ものづくり補助金平成29年度製造業福島県

高付加価値乾麺類の生産性プロセスの改善と新商品開発

有限会社釘屋商店

成果計量から包装完了までの時間 30分→5分

この事例のポイント

  • 自動と手作業の2つのラインが混在しており、裁断後に機械を止めて手作業ラインへ移動して調量と包装を行っていた。
  • 乾麺用の自動計量機設備を導入した。
  • 計量から包装完了までの時間 30分→5分。乾麺25kgの計量から包装までの時間が導入前の30分から5分に縮まり、生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社釘屋商店
所在地福島県 玉川村
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数7人
資本金300万円
設立1879年

事業の背景

創業140年を超える老舗の乾麺製造業である。現在は少量多品種の多様な発注に応える製造ラインを持つ。高付加価値乾麺類として山芋そば・うどん・よもぎ麵・島田うどん・そばなどを製造し、和紙包装の3種セットが一番人気である。学校給食の麺は140校分を供給している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力自動と手作業の2つのラインが混在しており、裁断後に機械を止めて手作業ラインへ移動して調量と包装を行っていた。
  • 人手・技能調量と包装は熟練の程度で作業効率が大きく変わるため、生産効率を高めるための設備導入が必要だった。

やったこと

乾麺用の自動計量機設備を導入した。計量を一定の時間で行い、袋詰めの作業も機械に合わせる方式とした。乾麺25kgを対象に計量開始から包装完了までの時間を計測したところ5分で、導入前の30分から短縮された。包装後の試作サンプル(1袋250g以上)3点をランダムに計量した結果、いずれも許容範囲の誤差(+2g)に収まった。

検査測定乾麺用自動計量機

新しい製品・サービス:酒粕入り乾麺。麺は完成しており、包装材の吟味とデザイン検討を進めて事業化を目指している。

事業の効果

  • 計量から包装完了までの時間 30分→5分

乾麺25kgの計量から包装までの時間が導入前の30分から5分に縮まり、生産性が向上した。計量は機械が担うため作業員による時間のばらつきが解消し、熟練社員に頼っていた作業を新規採用社員にも任せられるようになった。その結果、作業員の再配置が可能になり、熟練社員は高度な作業や付加価値商品の開発に専念できるようになった。生まれた余力は新商品開発やPBブランドの提案に振り向けられている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    老舗製麺所として酒粕入り乾麺など高付加価値商品の開発を継続しており、過去の取組との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国産原材料や自然乾燥、和紙包装など強みは書かれているが、市場動向や競合との比較による優位性の根拠は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    自動と手作業の2ラインが混在する課題を明示し、自動軽量機の導入で計量から包装まで30分を5分に短縮するなど、課題と解決策の対応が具体的。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産性向上は述べられているが、付加価値額や賃上げの目標値は数値で示されておらず、実現可能性の判断材料が限られる。

  • 事業を進める体制3

    従業員7名で、新規採用社員への作業の任せ直しや熟練社員の再配置が書かれており、体制の一端はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    国産小麦や長期常温保存、和紙包装など製品の特徴と、おいしさ・安全性を重視する消費者ニーズへの対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    酒粕入り乾麺の包装デザイン検討や物産販売所での販促など今後の進め方は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    乾麺は価格競争に陥りやすい一方、国産原材料の高付加価値タイプが支持されると述べ、少量多品種で希少性を持たせる点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地元の老舗製麺所として学校給食140校に供給し、県産小麦の活用に取り組む点がうかがえるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    30分から5分への作業時間短縮と余力の創出は示されているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    計量の機械化は示されるが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルの活用、サプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    県産小麦「ゆき力」を活かした新商品や県内外への販路拡大が書かれ、地域資源の活用はうかがえるが、雇用創出や地域成長への波及は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

おいしさや安全性を重視する消費者に応えるため、地元および県内外へ販路を拡大する方針である。酒粕入り乾麺や県産小麦粉「ゆき力」乾麺などの高付加価値商品の販路拡大を目指す。物産販売所での販促活動に力を入れ、県内外の個人客に対して店頭と通信小売による直販を行う。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。