ものづくり補助金平成28年度製造業長崎県

密閉式塗装ブースの導入による品質向上及び生産性向上の実現

株式会社日本ベネックス

この事例のポイント

  • 溶接作業で発生する粉塵・ゴミや浮遊物が塗装ブースの局所排気装置に引き込まれ、塗装作業に大きな影響を及ぼしていた。
  • 工場一棟の中に機械加工・溶接作業場・塗装作業場が併設されている中で、溶接の粉塵やゴミが塗装ブースに入り込む問題に対応するため、密閉式塗装ブースを導入した。
  • 密閉式塗装ブースの導入により、美装品のゴミ付着による塗り直しがなくなり、塗装工数が短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社日本ベネックス
所在地長崎県
業種金属製品製造業
技術分野製造環境
従業員数130人
設立1966年

事業の背景

1957年の創業以来、精密板金加工技術を基盤に、電気・電子機器や産業機器などを幅広く製造してきた。設計から製造まで一貫生産を行い、九州最大級の加工能力を有する。環境エネルギー事業では太陽光発電所の設計・施工と自社発電所の運営を行い、屋根借りメガソーラーは国内1〜4位を独占し、FIP太陽光発電所では国内1位の発電容量を誇る。半導体関連製品をはじめ一部板金製品で塗装外観の品質要求が高まり、表面へのわずかなゴミの付着も不適合となる製品が増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度溶接作業で発生する粉塵・ゴミや浮遊物が塗装ブースの局所排気装置に引き込まれ、塗装作業に大きな影響を及ぼしていた。
  • 品質・精度塗装面へのわずかなゴミの付着でも不適合となる製品が増えており、粉塵の侵入を防ぐことができなかった。
  • 生産能力顧客の要望に応えるため塗り直しの作業が頻発し、塗装工程がボトルネックになっていた。

やったこと

工場一棟の中に機械加工・溶接作業場・塗装作業場が併設されている中で、溶接の粉塵やゴミが塗装ブースに入り込む問題に対応するため、密閉式塗装ブースを導入した。これまでも溶接場と塗装場の間に仕切りを設置するなどの取り組みを行ってきたが、粉塵の侵入を防ぐことはできなかった。密閉式の構造によりゴミの付着問題が一気に解決し、塗り直しがなくなった。

事業の効果

密閉式塗装ブースの導入により、美装品のゴミ付着による塗り直しがなくなり、塗装工数が短縮された。塗装工程のボトルネックが解消されて工場全体の生産効率が向上した。一貫生産の強みがさらに強化され、顧客ニーズである品質、価格、納期への対応力が向上したことが確認された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決ゴミ付着による塗り直しが頻発していた課題を特定し、密閉式ブースで塗り直し作業の解消と工場全体の生産効率向上につなげている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業化までの道筋今後も密閉式塗装ブースのような施設を導入する方針はあるが、遂行方法やスケジュールは書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    溶接場と塗装場の仕切り設置など過去の取組が書かれ、密閉式塗装ブース導入が一貫した改善の流れに位置づくことはうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客の品質要求の高まりと九州最大級の加工能力に触れ、品質・納期対応力の強化が競争力につながると読み取れる。ただし市場分析の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    ゴミ付着による塗り直しが頻発していた課題を特定し、密閉式ブースで塗り直し作業の解消と工場全体の生産効率向上につなげている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    塗り直しに使っていた時間が1ヶ月間で数値的に示されているが、目標値は明示されず、高付加価値化の目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制ー

    公開情報では判断できません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    不適合となる製品の増加や顧客の品質要求への対応が書かれ、ニーズの裏付けはあるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後も密閉式塗装ブースのような施設を導入する方針はあるが、遂行方法やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    塗装外観の品質要求は高まりつつあるとあるが、分野の普及度や高付加価値化の水準についての記述は少ない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    太陽光発電所の設計・施工や半導体関連製品への対応に触れるが、波及効果や雇用創出についての記述はない。

  • 費用対効果3

    塗り直し時間の削減と生産効率の向上が書かれ、費用対効果への言及はあるが、投入額や付加価値額の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    密閉式ブースの導入で一貫生産を強化したとあるが、デジタル技術や新しいビジネスモデルの記述はない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    九州最大級の加工能力や地域での事業展開がうかがえるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

今後の展望

今後も密閉式塗装ブースのような施設を積極的に導入し、全体の更なる品質向上や工数短縮を目指す。顧客の高度な要求に応えられる体制や設備を整えることで、未参入の分野にもチャレンジしていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。