ものづくり補助金平成29年度卸売業、小売業新潟県

精密ギタースキャン機導入による顧客への継続的メンテナンス支援制度確立

あぽろん株式会社

成果作業時間 200時間→2時間

この事例のポイント

  • ギターネックのノイズ箇所の特定やフレット削りなどの修理工程に多くの時間がかかっていた。
  • 弦を張ったままギターのネックやフレットの状態をスキャンし、ナットの溝やフレットの高さなどを1/1000mm単位で数値化できる高精度なスキャン機能を持つPLEKを導入した。
  • 作業時間 200時間→2時間。PLEKの導入により、ギターネックのノイズ箇所特定とフレット削り処置などの工程が200時間から2時間へと大幅に短縮され…

事業者のプロフィール

事業者名あぽろん株式会社
所在地新潟県 新潟市中央区
業種その他の小売業
設立1972年

事業の背景

1972年にフォークギター中心の小売店として創業し、時代に合わせてエレキギターやシンセサイザー、デジタル楽器などの取扱いを広げてきた。1990年代に全国チェーンの楽器店が新潟県に進出したことを受け、マーケティングを意識して差別化を図るようになった。ストーリーのある楽器を見つけて仕入れる目利き力を重視し、世界の著名アーティストが使う質の高い楽器を積極的に開拓してきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ギターネックのノイズ箇所の特定やフレット削りなどの修理工程に多くの時間がかかっていた。
  • コスト・採算修理の一部工程を外注に頼っていた。
  • 品質・精度弦がフレットに当たって出るビビりを解消するための調整を、人の目による作業で行っており、精度と正確さに限りがあった。
  • 集客・繁閑当時は日本の小売店でPLEKを導入した例がなく、他社との差別化と会社の信頼度向上が課題だった。

やったこと

弦を張ったままギターのネックやフレットの状態をスキャンし、ナットの溝やフレットの高さなどを1/1000mm単位で数値化できる高精度なスキャン機能を持つPLEKを導入した。数値化されたデータをもとに、顧客の個性や好みに合わせてフレットの高さを微調節し、設定に基づいてフレット削りやネック調整をPLEKが実施する体制を整えた。導入の結果、ノイズ箇所の特定とフレット削り処置などの工程が200時間から2時間に減り、外注していた工程も内製化して50%のコストカットを達成した。導入後はSNSを中心に告知を始め、地域のギター愛好家や取引先から反応を得た。

加工機PLEK

事業の効果

  • 作業時間 200時間→2時間

PLEKの導入により、ギターネックのノイズ箇所特定とフレット削り処置などの工程が200時間から2時間へと大幅に短縮された。外注していた工程を内製化できたことで、50%のコストカットに成功した。精密な数値による客観的な判断ができるようになり、正確な処置が可能になったと評価を得ている。ビビりがなくなった、弾きやすく鳴りが良くなったという利用者の声が寄せられ、他社との差別化にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1972年創業の楽器小売店で、90年代以降の変化への対応や目利き力向上を取組の背景として示しており、過去の事業との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    全国チェーンの新潟進出を背景に差別化を意識し、感度の高い店として知られた点に触れるが、市場データや競争優位の定量的根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    ノイズ箇所特定とフレット削り工程が200時間から2時間に減り、外注を内製化して50%のコストカットに成功したと具体的な数字で課題解決が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    定期診断や3年の継続的長期契約による収益性向上を目指すとあるが、高付加価値・賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ビビり解消や鳴りの改善といった顧客の声や、精密な数値による個性に合わせた調整を価値として具体的に示している。

  • 事業化までの道筋3

    定期健康診断やカルテ作成、保険制度の整備など今後の展開を示すが、スケジュールや遂行方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    日本の小売店でPLEKの導入事例はまだなかったと記載され、同分野で差別化を図る高付加価値化の取組として読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果4

    約1,000mm単位の数値化により作業時間が200時間から2時間へ大幅に減り、外注費の削減で費用対効果の高さが示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    精密な数値化やSDGsへの意識はうかがえるが、サプライチェーンや地域イノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    新潟市近郊のギター愛好家や取引先からの反応に触れ、地域の顧客に向けた取組であることは読み取れるが、雇用や地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はPLEKを使ったギターの定期健康診断やカルテ作成、必要な場合の修理をパックに入れた3年などの継続的長期契約を整え、継続的な支援と収益性向上を目指す計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。