ものづくり補助金平成28年度製造業愛媛県

最新型水引製造設備導入による生産性の向上と高品質製品供給の実現

有限会社東亜染芸

成果赤白水引30cmから240cmの長尺まで段替え時、1ロスのみで切替え可能になった(以前は平均20分かかり、多数のロス水引も出ていた)。

この事例のポイント

  • 取引先からの増産要請と多様化するニーズに対し、現状の製造設備では受注に対応できない状況だった。
  • 取引先の増産要請とニーズの多様化に対応するため、最新型水引製造設備を自社カスタマイズで導入した。
  • 赤白水引30cmから240cmの長尺まで段替え時、1ロスのみで切替え可能になった(以前は平均20分かかり、多数のロス水引も出ていた)。段替えのロスが大幅に減り、切替えが短時間で済むようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社東亜染芸
所在地愛媛県 四国中央市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野製造環境
従業員数6人
資本金1,000万円
設立1979年

事業の背景

水引(和紙をこより状にした紙紐を染色コーティングしたもの)を100%国産材料で30年超製造してきた。水引製品は機械化・自動化が難しい労働集約的なニッチ市場で、大手が参入しにくい分野だった。近年は冠婚葬祭の簡素化や人口減少、安価な海外製品の進出により需要が減少している。一方で流通業界の再編や食品関連・手芸業界など新たな市場での水引利用が高まり、受注数量は増加していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力取引先からの増産要請と多様化するニーズに対し、現状の製造設備では受注に対応できない状況だった。
  • 人手・技能従業員の高齢化や退職による要員不足が続いていた。
  • 生産能力現行設備は老朽化しており、量産と短納期化が難しかった。
  • 品質・精度機械化と品質向上を図る必要があった。

やったこと

取引先の増産要請とニーズの多様化に対応するため、最新型水引製造設備を自社カスタマイズで導入した。従来は①ロール状の紙紐125本を機械へ流す→②糊付け乾燥→③染色乾燥→④コーティング乾燥→⑤裁断→⑥手作業での整頓の工程だったが、新設備では裁断の前に手作業で行っていた「収束シール接着」を自動化した。

加工機最新型水引製造設備(自社カスタマイズ)

新しい製品・サービス:「金赤水引」の製造に着手する計画。全国でも製造する業者が少ない製品で、神社のお札や門松などで需要が多い。

事業の効果

  • 赤白水引30cmから240cmの長尺まで段替え時、1ロスのみで切替え可能になった(以前は平均20分かかり、多数のロス水引も出ていた)。
  • フロアの人員 3人→2人
  • 120cm以上の水引は従来中付けを外注していたが、90%以上を内製化できた。

段替えのロスが大幅に減り、切替えが短時間で済むようになった。人員が3人から2人に減り、経験が少なくても品質が安定するようになった。出来高が数字で把握できるため計画が立てやすくなり、納期短縮や大量注文に対応できるようになった。120cm以上の水引も90%以上を内製化でき、品質安定に寄与している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    30年超にわたり100%国産材料で水引を製造してきたことが書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    冠婚葬祭の簡素化や海外製品の進出で需要が減る一方、流通・食品・手芸業界で受注が増えたと外部環境と強みに触れている。

  • 課題の認識と解決4

    老朽化と従業員高齢化による要員不足を課題として挙げ、自動化で高付加価値化・受注拡大につなげる計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値創出や賃上げの目標値は書かれていない。出来高の数字表示や30cmから240cmの切替など、生産面の数値のみ読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    フロア人員を3人から2人にした一方、中付け専門人員が不要になったことは書かれているが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    品質や色相に応えられる水引を開発し、海外製品と差別化した高品質製品を供給できる点や金赤水引の需要が示されている。

  • 事業化までの道筋4

    導入後は安定稼働となり、受注前の下準備や季節需要を見込んだ計画生産、金赤水引の製造着手という段階的な進め方が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    水引は一般的な普及が進んでいない分野で、全国でも製造する業者が少ない金赤水引の製造に着手する計画が書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    水引の伝統産業の下支えや雇用促進に触れているが、川上・川下への波及効果の具体的な数字や根拠は薄い。

  • 費用対効果4

    段替え時のロスが平均20分から1ロスのみになり、人員を3人から2人に削減した点など、費用対効果を示す数字がある。

  • イノベーションへの貢献2

    自動化による機械化・内製化は書かれているが、先端的なデジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    新たな市場への進出や受注増加はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述はない。

  • 地域経済への波及4

    愛媛県四国中央市で30年超の製造を続け、地域の伝統産業の下支えや雇用促進に取り組むことが書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

安定稼働となったため、今後は受注前の下準備を行い、季節需要を見込んだ計画生産で生産効率化と受注量の拡大に取り組む。また、高品質製品の供給が可能になったことを受けて「金赤水引」の製造に着手したい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。