ものづくり補助金平成25年度学術研究、専門・技術サービス業石川県

実証実験による熱・流体解析の精度向上を実現した設計技術の確立

株式会社アルパイン設計事務所

この事例のポイント

  • 熱・流体解析には難解な専門知識が必要で、機械設計者には扱いが難しい。
  • クリーンルーム内の空気の流れと微粒子挙動の解析を例に、解析精度の向上に取り組んだ。
  • 当初は解析結果の一部が実験と一致しなかったが、格子生成の調整と乱流モデルの選定を最適化したことで、実験結果と解析結果がほぼ一致するまで精度を大きく高められた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アルパイン設計事務所
所在地石川県 金沢市
業種技術サービス業
技術分野情報処理
従業員数65人
資本金3,700万円
設立1986年

事業の背景

熱・流体解析は開発期間の短縮や設計品質の向上に役立つが、構造解析に比べて普及していない。難解な専門知識が必要なことや、複雑な装置の流体部と固体部を含めたモデル化に時間と技術を要することが背景にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能熱・流体解析には難解な専門知識が必要で、機械設計者には扱いが難しい。
  • コスト・採算解析ソフトウェアが高額で、熱・流体解析を始められない顧客が多い。
  • 品質・精度解析担当者が機械設計経験に乏しいと、モデル作成が目的に沿わず、メッシュ設定や境界条件を適切に決められず、解析結果や解析時間が大きくずれる。
  • 品質・精度大手企業でも解析ソフトを導入しているが、解析結果の実証が難しく十分に活用できていない。

やったこと

クリーンルーム内の空気の流れと微粒子挙動の解析を例に、解析精度の向上に取り組んだ。熱・流体解析ソフトSTREAMを導入し、クリーンルームの実験装置を試作した。給気・排気やクリーンルーム内の流速などを実際の運転条件で設定して流れの解析を行った。実験装置を同じ条件で運転し、トレーサ粒子で気流を可視化し、PIV(粒子イメージ流速計測法)で気流を計測した。解析結果と実験結果を照合し、解析手法を検討・微調整した。

ソフト熱・流体解析ソフトSTREAM
その他クリーンルーム実験装置
検査測定PIV(粒子イメージ流速計測法)計測装置

事業の効果

当初は解析結果の一部が実験と一致しなかったが、格子生成の調整と乱流モデルの選定を最適化したことで、実験結果と解析結果がほぼ一致するまで精度を大きく高められた。また、精度を高めるノウハウを多く蓄積でき、顧客の試作回数の削減や開発期間の短縮、品質向上への貢献が期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    熱・流体解析を設計支援に広げる取組と読めるが、既存事業との関係や過去の取組との一貫性は事例文から明確には示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    熱・流体解析が普及していない市場課題と、顧客の試作回数削減を狙う点は読み取れるが、自社の強みを数値で示す記述は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    熱・流体解析の普及を阻む①〜⑥の課題を具体的に列挙し、試作回数削減・開発期間短縮という解決の方向性も示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、解析精度向上の成果があるのみで目標の実現可能性は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    STREAMの導入やクリーンルーム実験装置の試作、PIV計測など実施体制の一端はうかがえるが、人材や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客の熱・流体解析の敷居が高い課題と、技術サポートという提供価値は読めるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    実験と解析の照合から手法を微調整する方法は示されているが、中長期のスケジュールや今後の課題解決計画は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    熱・流体解析は普及度が低い分野と述べられているが、高付加価値化や高価格化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    開発の生産性向上への貢献は述べられているが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    試作回数の削減や開発期間短縮が目的とされるが、補助金投入額に対する費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    解析とPIV計測を組み合わせた高精度解析手法の確立は、設計技術の革新につながる可能性がうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ものづくり開発の生産性向上に寄与する点はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    石川県金沢市の事業者である点は読めるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。