ものづくり補助金平成28年度製造業島根県

建築鉄骨の穴あけ加工の高速化及び高精度化による 納期短縮

建鉄工業株式会社

この事例のポイント

  • 部材が大きく複雑になり工場設備では加工能力が追いつかず、一次加工の外注比率が上昇して売上に大きく影響している。
  • 補助事業では、H型鋼の穴あけを高速化するH型鋼穴あけ機を導入した。
  • 穴あけ加工能力が2〜3倍にアップし、作業の流れがスムーズになった。

事業者のプロフィール

事業者名建鉄工業株式会社
所在地島根県 益田市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数23人
資本金1,100万円
設立1978年

事業の背景

建鉄工業は1978年に前身の田川工業の建物を受け継いで創業し、鉄骨建築を主力とする鉄工所である。建築鉄骨のH型鋼を仕入れ、穴あけ・切断の一次加工、加工組立・溶接・錆び止め塗装を経て製品を現場へ搬入し、施工完了の立ち合いまでを行う。市場は主に中国地方で、受注割合は島根県内3割、広島県内5割、その他2割である。今後は右肩上がりの経済が期待できず、島根県内の受注量が減っているため、関西・関東での受注開拓が課題となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力部材が大きく複雑になり工場設備では加工能力が追いつかず、一次加工の外注比率が上昇して売上に大きく影響している。
  • 納期・工程短納期の要求が年々強まっているが、外注先の加工能力も限界に近づいている。
  • 生産能力切断機を導入したものの穴あけ機の加工能力が低く、作業の流れがスムーズに行えない。
  • 品質・精度鉄骨製品は大きいため加工誤差が建屋全体のゆがみや強度問題につながりかねず、複雑形状と高精度化の両立が求められている。

やったこと

補助事業では、H型鋼の穴あけを高速化するH型鋼穴あけ機を導入した。縦軸に2軸、左右にそれぞれ2軸の計6軸のドリルヘッドを備え、ドリルの自動交換装置により交換の時間も短縮した。その結果、穴あけ加工能力は2〜3倍に向上した。また、CADデータを図面印刷して加工情報を手入力していた作業を、変換ソフトにより直接入力できるようにした。これにより手入力の時間とミスを削減できた。

事業の効果

穴あけ加工能力が2〜3倍にアップし、作業の流れがスムーズになった。作業に時間的なゆとりが生まれ、組立や溶接の担当者にも気持ちのゆとりができてミスがなくなり、高品質と短納期を実現できた。CADデータの直接入力により入力時間が削減され、入力ミスもなくなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性事例では一次加工の外注比率上昇が売上に影響し、穴あけの高速化・高精度化を最重要課題と位置付けたと書かれており、経営戦略上の位置付けが読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決加工能力が2〜3倍にアップし、組立・溶接のミス減少と短納期実現につながったと、課題と効果が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標加工能力2〜3倍の実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、目標値の実現可能性は判断できない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    事例では一次加工の外注比率上昇が売上に影響し、穴あけの高速化・高精度化を最重要課題と位置付けたと書かれており、経営戦略上の位置付けが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    島根県内の受注量減少を背景に関西・関東開拓を目指すとあるが、強みとして高速化や若手人材を挙げる程度で、競争優位の具体的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    加工能力が2〜3倍にアップし、組立・溶接のミス減少と短納期実現につながったと、課題と効果が具体的に書かれている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    加工能力2〜3倍の実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、目標値の実現可能性は判断できない。

  • 事業を進める体制3

    平均年齢42.6歳の若い戦力や一級建築士確保の計画が書かれ、体制の一端はうかがえるが、事務処理能力などは具体性が薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高品質・短納期・複雑形状と高精度化の両立が発注元から求められていると書かれ、選ばれる理由の一部は読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    課題解決の第一段階としてH型鋼切断機を導入し、第二段階で穴あけ機を導入したと段階的な進め方が書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    鉄骨製品の加工分野での高精度化・複雑形状対応がうかがえるが、同分野で高水準の高付加価値化を図るとは明記されていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    地域の建築案件への対応や地域企業としての役割がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    加工能力が2〜3倍になったと効果は示されているが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CADデータを変換ソフトで直接入力する取組があり、デジタル活用の一端はうかがえるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    島根県益田市の地域企業として地域社会への貢献理念が書かれ、地域での事業活動はうかがえるが、地域経済牽引の根拠は薄い。

今後の展望

関西・関東での受注を開拓し、一級建築士の確保や5トン天井クレーンの増設、大組ロボットの増設などの設備投資を行ったうえで、大手ゼネコンからの受注が可能になるHグレードの取得を目指す。

事業者の声

これらを武器に新規開拓に打って出たい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。