ものづくり補助金平成29年度製造業岩手県

強度が高く網目幅25㎜と細かく、安全性の高い溶接金網製造の自動化

小岩金網株式会社

成果溶接機台数 6台→7台

この事例のポイント

  • 溶接金網の受注はそのほとんどが多品種少量であり、この多品種少量への対応が大きな課題となっていた。
  • 網目幅25㎜の溶接金網の製造が可能なドイツ・IDEAL社製の自動溶接機を導入した。
  • 溶接機台数 6台→7台。自動溶接機の導入により、溶接点の汚れや歪みが減り、溶接速度が従来の3〜4倍に上がって製品の完成が早まった。

事業者のプロフィール

事業者名小岩金網株式会社
所在地岩手県 奥州市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,精密加工
従業員数29人
資本金1億円
設立1988年

事業の背景

当工場は溶接金網の専門工場で、現在の主力製品はフェンス等に用いられる溶接金網である。甲子園球場のバックネットも当工場で製造された溶接金網である。近年は園芸用の多種多様なプランターやアート性の高い建築資材などへと用途が広がる傾向にあり、受注はそのほとんどが多品種少量である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力溶接金網の受注はそのほとんどが多品種少量であり、この多品種少量への対応が大きな課題となっていた。
  • 人手・技能既存設備では多品種少量のニーズに応えられず、手作業や従業員の残業に頼らざるを得ず、市場での競争力を失うことも多かった。
  • 新製品・新技術網目幅を細かくして強度を高めた製品の需要が見込まれたため、その需要に対応できる生産体制を整える必要があった。

やったこと

網目幅25㎜の溶接金網の製造が可能なドイツ・IDEAL社製の自動溶接機を導入した。導入に先立ち約1週間、従業員をドイツに派遣して技術を習得させた。当社への納入と設置の際にはIDEAL社の社員が来社し、溶接機の組み立てと技術講習を行い、同時に当社従業員も試作を重ねて確実な操作技術の習得に努めた。この自動溶接機はメッキ線、鉄線、ステンレス線などさまざまな素材や太さの素線に対応でき、網目幅が細かいことから多彩なパターンを組むことも可能である。

加工機ドイツ・IDEAL社製の自動溶接機

事業の効果

  • 溶接機台数 6台→7台

自動溶接機の導入により、溶接点の汚れや歪みが減り、溶接速度が従来の3〜4倍に上がって製品の完成が早まった。段取り替えの時間が大幅に短縮され、製品の歪み補正にかける時間も減少して生産性が向上した。残業時間は導入前に比べ20%削減され、人件費の削減と社員の健康管理や意欲向上につながった。製品の種類は導入前より50種類以上増えて551種となり、多品種生産への対応が前進した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    溶接金網の専門工場として多品種少量対応が課題だったと書かれ、自動溶接機導入は生産体制強化の延長にあるが、中長期の戦略位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    網目幅25mmの製造が国内最高クラスと明記され、フェンス等の需要拡大や強度向上の製品ニーズを踏まえた強みが具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    段取り替えに4時間から1日を要していた課題を示し、溶接スピード3〜4倍、段取り時間の大幅短縮、残業20%削減、製品種類が50種類以上増えて551種となった実績まで書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    溶接スピード3〜4倍、残業時間20%削減、溶接機6台から7台への増設など数値目標に近い成果が示され、実現性が読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    従業員のドイツ派遣や納入時の技術講習、従業員による試作など体制面の記述はあるが、人員配置や事務処理能力は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    甲子園球場のバックネットや園芸用プランター、建築資材への用途拡大など顧客ニーズの裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の技術習得や信頼性確認、今後の市場開拓方針は書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内では最高クラスの網目幅25mm対応の自動溶接機を保有し、小さな網目幅の高付加価値製品に特化している点が具体的に読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    労働災害防止や安全性の高い溶接金網の需要に触れているが、経済波及や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果4

    自動溶接機導入で残業20%削減、段取り時間の大幅短縮、生産性向上と具体的な効果が示されており費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    自動溶接機の導入はあるが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    岩手県奥州市の工場であることや地域のスタジアム製品に触れるが、地域特性を活かした雇用や経済成長への具体的な記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

新しい自動溶接機のおかげで残業が減り、社員の表情もずいぶん明るくなりました

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。