ものづくり補助金平成28年度製造業愛媛県

「糀だけで作った甘酒」常温ストレートタイプの生産ラインの確立

義農味噌株式会社

この事例のポイント

  • 国内の味噌消費量は年々縮小傾向にあり、長年の味噌製造で培ったノウハウを生かす新たな商品を模索していた。
  • 熱交換器を導入し、甘酒を急速に加熱・殺菌した後に急速冷却できるようにした。
  • 甘酒ストレートタイプの製造ラインが確立され、味や色味といった製品品質と、顧客要望であったペットボトルでの提供を満たせるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名義農味噌株式会社
所在地愛媛県 愛媛県伊予郡松前町
業種食料品製造業
従業員数75人
資本金1,000万円
設立1973年

事業の背景

1953年(昭和28年)に創業し、「ギノーみそ」の名称で地域で高い知名度を築いてきた。主力は麦みそや即席みそ汁、ドレッシングなどである。国内の味噌消費量は年々縮小しており、新たな商品の製造を模索していた。そうした中、「糀だけで製造した甘酒」がテレビや雑誌で疲労回復に効果があると取り上げられ、需要が高まって全国的な品薄状態になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術国内の味噌消費量は年々縮小傾向にあり、長年の味噌製造で培ったノウハウを生かす新たな商品を模索していた。
  • 生産能力糀だけで製造する甘酒の製造ノウハウはあったものの、常温ストレートタイプを生産するための設備が揃っていなかった。
  • 生産能力甘酒は全国的に品薄の状態が続き、需要に十分に応えられる生産体制が整っていなかった。

やったこと

熱交換器を導入し、甘酒を急速に加熱・殺菌した後に急速冷却できるようにした。これにより味や色の変化を防げるようになった。金属検出器を導入し、既存設備では不十分だったペットボトル入り製品の金属検出検査を可能にした。さらにX線検査装置を導入し、異物検査を自動で行えるようにした。国産原料を使用し、添加物を使用しない商品として製造することを決めた。

加工機熱交換器
検査測定金属検出器
検査測定X線検査装置

新しい製品・サービス:糀だけで製造した甘酒(常温ストレートタイプ)

事業の効果

甘酒ストレートタイプの製造ラインが確立され、味や色味といった製品品質と、顧客要望であったペットボトルでの提供を満たせるようになった。取引先に提案した結果、量販店や産直市での販売が決まった。平成31年度以降に計画していたご当地米を使った産直市オリジナル甘酒も前倒しで製造・販売が決まった。甘酒内の菌数が安定せず、通年での常温保存はまだ実現できていない。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和28年創業で味噌の長年の製造ノウハウを生かし新商品を模索したとあり、過去の取組との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    糀だけの甘酒が全国的に品薄で需要が高まっていることを踏まえ、国産原料・添加物不使用の商品とした点が読み取れるが、競争優位の根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    常温保存未達の課題と、ペットボトル提供を満たすラインの確立、量販店や産直市での販売決定が書かれているが、数値目標は示されていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    味噌製造の長年のノウハウを持つ企業で製造部・品質管理課が関わる体制は示唆されるが、人材の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    「飲む点滴」として疲労回復に効果があるとテレビや雑誌で取り上げられた需要や国産・添加物不使用が書かれ、顧客ニーズは読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    通年常温保存の実現に向けて設備投資を継続するという今後の方針が書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    糀だけで製造した甘酒は全国的に稀有とされ、ペットボトルの常温ストレートタイプとして同分野で高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用2

    味噌消費の縮小傾向の中で新商品を模索したとあり、地域の知名度や産直市への拡販にわずかに関連する。国の積極的な理由は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    当地で知名度を持つ企業が、ご当地米を使った産直市オリジナル甘酒を前倒しで製造するなど地域の産品を活用している。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

設備投資を続けて通年の常温保存を可能にし、流通面や売り場確保の制約をなくして全国の農協産直市への拡販につなげる。また、蓄積したノウハウを生かし、市場ニーズに合わせた新商品の開発に取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。