像検査装置

新しい製品・サービス:ストレートグルアー BL650II

事業の効果

  • 加工スピード 3,000枚/時間→6,000枚/時間
  • 貼り加工の最小サイズ 30cm角→15cm角

加工スピードが1時間当たり従来3000枚から6000枚へ大幅に向上し、生産性が高まった。プラズマ装置による濡れ性向上と接着面の確実な押さえにより、貼り加工の強度も十分に確保できるようになった。カメラと画像検査装置による自動検出で、客先に不良品が届く可能性はほぼゼロになった。小さな貼り加工も可能になり対応の幅が広がった。一方でグルアー本体はスピードと強度を優先したライン設計のため、前機と同程度のスペースが必要になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性強みは商品開発段階からのデザイン提案と印刷版まで内製し短納期に応える点と具体的に書かれ、外部環境では新型コロナによる観光客減少にも触れている。
  • 4
    課題の認識と解決課題は貼り加工の精度・スピード・強度で、年間3~4件の客先不良や外注コストが挙げられ、グルアー導入で1時間あたり3000枚から6000枚と解決策も具体的。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けお土産や梅干し等のパッケージ、有名ホテルなどブランド力の高い顧客へのアプローチなど、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標加工スピードは1時間3000枚から6000枚と数値があるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和38年からトムソン加工を手がけ、約300社と取引。強みはデザイン提案から内製化する点と読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    強みは商品開発段階からのデザイン提案と印刷版まで内製し短納期に応える点と具体的に書かれ、外部環境では新型コロナによる観光客減少にも触れている。

  • 課題の認識と解決4

    課題は貼り加工の精度・スピード・強度で、年間3~4件の客先不良や外注コストが挙げられ、グルアー導入で1時間あたり3000枚から6000枚と解決策も具体的。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    加工スピードは1時間3000枚から6000枚と数値があるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    事業を進める体制や人材について、事例では具体的な記述がほとんどなく、わずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    お土産や梅干し等のパッケージ、有名ホテルなどブランド力の高い顧客へのアプローチなど、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    アフターコロナを見越した営業強化や新規受注の方針は示されるが、スケジュールや検証の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    独創的で魅力的なパッケージを提案する強みや、デザイン性の高い型紙への対応は書かれるが、同分野での高付加価値化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    外注削減や新たな受注によるコスト削減効果は触れられるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    不良の解消やグルアー導入による加工速度向上、外注費削減という効果は読み取れるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    カメラと画像検査装置による不良の自動検出やプラズマ処理が導入されるが、デジタル技術の地域やサプライチェーン貢献までは書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    和歌山を中心に大阪や奈良など約300社と取引する地域的な事業基盤が書かれるが、地域の雇用や経済成長への牽引効果は明示されていない。

今後の展望

コロナの影響で観光業のお土産等のパッケージ発注が減少しているため、アフターコロナを見越した準備を検討している。貼り加工は大きな売上にはならないがコスト削減には効果が大きく、外注加工費をカットしつつ様々な貼り加工に挑戦していく。有名ホテルなどブランド力の高い顧客にアプローチし、営業を強化して新たな受注につなげていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。