ものづくり補助金平成24年度奈良県

自社オリジナル編み機による介護、スポーツサポーターの開発

株式会社ハヤシ・ニット

この事例のポイント

  • 医療用サポーター市場はケガをした後の製品が既に確立されている一方、ケガを予防するサポーターの商品は十分になく、介護する人の腰やひざのケガ予防需要に応える必要があった。
  • 袋付き靴下を編むことができる機械を導入した。
  • 関節のケガを予防する袋付きサポーターを開発し、実用化に成功した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ハヤシ・ニット
所在地奈良県 大和高田市
業種繊維工業
技術分野繊維加工
従業員数69人
資本金6,300万円
設立1972年

事業の背景

医療用サポーター業界は、整形外科等の患者個々の専門商品と、ドラッグストア等向けの簡易商品に二分されている。今後の高齢化社会を見据えると、介護する人の腰やひざのケガを予防するサポーターへのニーズが高まると考えられた。当社は「着る健康」をテーマに半世紀にわたり健康衣料を研究・開発・生産しており、保温繊維メディロンを用いた肌着、サポーター、靴下を「ウォーミィー」ブランドで販売している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術医療用サポーター市場はケガをした後の製品が既に確立されている一方、ケガを予防するサポーターの商品は十分になく、介護する人の腰やひざのケガ予防需要に応える必要があった。
  • 生産能力袋部分を持つ靴下やサポーターを編むには既存の編み機では対応できず、袋付き靴下を編める機械の導入と伸縮の改造が必要だった。

やったこと

袋付き靴下を編むことができる機械を導入した。さらに、その編み機がひざ用サポーターを編めるよう、伸縮が大きくなるように改造を行った。大学との共同研究の結果も踏まえて試作と検討を進めた。その結果、伸縮性を阻害せず身体にフィットする袋付きケガ予防サポーターの開発に成功し、実用化に結び付けた。袋部分には関節を保護するためのウレタンクッションを入れている。

加工機袋付き靴下を編める編み機(ひざ用サポーターが編めるよう伸縮を拡大する改造を実施)

新しい製品・サービス:関節を保護する袋部分にウレタンクッションを入れた、袋付きケガ予防サポーター(ひざ等)

事業の効果

関節のケガを予防する袋付きサポーターを開発し、実用化に成功した。市場にない商品であることから販売店の反応もよい。現在は老人介護施設等への展開を進めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    1972年設立以来「着る健康」を半世紀にわたり研究開発し続けたとあり、今回の取組もその延長線上に位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    独自の保温繊維【メディロン】が他繊維にない保温性と透湿性を持つと書かれているが、数値による比較はない。

  • 課題の認識と解決4

    介護する人の腰やひざのケガ予防ニーズを課題として特定し、袋付きサポーターの開発と実用化で解決に取り組んだと書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    高付加価値創出や賃上げの目標値は記載されておらず、公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    大学との共同研究や自社一貫生産体制が書かれ、従業員69名の企業である点も示されている。遂行体制の具体性は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    市場にない商品で販売店の反応がよく、老人介護施設への展開を進めていると書かれ、ニーズの根拠と顧客像が読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    介護施設への展開を進めているとあるが、中長期のスケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    財務状況や資金調達に関する記述はなく、公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医療用サポーター業界で確立された市場とは異なり、ケガをする前に予防するサポーターを市場にない商品として開発したとある。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    高齢化社会と介護市場のニーズを背景に挙げ、地元大和高田の綿を使う地域ブランド貢献も書かれているが、雇用や波及の数値はない。

  • 費用対効果1

    補助金投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果は読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    大学との共同研究で伸縮性を保つ袋付きサポーターを実用化したとあるが、デジタル技術や業界への波及は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    今後の高齢化社会を見据え、介護市場でのケガ予防サポーター需要に着目したと書かれており、成長分野への進出が読み取れる。

  • 地域経済への波及3

    地元大和高田の無農薬有機栽培綿で製品を作り、奈良ブランドの発展に貢献していると書かれている。雇用や成長の数値はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も健康という視点から製品を見つめ、企画開発から製造、販売、納品まで一貫した自社生産体制で高品質の製品を提供していく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。