ものづくり補助金平成28年度学術研究、専門・技術サービス業大分県

非破壊検査の現場を安全かつ費用対効果に貢献するドローンの導入

株式会社テクノコンサルタント

成果調査から1時間半後には事務所で確認できた

この事例のポイント

  • 打音調査や目視調査、高所作業車を使う調査はいずれも作業者が必要で、今後の人手不足が見込まれる。
  • レーザー測定器を搭載した大型ドローンを導入した。
  • 調査から1時間半後には事務所で確認できた。ドローンとレーザー測定器の導入により、構造物の調査・点検を正確かつ安全に、短期間で実施できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社テクノコンサルタント
所在地大分県 大分市
業種技術サービス業
技術分野測定計測
従業員数27人
資本金1,000万円
設立1980年

事業の背景

同社は測量設計、特に非破壊検査や調査を得意分野としている。コンクリート構造物の耐用年数は50年程度とされ、高度経済成長期に建設された構造物など、その目安を経過した構造物が今後急増する。地震や自然災害も増えており、構造物に対する調査・点検の需要が大きく増えるとみられる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能打音調査や目視調査、高所作業車を使う調査はいずれも作業者が必要で、今後の人手不足が見込まれる。
  • 納期・工程従来の調査手法では時間がかかり、工期短縮による低価格での施工が難しい。
  • 生産能力高度経済成長期に建設された構造物が耐用年数の目安を超えて急増しており、調査・点検の需要に対応しきれない恐れがある。

やったこと

レーザー測定器を搭載した大型ドローンを導入した。導入機はciDrone社製で、一般的なドローンの倍にあたる8枚の羽を備え、10キログラムまでの積載能力がある。測定器はオーストリアRIEGL社製で、1秒間に50万点のレーザー照射が可能であり、樹木や草をすり抜けて地表を見ることができ、構造物の微細な亀裂も把握できる。2017年9月に大分市の大分銀行ドーム周辺で半径500メートル程度のエリアを使った実証実験を行い、得られた大量のデータはDropBoxやグーグルドライブを経由して事務所へ転送した。調査から1時間半後には事務所で確認できたという。一度のフライトで幅800メートルの撮影が可能で、従来の空撮と比べて撮影幅が大幅に広がった。

新しい製品・サービス:水上を探索するドローン(開発中)および新非破壊調査システム、水上ドローンの製造・組み立て・販売を行う工場「西日本ロボット・ドローンセンター」(2019年4月に大分市流通業務団地に新設予定)

事業の効果

  • 調査から1時間半後には事務所で確認できた
  • 一度のフライトで幅800メートルの撮影が可能であり、従来の空撮と比較すると撮影幅が大幅に広がった
  • 1秒間に50万点のレーザー照射が可能

ドローンとレーザー測定器の導入により、構造物の調査・点検を正確かつ安全に、短期間で実施できるようになった。撮影幅が広がって短時間に広範囲のデータを集められるため工期が短縮され、低価格での測定サービス提供につながる。鹿児島県の土器釜の調査や長崎県・福岡県の地滑り現場の調査など、新たな依頼も増えている。人材面では資格取得や研修を進め、即戦力となる人材の育成を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性地下から構造物までワンストップで調査する体制や、2倍の羽を持つ大型ドローンで強い浮力と広範囲撮影を実現する点が強みとして示されている。
  • 4
    課題の認識と解決耐用年数50年を超える構造物の急増という課題に対し、1度のフライトで幅800メートルの撮影を可能にし工期短縮と低価格化につなげている。
  • 4
    事業を進める体制JUIDA認定スクールでの資格取得が平成30年8月時点で12人に達し、講習会や研修にも積極的に参加する体制が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    成長分野への進出水上ドローンや非破壊調査システムの製造を新工場で進める計画が触れられているが、日本経済の構造転換への言及は弱い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    測量設計・非破壊検査を得意分野とし、調査作業用ドローンの導入を積極的に進めてきたと記述があり、既存事業と一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    地下から構造物までワンストップで調査する体制や、2倍の羽を持つ大型ドローンで強い浮力と広範囲撮影を実現する点が強みとして示されている。

  • 課題の認識と解決4

    耐用年数50年を超える構造物の急増という課題に対し、1度のフライトで幅800メートルの撮影を可能にし工期短縮と低価格化につなげている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標3

    1時間半後に事務所で確認できたとし、幅800メートルの撮影で工期短縮と低価格化を見込むが、具体的な付加価値額や賃上げ目標の数値は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    JUIDA認定スクールでの資格取得が平成30年8月時点で12人に達し、講習会や研修にも積極的に参加する体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    老朽化や災害対応で調査点検需要が増えるという背景を示し、鹿児島県や長崎県・福岡県の現場から依頼が来ている事実がある。

  • 事業化までの道筋3

    平成29年9月に大分市で実証実験を行い、31年4月に工場を新設する計画があり、段階的な遂行スケジュールが示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    一般的な測定器では難しい構造物の微細な亀裂を捉える世界トップクラスのレーザー測定器を用い、高水準の調査サービスを提供する点が読み取れる。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用3

    高度経済成長期の構造物の老朽化や災害増加を背景に、人手不足対策や新たな点検需要を生むことが示されている。

  • 費用対効果3

    1秒間に50万点の照射と幅800メートルの撮影で工期を短縮し、低価格での測定サービス提供につながると述べられている。

  • イノベーションへの貢献4

    ドローンとレーザー測定器を組み合わせ、壁面ドローンや水上ドローンも加えて構造物点検を各分野へ広げる構想があり、新技術の活用が明確。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    水上ドローンや非破壊調査システムの製造を新工場で進める計画が触れられているが、日本経済の構造転換への言及は弱い。

  • 地域経済への波及3

    大分市の流通業務団地に工場を新設し、地元で人手不足対策にも貢献するとしており、地域の雇用や事業展開に関わる。

今後の展望

ドローンを使った効率的な検査方法の確立を目指し、構造物の点検にとどまらず各分野へ事業を広げたいとしている。

事業者の声

世界でもトップクラス

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。