ものづくり補助金平成30年度製造業静岡県

自社独自仕様の改造NC自動旋盤で生産性向上とコストダウンの実現

細谷精機株式会社

成果対象となる4製品で年間11.8~20.8%の工数削減

この事例のポイント

  • 国内の労働者人口減少による人手不足が進んでいる。
  • 独自仕様の改造NC自動旋盤を設備メーカーと協業して導入した。
  • 対象となる4製品で年間11.8~20.8%の工数削減。独自NC自動旋盤の導入により、最大10工程・作業者10名が1工程・作業者1名となり、対象4製品で年間11.8~20.8…

事業者のプロフィール

事業者名細谷精機株式会社
所在地静岡県 浜松市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工,測定計測
資本金1億円
設立1953年

事業の背景

細谷精機は二輪自動車・船外機等に使う小物切削金属部品の製造、加工、試作を行い、四輪自動車や電子部品、医療部品など多種多品番の製品も納入している。製品精度や単価要求の厳しい業界だが、小ロット・多品種への供給力や刃物形状の形成技術、独自のハイテク検査装置による品質力が評価され多くの受注に対応してきた。一方で国内の労働者人口減少による人手不足、主要顧客からのコストダウン要請の厳化、後継者不足による同業他社の廃業に伴う新規受注の増加が重なっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能国内の労働者人口減少による人手不足が進んでいる。
  • コスト・採算主要顧客からのコストダウン要請が年々厳しくなっている。
  • 生産能力後継者不足による同業他社の廃業で新規受注が増え、生産性の向上が急務となっている。

やったこと

独自仕様の改造NC自動旋盤を設備メーカーと協業して導入した。この設備ではモジュール0.5のアヤメ(凹凸がクロス模様)ローレット加工を自社独自の加工方法で可能にし、従来は人の手で行っていたこの加工を自動化した。加工工程を一貫化し、10工程を1工程に集約した。またワンショット3D形状測定機を導入し、従来正確に測定できなかったローレット凹凸形状を非接触で測定できるようにして、検査工程を高精度化・簡略化し測定数量を増やした。

加工機独自仕様の改造NC自動旋盤
検査測定ワンショット3D形状測定機

事業の効果

  • 対象となる4製品で年間11.8~20.8%の工数削減
  • 工程数 10工程→1工程

独自NC自動旋盤の導入により、最大10工程・作業者10名が1工程・作業者1名となり、対象4製品で年間11.8~20.8%の工数削減につながった。従来は人手加工だったモジュール0.5のアヤメローレット加工が自動化された。ワンショット3D形状測定機により正確に測定できなかった凹凸形状を測定できるようになり、品質保証体制が強化された。既存顧客からの受注増加と新規顧客の確保につながり、生産性とコスト競争力が高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の取組との連続性は書かれておらず、「経営環境の変化に柔軟に対応」「供給体制の整備」が一般的に述べられているにとどまる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    小物切削部品の小ロット・多品種対応力や刃物形状形成技術、独自検査装置による品質力を強みとして挙げ、受注増加の背景も具体的。

  • 課題の認識と解決5

    人手不足・コスト削減・受注増加を課題として明示し、10工程→1工程集約、工数11.8~20.8%削減という数字つきで解決策を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    工数削減11.8~20.8%、対象4製品という具体的数値は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社長の取材はあるが、人材配置や事務処理体制、補助事業の遂行管理体制については記述がない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客の細かな注文変化への対応や新規受注獲得は書かれるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    マニュアル化や高齢者でも対応できる体制づくりなど今後の方向性はあるが、スケジュールや課題解決の方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ローレット加工の高精度化は独自性があるが、分野の普及度や高付加価値化の水準を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    人手不足や後継者不足による同業他社の廃業など社会的背景はうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果3

    工数削減率は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ワンショット3D形状測定機による非接触検査は先端的だが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    浜松の地域性や地域経済への波及効果には触れておらず、地域の特性を活かした記述はわずかにうかがえるのみ。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

人手不足や高齢化、働き方改革等の変化に対応するため、機器類の操作をマニュアル化・簡略化し、少人数や高齢者でも従事できる体制づくりなど効率的なシステム構築に注力する。また社員が働きやすい職場づくりを進め、企業と社員の持続的成長を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。