ものづくり補助金平成29年度製造業宮城県

精密加工高度化と工程改善の原価低減による生産用機械器具製造分野への受注拡大

株式会社京浜サプライズ

この事例のポイント

  • これまでは主要取引先から貸与された設備を使って加工していたため、独自の機械を持っていなかった。
  • CNCマシニングセンタを導入し、精密加工の高度化と生産効率の改善に取り組んだ。
  • 超精密加工の水準で独自の検査治具による品質保証が顧客に承認された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社京浜サプライズ
所在地宮城県 角田市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工,精密加工

事業の背景

精密加工業務、輸送用機械器具製造業務など、製造業から物流・サービス業まで12業種に幅広く営業展開している。受注の約70%は自動車関連、約30%は機械設備関連である。今後は航空機部品や医療機器部品にも挑戦したいと考えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力これまでは主要取引先から貸与された設備を使って加工していたため、独自の機械を持っていなかった。
  • 品質・精度モーターブラケットの同軸度を20ミクロン以下の管理寸法で1,000台連続加工する依頼に応えるため、精密加工の高度化が必要だった。
  • コスト・採算生産用機械器具製造分野への受注を拡大するには、生産効率を高めて競合他社とのコスト競争力を強める必要があった。

やったこと

CNCマシニングセンタを導入し、精密加工の高度化と生産効率の改善に取り組んだ。フロアの振動を完全にシャットアウトした測定室を整備し、検査体制も含めて精密加工を追求した。モーターブラケットの同軸度について、20ミクロン以下の管理寸法での1,000台連続加工に対応した。加工プログラムでQCD(品質、コスト、納期)に関する研究を毎日の生産業務の中で行い、品質の安定と工程改善に努めた。機械だけでは精密加工寸法を安定させられないため、公差5ミクロンの検査治具を独自に開発し、クライアントから承認を受けた。この検査治具は1000分の5ミリ以下を実現している。

加工機CNCマシニングセンタ
その他測定室
検査測定公差5ミクロンの検査治具

事業の効果

超精密加工の水準で独自の検査治具による品質保証が顧客に承認された。検査や組立などの幅広い業務展開との相乗効果により、精密加工の図面依頼が別の仕事として多く寄せられている。今後は競合他社とのコスト競争に勝ち、収益をさらに上げることを目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    主要取引先から貸与された設備で加工していた課題を背景に、独自機械の導入で精密加工へ進む流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車関連約70%、機械設備関連約30%の取引構成と、20ミクロン以下の管理寸法での1,000台連続加工の依頼を受けた点から、市場と自社の強みを踏まえた内容が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    20ミクロン以下の管理寸法での1,000台連続加工という課題に対し、CNCマシニングセンタと測定室を整備し、検査治具も開発したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    受注拡大や収益アップへの言及はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は数字で示されていない。

  • 事業を進める体制3

    初めての申請書類を亀谷所長が作成したこと、経験者の採用や技術者育成に触れているが、体制の具体性は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    20ミクロン以下の管理寸法で1,000台連続加工の依頼を受けた明確なニーズと、5ミクロン以下の精度が選ばれる理由として示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は航空機部品や医療機器部品に挑戦したいとあるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    超精密加工の世界では20ミクロンでは笑われるとし、5ミクロン以下での管理を実現した点で、同分野で高水準の高付加価値化を図っていることがうかがえる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    雇用を守り、加工技術者を採用・育成して精密加工のトップメーカーを目指すとあるが、経済波及効果など国が補助する理由は明確ではない。

  • 費用対効果2

    補助金で設備投資し、加工機の追加や測定器充実を進めるとあるが、投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    宮城県角田市の企業で雇用を守る姿勢はうかがえるが、地域の特性を活かした付加価値創出としての記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

平成30年度のものづくり補助金の採択も受け、加工機をもう1台と測定器を充実させて、さらに上を目指す計画である。

事業者の声

補助金という大切なお金を活用させて頂き、雇用を守り、会社を継続させていくことが私の一番の考えです

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。