ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

大型タレットパンチプレス機によるライン再構築で工期短縮・品質向上

ケーズメタル株式会社

成果不良率 7%→2%

この事例のポイント

  • 既存設備では板材の厚さや大きさによって把持金具の位置を変える掴み換え作業が発生し、稼働率を低下させていた。
  • 本事業で大型タレットパンチプレス機「アマダ社製CNCタレットパンチプレス EMK3612M2」を導入した。
  • 不良率 7%→2%。工程統合により抜き工程とタップ・穴工程を一体化し、リードタイムが削減されて想定以上の結果となった。

事業者のプロフィール

事業者名ケーズメタル株式会社
所在地富山県 高岡市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工,接合・実装
従業員数26人
資本金2,300万円
設立2005年

事業の背景

当社は平成17年創業の富山県内の新しい薄板板金加工メーカーで、各種機械装置の製作・組み立てを手掛けている。資本金は平成26年に2,300万円に増資し、28年に株式会社に組織変更した。従業員は26人である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存設備では板材の厚さや大きさによって把持金具の位置を変える掴み換え作業が発生し、稼働率を低下させていた。
  • 品質・精度掴み換え作業は製品傷の大きな原因となり、傷付きやすい材料の抜き工程は外注に頼らざるを得ず、コストと納期の両面でネックとなっていた。
  • 人手・技能ねじ穴のタップ加工や穴あけは手作業で行い、増産時は人手不足でヒューマンエラーが頻発し、不良率が悪化していた。
  • 品質・精度穴径やタップ加工の検査が不可欠だが検査人員が不足し、臨時対応では不良品の見過ごしが起き、再製造と納品のため時間とコストがかかっていた。
  • 生産能力溶接・仕上げ技術と納期対応力が強みだが、前工程とのバランスが崩れて強みを十分に発揮できないジレンマに陥っていた。

やったこと

本事業で大型タレットパンチプレス機「アマダ社製CNCタレットパンチプレス EMK3612M2」を導入した。この機械は金型の登録が可能なため、金型を手作業で入れ替える必要がなく、製品精度を向上させることができる。導入直後は加工時間の短縮が10%程度にとどまったが、抜き加工担当者がパンチング方法を工夫し、タップ加工用金型を導入するなど試行錯誤の結果、抜き加工工程の時間を平均30%短縮することができた。タッピングツールを搭載したことで、抜き加工段階で同時にタップ加工を施すことが可能となり、抜き工程とタップ・穴工程を統合することができた。機械でパンチできる数も10~20%増加した。工程統合による余力人員は配置転換し、展開や溶接・仕上げ、検査の要員をそれぞれ増員した。検査マニュアルを作成し、検査員のレベルアップに努めた。

加工機大型タレットパンチプレス機 アマダ社製CNCタレットパンチプレス EMK3612M2

事業の効果

  • 不良率 7%→2%
  • 抜き加工工程の時間を平均30%短縮
  • 機械でパンチできる数も10~20%増加

工程統合により抜き工程とタップ・穴工程を一体化し、リードタイムが削減されて想定以上の結果となった。不良率は7%から2%に改善し、製品品質の向上と納期短縮が実現し、顧客満足度も向上した。機械稼働率の向上と不良率の低下は収益向上に大きく寄与した。本事業の採択は会社と従業員の自信や意欲向上につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    中古タレットパンチプレス機で溶接専門工場から始め、展開・抜き・曲げへ業務を拡大してきた経緯が書かれており、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    強みは溶接・仕上げ技術と納期対応力と明示され、抜き工程の弱さが前工程とのバランスを崩していたと、強み弱みの認識が書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    抜き工程の外注や不良率7%、掴み換え作業を課題として挙げ、工程統合後に不良率を7%から2%へ、加工時間を30%短縮したと数字で示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の増加や賃上げの目標値は書かれておらず、収益向上に寄与したという定性的な記述がわずかにあるだけである。

  • 事業を進める体制4

    余力人員を溶接・仕上げや検査へ増員し、検査マニュアルを作成して検査員のレベルアップに努めたと、体制確保の具体策が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    製品品質向上や納期短縮、顧客満足度の向上は読み取れるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は具体的に書かれていない。

  • 事業化までの道筋3

    今後のロボット導入によるオートメーション化の展望は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達2

    2,300万円への増資と株式会社化の事実のみで、補助事業を遂行できる財務状況や金融機関からの資金調達の見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性20%
  • 新しさ・高付加価値1

    公開されている事例からは、板金分野の普及度や認知度、同分野での高付加価値化・高価格化の水準は読み取れません。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    抜き・タップ・検査の要員をそれぞれ増員し、従業員が26人に増えたと書かれており、雇用創出の側面がうかがえる。

  • 費用対効果3

    不良率の改善や稼働率向上、リードタイム短縮の効果は数字で示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加額は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CNCタレットパンチプレスやタッピングツールの導入は書かれているが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルによる地域・サプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは、成長分野への進出や日本経済の構造転換への寄与は読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    高岡市の富山県内の新しい薄板板金加工メーカーという地域性がわずかに書かれているが、地域の経済成長を牽引する記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内の板金分野は品質・コスト・納期対応など受注条件が一層厳しくなることが予想される。ロボット導入による生産ラインのさらなるオートメーション化も展望しており、生産性の改善と品質向上のための努力を続けていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。