ものづくり補助金平成28年度漁業山口県

養殖設備増強による仙崎産トラフグの海外市場開拓

長州ながと水産株式会社

成果出荷するフグの量は約2倍に増え、現在の出荷量は40.3tになった。

この事例のポイント

  • 近年フグ養殖は魚価の低迷や中国市場の台頭で厳しい状況が続いている。
  • 養殖設備を増設し、高級トラフグの生産量を増やした。
  • 出荷するフグの量は約2倍に増え、現在の出荷量は40.3tになった。養殖設備の増設により出荷量が約2倍になり、増産分を身欠き加工して海外日本食レストランへ輸出できる体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名長州ながと水産株式会社
所在地山口県 長門市
業種水産養殖業
技術分野製造環境
従業員数5人
資本金400万円
設立2014年

事業の背景

当社は長門市仙崎でトラフグとヒラメの養殖及び養殖したトラフグの活魚・身欠き加工・販売を行っている。日本海の清浄な海水をトンネルから直接水槽に引き込む陸上養殖で、海水温が九州より若干低いため肉質の良い身の締まった魚を生産できる点が他社との差別化になっている。近年はフグ養殖の魚価低迷や中国市場の台頭により経営環境が厳しい。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算近年フグ養殖は魚価の低迷や中国市場の台頭で厳しい状況が続いている。
  • 販路・情報発信今後の企業存続のためには、ブランド力を活かして海外販売も視野に入れた業務拡大が不可欠である。
  • 生産能力漁獲量を増やすため、養殖設備を増設する必要があった。

やったこと

養殖設備を増設し、高級トラフグの生産量を増やした。増産したトラフグを身欠き加工し、海外日本食レストランへの輸出を目指した。導入したのは、フグを養殖するアース式FRP組立水槽、夏場の酸素濃度低下時期も酸素濃度を一定に保つ酸素発生装置、陸上養殖の心臓部となり各水槽の水量と環境を一定に保つ水中ポンプ、酸素発生装置から送られた酸素を水槽に溶かす自吸式ポンプ、停電時のポンプ停止による魚死を防ぐ発電機である。

その他アース式FRP組立水槽
その他酸素発生装置
その他水中ポンプ
その他自吸式ポンプ
その他発電機

新しい製品・サービス:高級トラフグの増産と、身欠き加工品の海外輸出

事業の効果

  • 出荷するフグの量は約2倍に増え、現在の出荷量は40.3tになった。
  • 売上高1.2億円を達成した。

養殖設備の増設により出荷量が約2倍になり、増産分を身欠き加工して海外日本食レストランへ輸出できる体制が整った。現在の出荷量は40.3t、売上高は1.2億円に達し、安定した収益体制を確立できた。今後は販路開拓で連携する企業や下関ふく輸出組合と協調して海外商社と商談する予定である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    陸上養殖を続けてきた事業の延長で増設に取り組んだと書かれ、一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    日本海の清浄な海水や海水温が低く身が締まる点を差別化要因とし、中国市場台頭など外部環境の厳しさにも触れている。

  • 課題の認識と解決4

    魚価低迷や中国市場の台頭を課題とし、身欠き加工による海外日本食レストラン向け輸出で付加価値化を図る計画が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    出荷量が約2倍に増えたこと、出荷量40.3t・売上高1.2億円の実績はあるが、事業計画時点の高付加価値・賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数5人と資本金400万円の記載はあるが、補助事業を遂行する体制の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    日本海の清浄な海水、肉質の良い身の締まったトラフグという価値と、海外日本食レストランへの輸出先が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    JETROや下関ふく輸出組合との連携、商談予定など販路の進め方は示されるが、スケジュールや課題解決の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    フグ養殖は魚価低迷で苦しい状況とされ、高級トラフグの増産と身欠き加工による海外輸出で高付加価値化を図る点が書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地域ブランド力向上と地域活性化を目指すと書かれ、地域経済への波及は読み取れるが、雇用創出などの数値は示されていない。

  • 費用対効果4

    ものづくり補助金で水槽や酸素発生装置などを導入し、出荷量が約2倍、売上高1.2億円を達成したと費用対効果の結果が書かれている。

  • イノベーションへの貢献2

    陸上養殖や酸素発生装置の導入は書かれるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンのイノベーションへの言及は乏しい。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    海外日本食ブームを取り込む輸出展開が書かれ、市場の成長分野への進出はうかがえるが、構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    長門市の仙崎産トラフグとして地域ブランドを活かし、地域活性化と海外輸出を進める事業と具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

品質に自信のあるトラフグを増産し、世界に羽ばたくトラフグ養殖のトップランナーを目指す。

事業者の声

世界に羽ばたくトラフグ養殖のトップランナーを目指します。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。