ものづくり補助金平成29年度製造業福島県

県内初高速・最大カッティングマシンによる段ボールの技術革新と発泡緩衝材・プラスチック分野への進出

株式会社エムエムパッケージ

成果カットシート20等分の作業時間 50分→35分

この事例のポイント

  • 小ロット製品の品質向上と短納期化を目指す必要があった。
  • 平型ツイン式カッティングマシンを導入した。
  • カットシート20等分の作業時間 50分→35分。断裁機による手動工程を機械化し、生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エムエムパッケージ
所在地福島県 福島市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野精密加工,機械制御
従業員数20人
資本金1,100万円
設立1988年

事業の背景

当社は段ボール製造を手がけ、主力は3層強化ダンボール(別名トリプルウォール)である。厚さ15mmで1m四方の箱に載せると耐圧強度3tを持ち、福島県内では数少ないメーカーの一つである。同一商品の大量生産は減り、必要な分だけを作る多品種小ロット化が進んでいた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力小ロット製品の品質向上と短納期化を目指す必要があった。
  • コスト・採算試作品の成型を手作業で行いカット面に粗さが残り、ロスが起きていた。
  • 人手・技能複雑な製品の抜き型づくりと抜き作業を外注しており、コスト高とリードタイム増大を招いていた。
  • 品質・精度プレスで型抜きすると強度が20%ほど落ちることが懸案だった。
  • 新製品・新技術TPP締結など内外の情勢変化により、海外勢との価格競争に備える必要があった。

やったこと

平型ツイン式カッティングマシンを導入した。最大加工サイズは5000mm×2200mm、最大カットスピードは1400mm/秒、位置精度は±0.2mmである。可動ヘッドを2基搭載し左右がそれぞれ独立して動くため、同時に複数作業をこなせる。PDFやイラストレータなど多様なフォーマットに対応し、データ変換の手間を減らした。厚さ90mmまで対応し、90°から30°まで1°単位で角度をつけて加工できる。

加工機平型ツイン式カッティングマシン

新しい製品・サービス:厚さ90mmまで対応する段ボールのカッティング加工により、断面不良の解消と、ポリエチレン緩衝材やプラスチックダンボールの加工を可能にした。

事業の効果

  • カットシート20等分の作業時間 50分→35分
  • 作業人数 2名→1名

断裁機による手動工程を機械化し、生産性が向上した。カット面の審美性と不良率を100回のカットで検証し、断面不良によるロスの解消が見込めるようになった。60mm厚のポリエチレン緩衝材やプラスチックダンボールも波打たずに美しくカットできるようになり、加工できる素材が広がった。費用対効果も良好な結果が得られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    段ボール製造で手作業の抜き型づくりを外注していた課題を機械化で解決する流れは読めるが、過去の取組との連続性は明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    TPPや海外勢との価格競争、堅調な国内ダンボール需要に言及し外部環境は読めるが、自社の強み・弱みの具体的な分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    抜き型の外注で生じたコスト高とリードタイム増大、強度20%低下を課題として挙げ、平型ツイン式カッティングマシン導入で対応する計画が読み取れる。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1930㎜×340㎜のカットシート20等分で2名50分を1名35分に短縮と数値で示され、生産性向上の実証が明確に読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    従業員20名と記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ロス解消、短納期、多品種小ロット対応、ダンボール製家具分野への広がりなど顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    新製品開発や発泡緩衝材の提案など今後の方針は書かれているが、遂行スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ダンボール製品は一般的な分野だが、90°~30°の1°単位加工や60㎜厚緩衝材の波打ちなしカットなど高付加価値化の特長が示される。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車部品の輸出拡大や海上コンテナ輸送への利用に触れるが、波及効果や雇用創出の具体的な記述は少ない。

  • 費用対効果3

    費用対効果は良好な結果が得られたと述べるにとどまり、投入額に対する付加価値額の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    あらゆるフォーマットのデータを直接加工できる点は読めるが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルは明確でない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    ダンボール需要増加や多角化に触れるが、日本経済の構造転換に資する記述はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及3

    福島県内で数少ないメーカーと記載され地域での位置づけは読めるが、地域経済の牽引への言及は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内のダンボール需要は増加が見込まれ、堅調な市場である。自動車部品の輸出も拡大基調にある。緩衝材に発泡素材を使い、刃物を替えてVカットを活かすことで新製品の開発と受注拡大を図る。電気製品メーカーとの取引では内製化率を高め、小ロット・短納期で供給する。デザインの自由度が増したので、ダンボール製の家具や学習机の分野への展開も見込む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。