ものづくり補助金平成28年度製造業山口県

多機能対応型ロボット搬送システム及びワンストップ生産体制の構築

西部工業株式会社

成果加工時間が1/10程度に短縮

この事例のポイント

  • 自動車部品の製作を外注に依存しており、コストや時間の削減が課題だった。
  • 最終加工後の洗浄・検査・梱包の機能を合体させた多機能型ロボット搬送システムの開発・製作に使う特殊部品を、社内で高精度・短納期・安価に製作するため、最新式高性能立形マシニングセンタ…
  • 加工時間が1/10程度に短縮。部品のほぼ100%を内製化でき、売上高は順調に伸びている。

事業者のプロフィール

事業者名西部工業株式会社
所在地山口県 山陽小野田市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工,機械制御
従業員数20人
資本金1,000万円
設立1969年

事業の背景

工場向けの生産設備の修理・保守からスタートし、省力化や無人化などのテーマに顧客と取り組んできた。現在は主に自動車部品メーカーの製造ラインで使う搬送装置や検査機、梱包機、洗浄機などを製作している。多機能型ロボット搬送システムは他社が未開発で、開発・量産化できれば業界でトップシェアを獲得できる可能性がある。これまでの主な顧客は自動車部品メーカーだったが、ハイブリッド車関連部品の生産が伸びており、生産ラインの増設に伴い限られた工場スペースを有効活用できるライン、短納期、低コストが求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算自動車部品の製作を外注に依存しており、コストや時間の削減が課題だった。
  • 納期・工程短納期・低コスト・高精度を実現するには、全ての部品を内製化する必要があった。
  • 人手・技能設計や組立は自社で行っていたが、部品製作を外注に頼っていた。

やったこと

最終加工後の洗浄・検査・梱包の機能を合体させた多機能型ロボット搬送システムの開発・製作に使う特殊部品を、社内で高精度・短納期・安価に製作するため、最新式高性能立形マシニングセンタを導入した。加工エリアは1530×700mmで、同社製作品の全てのサイズをカバーする。高出力ビルトイン主軸を搭載し、刃物径50mmでも一度に20mm切削できる。これにより加工時間が約1/10に短縮でき、特殊鋼の加工も可能になった。同社が蓄積してきた3D CADのデータをCAMに流用できるため、加工プログラム作成時間を大幅に短縮した。

  • 加工機最新式高性能立形マシニングセンタ

新しい製品・サービス:多機能型ロボット搬送システム

事業の効果

  • 加工時間が1/10程度に短縮

部品のほぼ100%を内製化でき、売上高は順調に伸びている。自社で試作できるようになり、コストや時間を削減し、スピーディーかつ高品質なものづくりが可能になった。突然の修理依頼にも即対応でき、夜間・休憩中の無人運転や他の仕事との同時進行により、休日出勤や残業時間が減り人件費も削減できている。数値プログラムで高水準の品質を保ちマニュアル化できるため、若手や女性の雇用拡大も期待できる。加工時間は約1/10に短縮された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性創業以来の省力・省エネ機械の研究開発と、修理保守からの課題解決の経緯が連続しており、内製化投資もその延長として位置付けられている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性多機能型搬送システムは他社未開発で業界トップシェアの可能性があると述べ、自社の設計・組立力を強みとして示している。
  • 4
    課題の認識と解決外注依存によるコスト・時間の課題を認識し、加工時間1/10短縮や売上伸長、ほぼ100%内製化で解決している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    地域経済への波及山口県の企業として地域に立地しているが、地域の特性を活かした付加価値創出や地域経済への波及についての記述は薄い。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来の省力・省エネ機械の研究開発と、修理保守からの課題解決の経緯が連続しており、内製化投資もその延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    多機能型搬送システムは他社未開発で業界トップシェアの可能性があると述べ、自社の設計・組立力を強みとして示している。

  • 課題の認識と解決4

    外注依存によるコスト・時間の課題を認識し、加工時間1/10短縮や売上伸長、ほぼ100%内製化で解決している。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工時間1/10程度、プログラム作成時間の大幅短縮などの目標を示しているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は見当たらない。

  • 事業を進める体制3

    従業員20名の体制で、設計・組立を自社で行ってきた実績と、3D CADデータ活用の技術基盤があることが示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車部品メーカーに加え他業種からの新規受注が増え、装置全体の製作依頼も増えている事実が顧客ニーズの裏付けとなる。

  • 事業化までの道筋3

    内製化により試作を社内で繰り返せる体制を整えたと述べ、今後の自社製品開発・海外展開の方向性も示している。ただしスケジュールは詳述されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    多機能型ロボット搬送システムは他社未開発で、高精度・短納期の特殊鋼加工を実現する点で同分野の中で差別化されている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    自動車部品製造の省力化・無人化に寄与する設備の開発であり、新規受注や雇用拡大の期待にも触れている。

  • 費用対効果3

    加工時間1/10短縮や休日出勤・残業の低減による人件費削減が示され、費用対効果の方向性は読み取れる。ただし投資額との定量比較はない。

  • イノベーションへの貢献3

    3D CADデータの流用やCAM連携、無人運転による省力化など、デジタル技術を用いた生産工程の改善が示されている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    自動車部品の下請け依存から脱却し、自社製品の開発で新市場へ挑戦する方針を述べており、産業構造の転換に通じる。

  • 地域経済への波及2

    山口県の企業として地域に立地しているが、地域の特性を活かした付加価値創出や地域経済への波及についての記述は薄い。

今後の展望

今後は依存体質の下請けから脱却し、顧客ニーズを先取りした自社製品の開発・販売を通じて、国内および海外の新市場への挑戦を行う予定である。

  • 目標:加工エリアが1530×700mm

事業者の声

ビジョンを明確にしたストーリー性のあるものづくりを強化することができました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。