国内初、農地を活用した環境配慮型バナメイエビ陸上養殖事業

千葉県の従業員2人の漁業者が、ものづくり補助金でナノバブル発生装置を導入し、養殖水の水質を改善した事例です。

株式会社Seaside Consulting

成果養殖水の溶存酸素濃度(DO)が向上した。

この事例のポイント

  • 国内漁業生産量は減少の一途をたどっている。
  • 養殖用可改水質装置、ナノバブル発生装置、養殖管理システム、バッテリー等を導入しました。
  • 養殖水の溶存酸素濃度(DO)が向上した。養殖水の溶存酸素濃度(DO)の向上とアンモニアの削減により養殖水の水質が改善しました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社Seaside Consulting
所在地千葉県 千葉県安房郡鋸南町
業種水産養殖業
従業員数2人
資本金2,303万円
設立2017年

事業の背景

2021年8月にバナメイエビの陸上での商業養殖を開始しました。休耕農地を活用した環境配慮型の陸上養殖で、養殖水を原則排水せずに継続して使用しています。

大手回転寿司チェーンへの出荷は2022年4月から開始しています。バナメイエビの養殖は世界のエビ養殖の約70%を占めますが、日本ではほぼ行われていません。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力国内漁業生産量は減少の一途をたどっている。
  • コスト・採算魚類養殖の主流である海面網いけす養殖は、えさ代や種苗代の割合が高く、近年はえさ代が高騰して養殖経営に大きな打撃となっている。
  • 品質・精度ウイルスによる被害も発生しており、国内の養殖技術を向上させることが求められている。

やったこと

養殖用可改水質装置、ナノバブル発生装置、養殖管理システム、バッテリー等を導入しました。ナノバブル発生装置により養殖水の溶存酸素濃度(DO)を向上させ、エビの生存率を上げて生産量の拡大を目指しました。

養殖管理システムにより、DOやpHを常に測定できるようにし、水質を維持しやすくしました。水温をはじめとしたデータを常時計測する器具を導入しました。

新しい製品・サービス:国産・無添加のバナメイエビの陸上養殖

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 養殖水の溶存酸素濃度(DO)が向上した。

養殖水の溶存酸素濃度(DO)の向上とアンモニアの削減により養殖水の水質が改善しました。バナメイエビをより美味しく、より収量を上げて生産できるようになりました。

常時計測器の導入で、自宅から水温などのデータを確認でき、作業効率が格段に上がりました。水質を常時把握できることで、エビの品質向上にも役立っています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.4 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性バナメイエビは病気に強く養殖水槽に適し、日本ではほぼ行われていない点を強みとして示している。国内で希少な点が優位性を裏付ける。
  • 4
    課題の認識と解決えさ代高騰や病害の課題を明示し、ナノバブル装置や水質管理で生存率と収量を上げる解決策を示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け国産・無添加のバナメイエビを大手回転寿司チェーンへ2022年4月から出荷している。顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に示されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、収量・生存率の向上が述べられるのみで目標の実現性は判断しにくい。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    休耕農地を活用した陸上養殖を2021年8月に開始し、その延長で事業を進めており、事業活動の一貫性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    バナメイエビは病気に強く養殖水槽に適し、日本ではほぼ行われていない点を強みとして示している。国内で希少な点が優位性を裏付ける。

  • 課題の認識と解決4

    えさ代高騰や病害の課題を明示し、ナノバブル装置や水質管理で生存率と収量を上げる解決策を示している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、収量・生存率の向上が述べられるのみで目標の実現性は判断しにくい。

  • 事業を進める体制3

    従業員2名で、養殖管理システムの導入や遠隔計測を運用していることが書かれ、事業を遂行する体制は一定程度ある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    国産・無添加のバナメイエビを大手回転寿司チェーンへ2022年4月から出荷している。顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    陸上養殖の開始、常時計測器の導入、大手チェーンへの出荷開始という段階的な取組が示され、進め方は概ね妥当である。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    世界のエビ養殖の約70%を占めるバナメイエビを、日本ではほぼ行われていない陸上養殖で行う点で新市場性が高い。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用4

    休耕地・耕作放棄地の活用、国内食糧自給率の向上、新たな雇用創出という社会的効果を具体的に挙げている。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    常時計測器や養殖管理システムでデータを遠隔把握する仕組みを導入し、陸上養殖の新しい方式を示している。

政策面3.5
  • 成長分野への進出3

    国内漁業生産量の減少という課題に対し、陸上養殖で国内食糧自給率を高める方向性があり、構造転換への寄与が読み取れる。

  • 地域経済への波及4

    休耕農地という地域資源を活用し、鋸南町で新たな雇用を創出する事業であり、地域の特性を活かした取組である。

今後の展望

国産・無添加のバナメイエビの生産を農地活用で行う事業は、休耕地・耕作放棄地の活用、国内食糧自給率の向上、新たな雇用創出の面で社会に貢献できると考えています。

事業者の声

水温をはじめとしたデータを手動で計測していたが、補助金で常時計測器を導入したことで、家にいながらデータを見ることが出来、作業効率が格段にあがりました。水質を常時把握できることで、エビの品質向上にも役立ちました。

国産・無添加のバナメイエビの生産を農地活用で行う弊社の事業は、休耕地・耕作放棄地の活用・国内食糧自給率の向上・新たな雇用創出の面で社会に貢献できると考えております。

公式の事例集より(原文のまま)

同じ設備を入れた採択事例

出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。