ものづくり補助金平成29年度製造業山形県

シュール・リー製法を採用した海外ワインに負けない山形発の本格白ワイン開発

合資会社虎屋西川工場

この事例のポイント

  • 消費者の白ワインの嗜好が大きく変わっており、自社の甘口一辺倒の白ワイン商品戦略を見直す必要があった。
  • 振動式選果テーブルを導入し、自動化された選別の後に手作業で選果を行うことで、異物のない果汁を得られるようにした。
  • 振動式選果テーブルにより効率的にブドウの選別ができるようになり、健全なブドウからクリアな果汁を得て発酵を開始できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名合資会社虎屋西川工場
所在地山形県 西川町
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数5人
資本金7,000万円
設立1982年

事業の背景

当社は地元産の生のブドウや果実を原料にワインを製造している。自社の白ワインは甘口一辺倒の傾向があった。消費者の白ワインの嗜好が大きく変わり、原材料の厳格化への対応、日本ワインコンクールの入賞傾向、果実酒等の製法品質表示基準の施行も考慮して、辛口の白ワインを開発する必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術消費者の白ワインの嗜好が大きく変わっており、自社の甘口一辺倒の白ワイン商品戦略を見直す必要があった。
  • 品質・精度世界基準に合わせた付加価値のある辛口白ワインの製造が必須と考えられた。
  • 品質・精度原材料の厳格化に対応するトレーサビリティの問題があった。

やったこと

振動式選果テーブルを導入し、自動化された選別の後に手作業で選果を行うことで、異物のない果汁を得られるようにした。香りを引き出し、複雑な香味とボディー感を付与するためにシュール・リー製法を採用した。果汁段階から一貫して酸化を防止できるステンレス製密閉タンクを2基導入した。密閉式タンクにより管理と洗浄がしやすくなり、作業性が向上した。

加工機振動式選果テーブル
その他ステンレス製密閉タンク

新しい製品・サービス:寒河江プレリュード

事業の効果

振動式選果テーブルにより効率的にブドウの選別ができるようになり、健全なブドウからクリアな果汁を得て発酵を開始できるようになった。温度制御可能なタンクの活用により、発酵管理が向上しワインの質が格段に上がった。2022年にパリで行われたフェミナリーズジャポンに出品した月虎シャルドネと月山山麓醸造シャルドネがゴールド賞を受賞した。機械化と密閉式タンクにより労力が減り、他の作業に労力を割けるようになって全体の品質向上につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    消費者の白ワイン嗜好変化を受け、甘口一辺倒の方針を見直して辛口白ワインへ転換するとあり、既存の方針との関係は読み取れるが過去の取組との連続性は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    消費者嗜好の変化や日本ワインコンクール入賞傾向を考慮したとあるが、市場データや自社経営資源の強み・弱みは書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    トレーサビリティや原材料厳格化といった課題を挙げ、選果テーブルとステンレス密閉タンクで果汁段階の酸化防止と異物除去に対応する具体的な解決策が示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賞の受賞や品質向上は書かれているが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    自社農園拡張や契約栽培グループ、栽培研修の記載はあるが、従業員5名での補助事業遂行体制の具体は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    世界基準の辛口白ワインを目指し、フェミナリーズジャポンでのゴールド賞や海外取引の開始など、選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は他品種への展開や高品質ブドウ生産が目標と書かれているが、遂行スケジュールや課題解決の方法は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    甘口一辺倒から辛口白ワインへ転換し、海外ワインに負けない山形発の本格白ワインとして高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    地元産ブドウの利用や山形のワインの質をアピールする方針から地域経済への寄与はうかがえるが、雇用や波及効果の数字はない。

  • 費用対効果2

    労力減少や作業性向上が挙げられているが、投入額に対する付加価値増加や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    温度制御可能なタンクや密閉式タンクの導入は書かれているが、デジタル技術や新ビジネスモデルの記載はほぼない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    山形の地元産ブドウを使い、地域の風土を活かした高付加価値の白ワインを生む事業であることが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

この成果を活かし、他の品種でもワイン造りを行っていく。自社農園で新品種を植え付けており、ブドウ生産量には限りがあるため、全体のワインの品質向上を当面の目標としている。最近は海外向けの取引もわずかに始まっており、海外ワインに引けを取らない日本ワインを作っていく。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。