ものづくり補助金平成28年度製造業高知県

高性能スリッター機を導入した品質・生産性向上、コストダウンの実現

フソー化成株式会社

成果最大スピード 400m/分→500m/分

この事例のポイント

  • スリット能力が全く不足しており、特にベビー用紙おむつバックシート用の受注に対応できず機会損失が生じていた。
  • 高性能スリッターワインダー(片岡機械製作所製、SL-KE80、2軸2段巻き取り型)を導入した。
  • 最大スピード 400m/分→500m/分。導入したスリッターにより、テンションを均一に保ちながら高速でカットできるようになり、作業効率が飛躍的に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名フソー化成株式会社
所在地高知県 高岡郡日高村
業種印刷・同関連業
技術分野機械制御
従業員数47人
資本金500万円
設立1967年

事業の背景

当社は60年続くグラビア印刷の会社で、ベビー用紙おむつのバックシートに使う極薄の梨地エンボスポリエチレンフィルムへの印刷を行っている。グラビア印刷はテンションや熱による収縮が大きく制御が難しく、職人のスキルを要する高難度の印刷である。紙おむつの需要は伸びており、特に大人用紙おむつや海外需要が拡大している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力スリット能力が全く不足しており、特にベビー用紙おむつバックシート用の受注に対応できず機会損失が生じていた。
  • 品質・精度梨地エンボスポリエチレンに対応できる機械は1台のみで、精度とスピードが十分でなかった。
  • 人手・技能テンション制御のためスピードを落とし、ベテラン職人が常時監視する必要があり人的労力が大きかった。
  • 品質・精度年間3%ほどの不良品が発生し、テンションの不均一が原因と考えられるクレームがあった。
  • コスト・採算1台のスリッターで複数製品をカットしており、段取り替えに時間がかかっていた。

やったこと

高性能スリッターワインダー(片岡機械製作所製、SL-KE80、2軸2段巻き取り型)を導入した。最大スピードは500m/分で、可動式カッター刃により様々なサイズ幅にカットできる。バックシート専用機とし、従来機をサブとして使うことで段取り替えの時間を大きく削減した。テンションの変動が少なく均一に巻き取れ、やわらかく伸びやすい素材のカットに優れる。

加工機2軸2段巻き取り型スリッターワインダー SL-KE80

事業の効果

  • 最大スピード 400m/分→500m/分

導入したスリッターにより、テンションを均一に保ちながら高速でカットできるようになり、作業効率が飛躍的に向上した。巻き途中のテンション変動が少なく製品の品質が向上し、取引先の生産ラインの不具合やクレームもなくなって信頼を得た。段取り替えの時間も大きく削減された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去にグラビア印刷の技術力が評価され受注に至ったと記載があり、紙おむつ需要増に応じたスリッター増設が位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    紙おむつ使用期間の長期化や大人用需要の伸びなど市場変化を踏まえ、極薄梨地フィルム対応の技術力を強みとして示している。

  • 課題の認識と解決4

    スリット能力不足で機会損失が生じ、年間3%の不良品とクレームが課題と明示され、新スリッターで解決する計画になっている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    最大スピードが400m/分から500m/分になることと、5年後にバックシート売上を導入時の2倍にする目標が数字で示されている。

  • 事業を進める体制2

    47名の従業員数と既存スリッター3台の保有は読み取れるが、補助事業を遂行する体制や人材の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ベビー用紙おむつバックシート向けに、通気性を確保する極薄梨地エンボスフィルムへの対応という製品価値と顧客ニーズが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    段取り替え時間の削減や従来機のサブ利用など運用方法は示されているが、スケジュールや中長期の検証内容は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    バックシートの市場シェアは1.2%程度で潜在的マーケットは膨大とされ、同分野で高水準の技術を持つ点がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    紙おむつ市場の拡大や海外需要の伸びに触れているが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果3

    最大スピードが約1.25倍になり作業効率が飛躍的に向上したとあるが、補助金額に対する付加価値額の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    テンション制御に秀でた高性能スリッターの導入は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    高知県日高村の事業者であることは読み取れるが、地域の経済成長や雇用創出への牽引について具体的な記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

紙おむつ市場は拡大傾向にあり、当社のバックシートのシェアは1.2%程度で潜在的なマーケットは大きいと考えている。5年後にはバックシートの売上をスリッター導入時の2倍にすることを目指す。

  • 目標:年間3%ほどの不良品が発生していた

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。