ものづくり補助金平成28年度製造業愛媛県

無線綴じ技術高度化による着色加工紙製品製造プロセス改善

エヒメ紙工株式会社

成果生産能力 1,000冊/時→3,200冊/時

この事例のポイント

  • 無線綴じ加工の工程で、原紙積みに時間がかかり、糊の乾燥にも時間がかかり、糊の塗着量が安定しないなど手作業中心のため、生産効率が上がらなかった。
  • 最新鋭の全自動無線綴機と全自動マーブル貼り機を導入した。
  • 生産能力 1,000冊/時→3,200冊/時。設備導入により生産能力が大幅に増大し、無線綴じ加工を1名で担えるようになったため、2名を他作業に配置転換できた。

事業者のプロフィール

事業者名エヒメ紙工株式会社
所在地愛媛県 四国中央市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野機械制御
従業員数55人
資本金1,000万円
設立1981年

事業の背景

当社は染色紙メーカーとして、色画用紙や折り紙(自社ブランド「アイアイ」)、特殊染色紙などの紙製品を製造してきた。国内に加え、アメリカやブラジルなど海外へも輸出している。無線綴じ加工は職員3名で1000冊/時が精一杯で、短納期ニーズに応えきれない状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力無線綴じ加工の工程で、原紙積みに時間がかかり、糊の乾燥にも時間がかかり、糊の塗着量が安定しないなど手作業中心のため、生産効率が上がらなかった。
  • 集客・繁閑生産能力の制約から短納期の受注ニーズに柔軟に応えられず、慢性的に受注機会のロスが生じていた。

やったこと

最新鋭の全自動無線綴機と全自動マーブル貼り機を導入した。全自動無線綴機は製本サイズB4〜A6に対応し、処理速度は3,200冊/時である。設備導入にあたり、作業場の間仕切りの設置、作業者の環境整備、ホコリや粉じんなどの対策を同時に行った。導入装置はタッチパネルによる簡略化された操作方法とし、経験の浅い職員でも加工業務を担当できるようにした。

加工機全自動無線綴機
加工機全自動マーブル貼り機

事業の効果

  • 生産能力 1,000冊/時→3,200冊/時
  • 作業人員 3名→1名
  • 不良品発生率 2%→0.5%

設備導入により生産能力が大幅に増大し、無線綴じ加工を1名で担えるようになったため、2名を他作業に配置転換できた。自動無線綴機は専用糊を使い糊の過不足による不良品が減り、糊の乾燥不良や糊付け不良も激減して、不良品発生率は2%から0.5%に下がった。生産性と品質が高まったことで、効率的な生産と新商品の企画製造が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    染色紙メーカーとして色画用紙や折紙を長年手がけ、染色技術を生かす形で無線綴じ設備導入と天糊商材の売上増を計画しており、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    アスクルやカウネット経由の通販が約25%、アマゾン等のネット販売が約15%あり、顧客から増産依頼が出ている点を踏まえ、販路と生産力の強みを活かす方針が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    原紙積みや糊の乾燥、糊量の不安定さという課題を具体的に挙げ、不良品発生率を2%から0.5%に下げ、受注機会のロス解消につなげた経緯が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産量を3200冊/時、担当人員を3名から1名へと数字で示しているが、付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    担当の常務取締役と連絡先は示されているが、事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は限られている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは通販業者、大手量販店、100円ショップ等と明示され、独自の防滑紙による机上で滑らない優位性や顧客からの増産依頼も記載されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の活動予定として通販増加や新規開拓が触れられているが、遂行スケジュールや課題の解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    独自の樹脂塗工による防滑紙と100色の折紙ラインナップという特色はあるが、普及度や高価格化の水準を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    人員の配置転換は書かれているが、新たな雇用創出や川上川下への波及効果など、国が補助する積極的理由はうかがえない。

  • 費用対効果3

    生産能力が1000冊/時から3200冊/時に増え、不良率も2%から0.5%に改善したと数字で示されているが、補助額に対する費用対効果は記載がない。

  • イノベーションへの貢献2

    無線綴じの自動化やタッチパネル操作は記載されているが、先端的なデジタル技術や新しいビジネスモデルへの言及は見当たらない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    市場成長分野への進出や日本経済の構造転換に関する記述は見当たらず、紙製品の生産効率化が中心に書かれている。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

これまで受注機会を逃していた通販やネット販売からの受注増を図るとともに、顧客からの増産依頼に応じる体制を整える。生産能力に余裕を持たせ、新たな顧客からの商品企画・製造の受注など新規開拓も積極的に進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。