ものづくり補助金平成28年度製造業長崎県

胡麻豆腐の製造工程効率化と海外販路拡大

有限会社法本胡麻豆腐店

成果生産量 2,400個/日→4,800個/日

この事例のポイント

  • 従来の蒸気殺菌工程は製品の仕上がりにばらつきがあり、高温多湿の重労働環境に加えて人手不足で生産体制の確立も危ぶまれていた。
  • レトルト殺菌装置を導入し、殺菌工程を内製化した。
  • 生産量 2,400個/日→4,800個/日。レトルト殺菌装置の導入により製造期間が7日から3日に短縮され、生産性は2倍以上に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社法本胡麻豆腐店
所在地長崎県 佐世保市
業種食料品製造業
技術分野機械制御,材料製造プロセス,製造環境,複合・新機能材料
従業員数14人
資本金300万円
設立1975年

事業の背景

法本胡麻豆腐店は長崎の胡麻豆腐の専門店で、本葛100%の胡麻豆腐や砂糖を用いたデザート感覚の品など多くの商品を揃えている。全商品が保存料・着色料を使わない無添加である。すでに海外の複数都市と取引があるが、バイヤーからは賞味期限の延長が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の蒸気殺菌工程は製品の仕上がりにばらつきがあり、高温多湿の重労働環境に加えて人手不足で生産体制の確立も危ぶまれていた。
  • 品質・精度レトルト殺菌加工は外部委託しており、委託先の稼働状況によって納品の遅れや従業員の残業が生じていた。
  • 新製品・新技術すでに取引のある海外都市のバイヤーから賞味期限延長の要望があり、それに応えたい状況だった。
  • 品質・精度生産時の加熱・煮込み工程で工場内の温度が異常値を計測しており、作業環境の改善も必要だった。
  • コスト・採算解凍時に沸騰したお湯に30分くぐらせなければ品質が低下するため、手間から販売量を拡大できずにいた。

やったこと

レトルト殺菌装置を導入し、殺菌工程を内製化した。これにより委託先の都合に左右されていたスケジュールに対応できるようになり、製造量も自社工場の稼働状況に合わせて調節できるようになった。また、品質を保ちつつ賞味期限を延長するため急速冷凍装置を導入した。急速冷凍により、通常の解凍方法で凍結前と変わらない品質・うまみの胡麻豆腐を提供できるようになった。

加工機レトルト殺菌装置
加工機急速冷凍装置

事業の効果

  • 生産量 2,400個/日→4,800個/日
  • 海外販路(都市数) 6都市→12都市
  • 製造期間 7日→3日

レトルト殺菌装置の導入により製造期間が7日から3日に短縮され、生産性は2倍以上に向上した。加熱・煮込み工程を装置内で同時に行えるようになったことで工場内の温度異常がなくなり、作業環境と従業員の負担が改善した。急速冷凍装置の導入により海外との取引が6都市から12都市に広がり、常温で1年間の賞味期限も実現した。社長が商談に出向けるようになったことで、地域ごとの好みを新商品に活かす好循環も生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は蒸気殺菌工程を外部委託し、納品遅れや残業が生じていたと書かれ、内製化による過去課題からの流れは読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外バイヤーからの賞味期限延長の要望や、海外都市が6から12へ広がった点から市場動向は読めるが、競争優位性への言及は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    委託による納期遅れ・残業という課題を認識し、レトルト装置導入で製造期間7日が3日、生産性2倍以上(2,400個から4,800個/日)と数字で成果が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量2,400個/日から4,800個/日へ、製造期間を4日短縮と具体的な目標と実績が示されており、付加価値向上の数字は直接的ではないが実現性は高く読める。

  • 事業を進める体制2

    従業員14名の規模と社長が商談に出向けるようになった点はうかがえるが、補助事業の遂行体制について具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    無添加や長崎胡麻の品質、海外バイヤーからの賞味期限延長ニーズ、急速冷凍で常温1年の賞味期限実現など、製品価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    レトルト装置の導入と急速冷凍装置の導入という段階的な取組は読み取れるが、中長期の検証やスケジュールの記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    長崎胡麻とうふは専門店の商品で、常温1年保存の無添加胡麻豆腐という点で新しさはあるが、普及度や高水準化の数字的根拠は限られる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外販路の拡大や従業員の負担軽減、人手不足対策への言及はあるが、地域経済波及や雇用創出の記述は明示されていない。

  • 費用対効果3

    生産性2倍以上、製造期間4日短縮という効果は示されるが、補助金投入額との対比による費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    急速冷凍やレトルト殺菌の導入は書かれるが、デジタル技術の活用や地域・サプライチェーンへの貢献モデルは明確ではない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    長崎発祥の胡麻豆腐を海外へ広げる点は地域特性の活用とうかがえるが、雇用創出や地域経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。