ものづくり補助金平成24年度埼玉県

金型用圧縮バネ等の電着塗装化の試作と小型・多色対応可能な専用設備の開発

旭パーカライジング株式会社

この事例のポイント

  • スプレー塗装では塗装膜の厚みにばらつきが出て、取引先から一定の膜厚で塗装できないかと要望が出ていた。
  • 水溶性の塗料に電気を流して金属の代わりに塗料を付ける、めっきと同じ原理の電着塗装を導入した。
  • 電着塗装により膜厚が一定になり、色も鮮やかに仕上がるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名旭パーカライジング株式会社
所在地埼玉県 八潮市
業種金属製品製造業
技術分野切削加工
従業員数40人
資本金1,000万円
設立1935年

事業の背景

旭パーカライジング社は、主としてプレス金型や鋳造金型に仕込む圧縮バネや空圧機器部品の塗装を行っている。金型用バネは塗装の色で強さ(荷重に対するバネのたわみ具合)を示しており、同社が塗装する色は11種類ある。従来は手作業のスプレー塗装と、機械を使う自動の粉体塗装で処理していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度スプレー塗装では塗装膜の厚みにばらつきが出て、取引先から一定の膜厚で塗装できないかと要望が出ていた。
  • 品質・精度膜厚が違うとバネが密着するように荷重をかけたときの長さ(密着長)が変わり、特に小さく巻いた細かいバネで差が大きく出ていた。
  • 人手・技能大きくて重いバネを扱う作業員の負担が増えることも課題だった。
  • 品質・精度自動の粉体塗装は塗料の粒が大きく膜厚も厚くなってしまうため、膜厚の問題を解決できなかった。
  • 人手・技能本来の色が薄く手塗りが難しい黄色や、赤色は手作業での塗装に頼っており、取引先から密着長が満足できないと言われていた。

やったこと

水溶性の塗料に電気を流して金属の代わりに塗料を付ける、めっきと同じ原理の電着塗装を導入した。バネを塗料に漬けておく時間と電圧で膜厚をコントロールできるようにした。小型カラー電着装置を開発し、本来の色が薄く手塗りが難しい黄色と、取引先から密着長が満足できないと言われていた赤色に電着塗装を施した。2013年からアニオン電着塗装を開始した。

加工機小型カラー電着装置

新しい製品・サービス:小型カラー電着装置

事業の効果

電着塗装により膜厚が一定になり、色も鮮やかに仕上がるようになった。密着長の差が小さくなり、注文が一時途絶えていたサイズの製品も復活させることができた。大きく重いバネを扱う作業員の負担も軽減された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    従来のスプレー・粉体塗装の課題から電着塗装導入に至った経緯がうかがえるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    取引先から膜厚ばらつきや密着長の不満が出ていたことが書かれるが、市場動向や競争優位の記述はない。

  • 課題の認識と解決4

    膜厚ばらつき・密着長の差異という課題を認識し、アニオン電着塗装の導入で一定膜厚を実現した点が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    膜厚や密着長の改善は書かれるが、付加価値額や賃上げの数値目標は記載されていない。

  • 事業を進める体制2

    小型カラー電着装置の開発や作業員負担の課題は書かれるが、人材・事務体制の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    取引先から膜厚・密着長の要望があり、電着塗装で色鮮やかな仕上がりと一定膜厚を実現したと具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    2013年の電着塗装開始や今後の黒色挑戦の意欲は書かれるが、スケジュールや課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    手作業・粉体では難しかった黄色・赤色の電着塗装を実現し、従来絶えていた製品を復活させたと書かれている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果2

    密着長の改善で注文が回復したことはうかがえるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    電着塗装という新工法の導入は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は記載されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    八潮市での事業と地域の記述はあるが、地域の特性を活かした雇用創出や経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はアニオン電着で黒色に挑戦する意欲を示している。新しいつや消し材の発売により、これまで難しかった黒色の半つや仕上げができるようになった。

事業者の声

今後はアニオン電着で黒色に挑戦してみたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

東京都平成24年度

マザーマシンの中核を担う最高級精度の部品加工

熟練社員の作業を標準化し、高付加価値作業の継承を確実に行うため、対話式NC装置を搭載した株式会社アマダマシンツール製『TECHSTER-6…

効果:非熟練者でも平行度0.02mm以内及び平面度0.02mm以内の寸法精度を出せるようになった。

山梨県平成24年度

アルミダイカスト高真空鋳造技術の開発

セラミックフィルターの採用による溶湯の清浄化、溶湯保持状態での脱ガス処理の改善、真空ダイカスト法の採用と改善を行った。

効果:歩留り 55%→90%

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。