高密度陸上養殖システムを用いた諫早産うなぎ復活事業

長崎県の従業員5人の漁業会社が、ものづくり補助金で高密度陸上養殖システムを導入し、自社でうなぎを安定的に調達できるようになった事例です。

この事例のポイント

  • うなぎの原料を県外から調達しており、価格高騰と供給不安定のリスクが大きいため、自社で養殖して原料を確保する必要があった。
  • 小規模養殖施設で約3年間試験養殖を行った後、新たな養殖施設を増設しました。
  • 導入した設備により、うなぎが生育する環境が整い、自社で安定的にうなぎを調達できるようになりました。

事業者のプロフィール

所在地長崎県 諫早市
業種水産養殖業
技術分野製造環境
従業員数5人
設立1953年

事業の背景

諫早の名物はうなぎで、地元では本明川を上ってくるうなぎを名物としていたが、現在は原料を県外から調達している。うなぎの価格は高騰し供給も不安定で、その影響を受けない新たな生産ラインの確立が求められていた。

また、地場産うなぎの生産が途絶えた諫早で地場産のうなぎを復活させ、地域経済に好影響を広げたいという狙いもあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力うなぎの原料を県外から調達しており、価格高騰と供給不安定のリスクが大きいため、自社で養殖して原料を確保する必要があった。
  • 生産能力試験養殖では溶存二酸化炭素の低減、溶存酸素の高濃度維持、アンモニア濃度の継続的な低減という課題があり、うなぎの飼育環境を整えるためにこれをクリアする必要があった。

やったこと

小規模養殖施設で約3年間試験養殖を行った後、新たな養殖施設を増設しました。溶存二酸化炭素濃度を低減する魚介救命装置をはじめ、自動酸素発生供給システム、マイクロバブル発生装置、水質維持材を導入しました。

これらの設備により飼育環境を整えました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

導入した設備により、うなぎが生育する環境が整い、自社で安定的にうなぎを調達できるようになりました。原料を自社で確保できたことで、価格高騰や供給不安定のリスクを抑えられるようになりました。

一方で、中には身が硬いものもあり、品質には課題が残っています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.4 / 514観点のうち10観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性諫早でうなぎ屋を営み自社で養殖も行っている既存事業の延長に、養殖設備増設を位置付けており一貫性が読み取れる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性原料は県外調達で価格高騰・供給不安があった一方、自社の店舗と人気、地下水などの強みを活かし、自社養殖で調達を安定させる戦略になっている。
  • 4
    課題の認識と解決溶存二酸化炭素・酸素・アンモニアという養殖上の課題を特定し、装置導入で解決に取り組んでおり、課題認識と対策が対応している。

もう一歩だった観点

  • 2
    事業を進める体制試験養殖を約3年実施した経験があるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述は薄い。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    諫早でうなぎ屋を営み自社で養殖も行っている既存事業の延長に、養殖設備増設を位置付けており一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    原料は県外調達で価格高騰・供給不安があった一方、自社の店舗と人気、地下水などの強みを活かし、自社養殖で調達を安定させる戦略になっている。

  • 課題の認識と解決4

    溶存二酸化炭素・酸素・アンモニアという養殖上の課題を特定し、装置導入で解決に取り組んでおり、課題認識と対策が対応している。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    試験養殖を約3年実施した経験があるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    厳選素材やオリジナルのタレ、泥臭さを抑える地下水使用、連日行列という人気が顧客に選ばれる理由として整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    試験養殖で課題を洗い出し、施設増設と装置導入を行い、今後も研究を続けて高品質化を目指す方針が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性判断できません
  • 新しさ・高付加価値ー

    公開情報では判断できません。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用4

    生産の途絶えた諫早で地場産うなぎを復活させ、地域経済に好影響を波及させる狙いが明記されており、地域への波及効果が読み取れる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    自動酸素発生供給システムやマイクロバブル発生装置など複数の装置を導入し、養殖環境の制御を図っている点が見て取れる。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    諫早の名物うなぎを地場で復活させ、地域の特性を活かして付加価値を生み出す事業として位置付けられている。

今後の展望

今後はこれまでの研究を続けて高品質化を目指します。自分たちなりの飼育環境を整え、多くのお客様に美味しいうなぎを食べていただけるよう努力していきたいと考えています。

同じ業種・悩みの採択事例

出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。